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光を梳いた暗がりの川
朝と朝と朝の波音
刃の羽のはじまりと終わり
かけらを悼むかがやきの径


何処へも行けず 此処で眠る
水はさらに遠くなり
暗がりは暗がりのままか ....
海のなかの
窪みはあふれる
浪は押し寄せ
押し寄せ 吹き上げ
幾度も幾度も
空に溺れる


雨が雨の甲を握り
指の隙間を光に満たす
重なる雨 震える雨
雨の上 ....
洗面所で
顔を洗っていると
母が居間から話しかけてくる
何を言っているのかわからない


洗面所で
歯をみがいていると
母が台所から話しかけてくる
何を言っている ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
見える水音
見えぬ水音
草を伝い
草を描く


影を避けて
水を歩む
雨のあとの
浮き沈む道


おぼえられ
わすれられ
名前は鳥のようにすぎる
地は蒼い
 ....
森の貝をとり
水にひたし
透きとおるのを待つ
巨大な草の{ルビ族=やから}の
息つぎを待つ


湿った土
霧が告げる鳥
岩をしめす手


声 匂い 熱
姿以外の緑 ....
限りあるものに呼ばれ
窓をあけ また
窓をあけ
どこまでもつづく
不透明の向こうの
限りあるものに呼ばれ


暮れる色は
知らぬ色
誰かが色につけた名は
そのままその ....
ゴミ箱はふたつ 横になっている
ほら そうして寒くなってきた
手も尻で 足の指が離れないまま片方の膝から下が無い
こうして時々積み上げておいた亀裂の前にやって来て
わずらわし ....
氷の轍を駆ける鳥
ふいに枯葉のなかから飛び立つもの
朝の終わりを告げてゆく


遠く幻のように
冬の林がつづいている
常に空の色より暗く
風のなかに立っている
 ....
冬の光が一本の木を撲ち
水のなかの空はむらさきになる
北の方からやってくる雨
無数に分かれ ひろがり
続きつづける水たまりの言葉になっていく



金の雲 金 ....
誰もいない街の上を
独りの鳥が飛んでいた
色褪せた黄金の街だった
かつて金色の泥流に埋もれて滅んだ
古代の街のようだった
乾いた巨大な植物のなかから
鳥は光の色 ....
空と空をつなぎながら
連なる交差に溶け残り
雪は火傷を伝えてゆく
遊びを終えた子らの声
原をわたる風のひと粒
熱と痛みが照らす脇道


埋もれかけた細い木のそば
真新しい ....
雨の森 羽の音
言葉にこぼれる
声の水音
透きとおった殻のなかで
生まれ出ようと旋るもの



空が融ける
雲の一角
灰の放射が
ひとりのまぶしさが
おそ ....
わたしは咲いていた
わたしは咲く
わたしが咲くとき
わたしが咲けば
わたしよ 咲け


あなたが咲くうたの
聞こえるところ ....
回るものの影が
回るものに映り
たくさんの満ち欠け
たくさんの季節をつくりだす


水たまりの空を歩むもの
変わりつづけ 歩むもの
ここに在るだけの世界の上に
足跡は ....
生まれ ささげ 手わたし 去る
鏡のなかに増えてゆく
誰もいない家並みに
打ち寄せるすべての見えないもの
やわらかく 冷たく
悲しいもの


暗がりに立つ光の線が
自 ....
    足元に散らばる光を
    ずっと数えていた


    胸元にひろがる光を
    ずっと数えていた


    目をそらしても 目を閉じても
     ....
    冷えた茶を飲むとき
    私のなかに
    雀が居るときがある

     
    様々なものに殺された雀が
    私のからだのなかではばたいている
 ....
    空が割れて

    大きく割れて

    なんという光のむだづかい

    小さな笑みを照らしている
風は曇り
硝子のひと欠け
わずか わずか
と つぶやかれ はじまる
蝶の生まれやすい午後


葉と葉のあいだ
やぶにらみの空から
静かな土から
さらに高く さらに低 ....
    他人のように眠るとき
    仮面のように眠るとき
    水の蛇はひたひたと来る
    狭い空を翼で覆い
    小さな夜を乗せて来る
ふわふわが
ふわふわに言います
もっと
ふわふわになる


