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初秋の晴れた朝
人間の作った柵を乗り越え
甘藷の群生する土地に入って
甘味な芋を掘り出し 食っていた

と…
大きな人間が木の杖を構えて
殴りかかってくる
逃げる間などありはしない
 ....
もう二十年も昔になるだろうか
「政府の備蓄米が放出されているらしい」と
うわさが流れていたころ
「あんたの家のお米ぐらいはいつでも確保しておくからね」
そういった町の米屋さん

近くにスー ....
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む

 ディスプレイの 
 向こうとこちらで ....
雨の後の晴れた日に
溜まった洗濯もの急ぎ洗い終え

隣の辻の電柱に出来始めた鴉の巣
遠望出来てもシカトして
ベランダ一面
満艦飾のパジャマやパンツ
気分良く午睡の隙に

くそっ やり ....
長い眠りの蛹の
生まれ変わる朝の
ときめき
蜜に濡れて
去って行く蝶の
涙の滴が描く
飛翔の予感

村一面に泡立つ音は
目を見張り
燃え始めた野火は
往き先を失って
困惑 ....
初めて名刺を作ったころ
職場には峰が幾つもあって
明るい未来が透けていた

登りはじめて気付いたことだが
山道は九十九(つづら)折り
いくつかのコーナーには
清水がキラキラ輝いて
口を ....
ブラックボディのノートパソコンを開け
キーボードに伸びる手を追い越して
パネルに伸びた指が
無作為にキーを叩く

 SACK DON SEX…

夜明け前の画面に触れた指先から
水が泡 ....

動物園の規則正しい給餌や
健康で安全なゲージに
拘束されることを嫌って
自然界へ飛び出す鳥がいる

自然界で生命維持するには
喰われることのすくないけものでも
ストレス ....
横波 縦波 渦巻く世界
肩肘張って働いて
お疲れなんでしょうね
名も知れないゆきずりの肩に
頭を預けてしまって
安心しているあなた

満ち溢れる心労を
化粧に隠していても
あなたの髪 ....
おんなが三人
テーブルを囲んで笑い声を上げていた
おとこは 
二つほどテーブルの間を置いて
ゆったりとコーヒーカップを口に運んでいた

おとこはおんなをこっそり眺めていた
週刊誌を読 ....
人間とは不思議な生き物だ
月までだって跳べる時代に
自分の足で跳んでみたいのだ
高く 世界一高く 
あなたは数十年間共に過ごした顔を
しみじみ見つめたことはあったか
舐めるように眺めたことがあったか

家庭で会社で割り当てられた役
自分の心を追い払い
ドーランを塗り 眉を描き
役のキャ ....
乗用車一台通れば
塞がってしまうほどの道幅
両側の家並みに
人は暮らしているのか
いないのか
どこも無口で
通り抜けるにも 身構えて
足音忍ばせ 
辺りに目を配る

ここは都会 ....
赤い星から届く光と熱を糧として成長した生命
闇に怯える幼い生命をやさしく照らす黄色い星
人は太古から赤い星と黄色い星を崇め慕い
年を数え 循環する季節を知り
様々な物語を幻想してきた

 ....
はるののでツクシをつんでいるとき
かんぼくのあいだを とおりすぎるかげ
そいつはイタチだ

かんぼくのなかをのぞくと
なくしたスーパーボールや
ミニカーがみつかるにちがいない
イタチのこ ....
今日は日曜日だから
病院の屋上で
ふんわりかすんだ景色と
ゆったり過ぎていく一日を
眺めていよう

近くを流れる川岸で
竿振る人がいて
逆さになった山の
頂上をめがけて振り降ろし ....
この公園には獣がよく来ます

あの石積みの崩れは
イノシシの仕業
あなたの足下のぼこぼこした土
それは狸の厠
先ほど あなたの踏んだ黒い豆
シカの落とし物ですよ

昼間花見客で賑わう ....
人と争った後は
自分の中から
大事なものが
抜け落ちて
取り戻すことが
出来ないような
後悔と
いうほどでもないけれど
薄ら寒い風が吹き抜け
埋められない
空洞

一緒にお茶し ....
遠い海鳴りに揺れる芝の浜に
過去を彫りつけて並ぶ墓石 
刻まれた家名は
未来から押し寄せる期(とき)の飛沫に
輪郭を失い昔話の中へ透けていく

