すべてのおすすめ
ビニールの金魚
尾はヘドロと浅い海
袖で眠るヘビの嘔吐
男と来たばかりの憂鬱だけ
さよならはブリーチで染めたのに
ワイングラスの方代わりに夕暮れと鼾が
踊ろう久しぶりの密林とバカンス
秘 ....
末広は吸い込まれて消えた、平凡の象徴として
ありとあらゆるものが末広と化した
末広がりという社会現象
末広という名前の子どもが急増し、末広に改名するものが続出した
ある調査によれば国民の ....
名前は親からの最初の贈り物
光と書いてヒカル
その名前を彼女はあまり好きではなかった
「光は周囲を照らすけれど
光が照らされることはないの
虚しい人生だと思わない?」
いつも甘いタ ....
俺は話がしたい
壇上に立って
聴衆に聞かせたいことがある
常日頃から思い募ってきたこと
ぼんやり座っている奴らに浴びせて
腑抜けた日常から目覚めさせてやる
息巻いて
照明の降り注ぐ舞台に ....
じゅういち時 しめきったへや しめったかみ しんしんと陽ざし
つめたいはずの風 さびしげにまどをたたく
あるくひとはこごえて かれはがころがるほどう
空にてんてん くもはこまかい
ガラ ....
あの方を好きになったのに
あの方のことで頭が
いっぱいになるはずなのに
私は滅びていく
恋すればするほど空になる
どうしようもなく君を思うのに
あの方は私の心にいない
あの方がわから ....
供述によるとお前は
うつくしい女と出会った
彼女は駅の階段でうずくまっていた
いくら声をかけても反応がなく
そっと肩を叩いたとき
顔をあげた女と目があった
お前はこれがほんとうの恋なのかと ....
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで、束ねられた数枚の紙でしかないそれを僕に差し出すと、君は下を向いてコップについた水滴を指で撫ぜた。
何気なく開いたページには、立てこも ....
素麺はすいすい泳ぐ箸などにすくわれるとはつゆとも知らず
うつくしくやさしいひとをひとりだけわたしのそばにおいてください
虫の鳴く声がキィキィ単調に響いてさして美しく無く
今までに積み ....
試験管を試験官の尻に差し込みフラスコをステテコに押し込んで足のところを縛ります
塩酸を凄惨に撒き散らし人体模型を靭帯がもげるまで捻じ伏せます
BTB溶液をBLTバーガに流し込み胃液で溶かします
....
時間は時と時の間
そして時は流れる
時を感じようとすれば
時は時間となっている
時をどれだけ短く切り取っても
時は時間になっている
時間はつながりそのもので
時は時間から生まれる
....
菅原孝標女が孝標女という名前しか残せなかったのと同じように
私の名前はヘルメスの鳥
藤原道綱母のようにヘルメスの親鳥ともなれば矜持の一つも持てるだろうが
あわれ私はヘルメスの鳥
バーキンでもグ ....
パイを投げる人たちはいつも画面越し
楽しそうに盛り上がり着地点としてパイを投げる
零れ落ちる皿 白い顔 気の抜けた効果音からCMへ
パイ投げ一筋30年
いろんなものにパイを投げてきた
....
点滴片手にガラガラと音を立てながらコーナーを攻める青白い男性
その背後から名前を連呼しながら桃色のナースが駆け抜ける
男性の行く先には簡易トイレを手押し車に疾走する老婆
速度を落とすことなく廊下 ....
まだ何もわからない頃に
考えるよりも先に
ためしに一つ作ってみようと思った
手が捏ね回していたら
くびれて腰になって
悪ふざけで尻ができ
二つつまんで胸になり
ゆびで裂いて股をつくっ ....
たのしみが待っているとわかっていても
踏み出していけない日がある
自分でもどうしてかわからない
陽気で華やかで美味しいものがあるのはわかっていても
足が向かない
敵意や悪意があるわけじゃ ....
ふりかえると夏がいた
透きとおる肌
後ろの道が透けて見えた
ほほえむ顔がうつむいて
夕陽から漂う風を浴びた横顔は
もう夏ではなかった
私の知る夏は消えていく
知らない存在に変わってしまう ....