光が光に目をふせ
渦の生まれを見ます
ふたつ
生まれた


ほつれ
ほどかれる指が
からまわりし ....
海と空しか見えない夜の道
小雨に似た
まだらな冷たさ


川の波と海の波が出会う
鳥たちが岩をついばんでいる
雲が雲を終えようとしている


無色の目のはばたき ....
緑のなかの月
金のなかの羽
夜の上で重なりあう
土の上で重なりあう
空のむらさきから
鳥が飛べないほどの風が
裏表なく降り下りる
どこへでも
どこまでも
 ....
月は去り
夜は現われる
濡れた枯草の冠が
微笑むものを照らしている
熱は夜の手を取り いざない
夜は野に横たわる
葉が冷気にかがやくとき
熱は空へ還る
空へ落ちる雨にな ....
原をわたる風は沈み
日陰はまるく動かなくなる
中庭のまんなかでひとりの子が
空をあおいで立ちつくしている
風は草に降りた鳥たちに
気づかれることなくすぎてゆく


雲を焦がして ....
蛍の熱さの砂のくぼみに
産み捨てられたまだらの水晶
偽物を探し求める群れがゆく
風は足あとに倒れつづける
空を機械の音がまわる



網の内の冬
三重の星雲
 ....
    卵を産んでいる親蜘蛛を
    卵と一緒に握りつぶして
    やさしい少女の顔をした少年
    そのままの手で夏の樹を抱く
まとわりつく寒さと湿り気に
からだの花は目を覚ます
欠けた明るさ
まばらに降り
起伏の上にうすくひろがる


曲がり角に集まる闇へ
消えてゆくひとりの背の影を
あなたは海 ....
夜多き午後に生まれて
水に逆らい 森になり
少しだけ埋もれた地の月を見る
暗い光の束を見る
血のにじむ手のひらの先
雲に重なる雲を見る


空が示すものに応えつづけて
ひ ....
つきのいし.さんの木立 悟さんおすすめリスト(67)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水へ_ふたたび- 木立 悟自由詩317-6-9
夜へ_水へ- 木立 悟自由詩414-12-23
ノート(過ぎ終わりはじまる)- 木立 悟自由詩414-9-20
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
午後と熱- 木立 悟自由詩806-5-29
遠霊鏡- 木立 悟自由詩306-5-29
雨と指- 木立 悟自由詩706-4-17
Beyond_My_Room- 木立 悟自由詩2*06-2-9
照夜_Ⅳ- 木立 悟自由詩4*06-1-17
姿の源_Ⅵ- 木立 悟自由詩106-1-15
姿の源_Ⅴ- 木立 悟自由詩206-1-15
冬とてのひら- 木立 悟自由詩8*06-1-9
冬の羽- 木立 悟自由詩605-10-14
ノート(咲く)- 木立 悟未詩・独白405-9-24
ノート(歩む)- 木立 悟未詩・独白605-9-13
ひかりから_みずから- 木立 悟自由詩605-9-9
ノート(38Y・11.4)- 木立 悟未詩・独白305-9-8
ノート(38Y.5.25)- 木立 悟未詩・独白405-9-7
ノート(38Y・9.13)- 木立 悟未詩・独白305-9-6
こだま- 木立 悟自由詩305-9-4
ノート(35Y・7.9)- 木立 悟未詩・独白405-9-2
ノート(眩)- 木立 悟自由詩1005-8-31
回帰- 木立 悟自由詩305-8-26
邂逅- 木立 悟自由詩505-8-25
光に触れる手- 木立 悟自由詩405-8-24
粒の日のうた- 木立 悟自由詩305-8-22
季霊- 木立 悟自由詩205-8-21
ノート(25Y・9.19)- 木立 悟未詩・独白505-8-18
手のひらの日- 木立 悟自由詩405-8-17
うみ_Ⅲ- 木立 悟自由詩505-8-15

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