コーヒーにミルクを垂らし
スプーンでかき混ぜると
渦の中から喋り声が聴こえてきた
「明日はゴミ出しの日だよ」
うるさいなあ分かってるよ
と思いながらカップを覗くと
超小型の牛が泳いでい ....
謙虚の柵の向こうに 黒い太陽を浴びた枯葉が闇を止める そのままに
謙虚過ぎる君 君は柵を越えて 何を美徳と履き違えたんだい
俺は謙虚を持たず生まれてきた
母親のせい
父親のせい
誰の何 ....
原田さんはクラスメートだ
原田さんは園芸部の副部長だ
原田さんが幽体離脱を繰り返すのは最近拾ったオッドアイの子猫のせいだと言う
原田さんはイレギュラーバウンドする
どこへ行ったのかわか ....
酷い話だ
身内が横たわっていても
涙一つ出やしない
酷い話だ
悲しくならなければいけない
と自分で言い聞かせても
涙一つ出やしない
酷い話だ
死に顔をじっくり見ても
とて ....
歯科衛生士とSMプレイしてるみたいな歯石取り
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
思う、
考える、
短くため息、
ポテトチップスをかじる、
続ける、
恋をしている、
わたしはシマリスより忙しい
離れていく、指先から徐々に
枝分かれして漂う
時間の波はいつ ....
いつ世界が終ってもいいように生きるのが大人のたしなみ
例えば手を繋いで歩いているこの瞬間が永遠に続いていてほしいと言ったら
それは違うと怒られそうだけど
このひとと一緒に消えてしまうので ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!
満員電車の中
三 ....
そもそも釣り合った対等なカップルではなかった。
つけ込んだと言えば聞こえは悪いが、一時の気の迷いに乗じて
ドサクサに紛れて交際関係を勝ち取ったようなものであったので、
私の側にはいつ振られるか分 ....
人生というものは本来
純粋なものなのか
という素朴な問いに対して
年上の彼の立場としては
人生はかなりのものが不純物で
出来ているという話をしていたはずだった
ここに座って
潤してい ....
天の川見上げて泳ぐ真夜中のプールの底は銀河の途中
開けた跡地の看板に軽く絶望を唱える
お会いしなかったのは全くもってこちらの都合であり
ノスタルジックの甘みと苦みに浸されるのもこちらの都合であり
好きになったのもこちらの都合である
何を生 ....
笑いかた曾孫を抱いて思い出す居間に流れる喜びの歌
鯉のぼり静寂好むはずがない
睡蓮が開く音さえないしじま
凜とした春の神社に神の声
誕生日幾つになっても照れ臭い毎瞬続く成長の道
陽だまりは君の微笑む顔のよう心と体元気にさせる
昨夜観た夢の続きを追いかける宇宙の果てに何があるのか
確実に一歩一歩と進む日々近道も良い ....
山鳩の遠く鳴く朝
僕は旅に出る
心は遠く動いている
窓の向こう
あの坂を下った道に
風が梢をさやがせて
あれは空に向かって高鳴る心臓
緑の葉が一枚 また一枚
流されてゆく
風 ....
友達がくれた香水シュッとする異国の街がぼんやり浮かぶ
ゆったりと笑って過ごす休みの日君の問題一緒に解決
夜になり心を照らす流星群星になったかのように瞬く
島々を結ぶフェリーは日に四便 ....
薫風に背中押された迷い人
雨蛙気が短くて飛び回る
短夜に潜む魔物と目が合った
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
....
ペポパンプ氏の投稿は12年11月29日で途切れているが僕が仄聞で女流詩人の一人から耳にしたのは僕の尊敬する詩人が追悼の辞を述べていたことがとても気になっていたある日のことだった。
まさかとはおも ....
高校でお世話になった先生の見た目は同じ何も変わらず
雨の日は退屈な風吹き荒れる少し湿った理科のプリント
建物の影に隠れて僕を見る野良猫の目が鋭く痛い
夕飯は家族揃ってする決まり笑い絶 ....
薄氷足場が悪く見える闇
草餅とお茶を交互に無駄話
新入生地に足をつけぶれてない
電線には 雀
絶対に 会話している風な笑顔で
闇をも すり抜けた
鴉は 怖くない
そもそも 黒い存在を 忌み嫌う理由が
分からないのです、と
溜息を 吐きながら
嘘の ....
夫婦円満の秘訣を聞かれました。
思いやること、
お互いを認め合うこと、
話を聞くことをすれば
大抵のことは
乗り切れるのではないでしょうか☆
円満と思うのが
自分ばかりでも ....
神社の脇に湧き出ている水を
手をかざして一口飲むと
喉をコロコロ撫でる
境内に生える大木から
風が気持ち良く流れており緑が眩しい
少しずつ身体中の細胞に広がる湧き水は
....
あおじろい腹をうかべて魚たちが浮んでいる浮んでいる水
を引いた稲の緑が斑に褪せる褪せた色
の壁に凭れる男が胃の中のものを吐き吐き
捨てられた理想は街中に小高く積まれる
美しい世界で生き ....
あなたが棄てたのは
金の人生ですか?
銀の人生ですか?
それとも
ありふれた人生ですか?
なんて
聞かれたとしても
うるせー、
なんも捨ててへんわい
阪 ....
その空に落ちた雲へと太陽を
青い光をひっぱり上げて
白衣着た天使を見れば落ち着いたほっとする時間作ってくれる
ボタン取れボタンをつけてくれる君手編みのセーター編むのが得意
小さくてあまり知られてない劇団親戚だけで創られている
深く濃く ....
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