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からからと
蝉は
姿を消してゆく
夜のおわりに
ぽとり
落つく
砂浜に
ひかる
素肌のにぎわいが
白くつめたい
....
横たえられた貴女
緩やかな緊張に伸びる身体
山
胸を吸い取り
旋回する鳶は私
海
月に曳かれ
道跡を渡る貝は私
波の華が夜空を
散って涙する
けれ ....
指の跡 みじかい文の うらおもて
いまさらの 恋が見えない あぶり出し
ときどきが どきどきするほど わるい恋
空がきれいに映った窓の拭き手
命綱に繋ぐ彼が空を拭く手
見上げるのはあんまり小さい
動かす腕の振り幅
すべての空を拭き終えるには
ビルさえ朽ち残らない
しずくひとつ零しても
....