たとえば 祖父の掲げた鬼灯の
赤光に浮 ....
九官鳥の鳴き声知っているかい
真似しすぎて
とうとう自分の声を忘れてしまった
めすをよんでも相手にされない

そんな人も居たな
人まねしていて自分の姿を失った
そんな人になるには
白紙 ....
小声で頼んだ並みのマグロが
おおくきなって店中を駆け回る
こちらの身が小さくなるとき
届けられた笑顔 
心ばかりのサービスを 
言葉で返る寿司職人
すべすべの掌が握って
板に乗った寿司の ....
出来るでしょうか
目に見えない心を磨くことなど
出来るでしょうか
形のないものを磨くことが

かつてある食品会社が
「水を磨く」と言いました
大河の水は汚れています
池の水も汚れて ....
ひび割れた指先から 
冬の滴がしたたり落ちて
大地に染みこんでいくとき
温い風に梢を揺すられ 
慌てたまんさくは
葉芽を出すことも忘れて
よじれた花を開いてしまった

北の風に身をよじ ....
いつも 
車両に乗り込んだ人は
先から乗ってきた人に
目で挨拶を交わしたきり
閉じたままの窓の外へ
視線を泳がせたまま
死んでしまう

いつも
死んだ人間が運ばれていく車両に
今日 ....
一と言う字を書いた
それはゴールテープ
真っ先にあなたが通り抜けて
一は消えた

東の果ての一
海と空の境界から
太陽が覗き一日をはじめるとき
あなたの舟が一の中へ消えて行く

 ....
どうして
コンクリートで
庭の地面を覆うのでしょう
芽生えようとしていた希望が
誰にも知られず
腐敗してしまったことなど 
コンクリートは
教えてくれません
子どものころから知っていた
その今度は 
生涯 来ないこともあることは

だから
続きは また今度 
と言われたら
諦めるしかない
穏やかで笑顔を絶やさない
優しい人は
素敵な人でしょう

でも
人生には
笑ってばかりはいられません

自己を守る戦い
家族を守る戦い
自由を守る戦い
平和を守る戦い
騒いでいる状況じゃない
ことぐらいは分かっている

騒いでいる間に人生が終わる
ことなど無いこともわかっている

それでも騒ぎたいときがあるだろう
騒いでいるときは不安や苦悩を忘れること ....
夜も光が満ちあふれている
というのに何という暗さだ

積乱雲の内に潜んでいた狂気が燃え上がり
炎となってなだれ落ちた北の空
燃え広がる炎は山を飲み込み
夜と昼 夏と冬が入り交じった都会の
 ....
殿上 童さんのイナエさんおすすめリスト(204)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
イノシシ- イナエ自由詩10*14-6-8
町のお米屋さん- イナエ自由詩10*14-6-4
ネットの恋人- イナエ自由詩11*14-6-1
フンガイ- イナエ自由詩8*14-5-27
友へー2014/05/24ー- イナエ自由詩10*14-5-24
- イナエ自由詩12*14-5-12
連休明けの- イナエ自由詩10*14-5-8
風にそよぐ掟- イナエ自由詩12*14-5-3
私の肩を信じるあなたへ- イナエ自由詩15*14-4-18
夕暮れのひととき- イナエ自由詩8*14-4-14
the_high_jump- イナエ自由詩8*14-4-11
- イナエ自由詩15*14-4-6
- イナエ自由詩9*14-4-2
宙の三原色- イナエ自由詩9*14-3-28
イタチ- イナエ自由詩18*14-3-26
仙人- イナエ自由詩14*14-3-24
夜は獸- イナエ自由詩10*14-3-22
人と争った後は- イナエ自由詩7*14-3-17
メモリアルパークにて- イナエ自由詩9*14-3-16
Who_are_you_?_- イナエ自由詩14*14-3-10
回転寿司- イナエ自由詩12*14-3-1
磨く- イナエ自由詩22*14-2-26
早春素描- イナエ自由詩11*14-2-24
いつもの車両に- イナエ自由詩12*14-2-22
一と言う字- イナエ自由詩7*14-2-17
- イナエ自由詩11*14-2-13
また今度- イナエ自由詩11*14-2-10
戦い- イナエ自由詩8*14-2-2
お祭り騒ぎ- イナエ自由詩13*14-1-25
クリスマスローズ- イナエ自由詩13*14-1-12

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