ねむる
すこしずついのちになりながらねむる
より細かに
よりおおきく
体ができていく
ねむる
この身ひとつのせかいのなかでねむる
じぶんの鼓動がひびく水のなか
ねむる
は ....
両肩に光るタスキをぶら下げて工事現場を飛び出していけ
おやゆびをついっとつかいサンダルに前をむかせて走りだすきみ
香水の涼しい匂いを嗅ぎながら百貨店のベンチにて待つ
澱みつつ腐りゆく ....
やわらいだ寒さに薄着で出かけたいあたたかいものをいれた水筒
日を束ね春と呼んではいるものの二度と同じ日は集まらない
だれ一人おなじ人間などいない一回きりの春も同じだ
....
職業を問われたら
いずれ星になることだ
と答えるような気障な男だった
宇宙飛行士といえば聞こえはいいが
今の時代そんな奴はごまんといる
宇宙産業が国営だった頃ならまだしも
小さな町工場 ....
寒さがやわらいできた
薄着でそとにでかけたからか 何かあたたかいものがたべたい
季節はくりかえさない
春とわたしたちがよんでいるもの
一度としておなじ春はこなかった
世界にはいままで ....
「こわれた護岸をなおしています」
私にはたしかにそう聞こえる。その男は画家だったので、「こわれたゴーガンをなおしています」だったのかもしれない。アトリエには花瓶にいけられたカサブランカがあった。「ひ ....
はるにうまれたやつは
ゆめみがちなやつがおおい
かぜはつめたいのに
ひざしがあたたかくて
ゆめをみるのにもってこいなんだ
だからか
はるにうまれたむしは
ひらひらおそらをとんでい ....
夜、気持ちよく眠っていると虫の羽音がして目が覚めた。反射的に手で音を払うと、すぐに声がした。「小生はあやしいものではありません。虫であります」とその声は言った。自分から虫というからには虫なのだろうな ....
一日ごとの神様というと大袈裟だけれど
それぞれの日に担当者が決まっていて
八百人が毎年持ち回りで
一日ずつ見守っている
年に一度の総会で
月ごとにグループを作るのだが
その時ぽつんとひ ....
裸ニ成ッテ 踏ンデクダサイ
白イ剥キ出シノ足ノ弾力ヲ コノ背中ニ 顔ニ 腕ニ 尻ニ 感ジサセテ下サイ
全体重ヲ掛ケテ
サア 遠慮ハ入リマセン
骨モ 貴女ノ足デ 踏ミ折ラレルナラバ 本望デ ....
冬の朝
空気が張り詰めている
これから僕は試される
あたたかい布団から出て
ぬくもりの残る寝間着を脱ぐ
つめたいシャツに腕を通す
小さなボタンが凍りついて
うまく動かない
....
ひとりぼっちになったとき
おそれるべきはこどくではない
わたしだけ というひとりよがり
いつのまにやら
どつぼにはまる
わたしだけ つらい
わたしだけ さみしい
わたしだけ ....
あおぞらにむかって
ほんはひらかれた
せかいのだれもが
てにとれるように
時間の波に押し流されることなく
権利の射程圏内から逃れて
生き残った言葉の集落は
門を開いて客人を待つ
....
殿上 童さんの木屋 亞万さんおすすめリスト
(114)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
去りゆくものたち、生まれくるものたち
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
13-1-1
末広がり
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-12-30
光について
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-12-24
私語硬直
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
12-12-23
やさしいうた
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-12-22
滅私方向
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
12-12-15
供述によるとお前は……
-
木屋 亞 ...
自由詩
5*
12-12-1
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで
-
木屋 亞 ...
自由詩
10*
12-11-23
不整脈絡
-
木屋 亞 ...
短歌
2*
12-11-11
実験室____です。
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-11-10
時間と光の断面
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
12-11-3
私はヘルメスの鳥。私は自らの羽を喰らい、飼い慣らされる。
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-27
あなたにパイを投げる人たち
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-21
ホスピタル・サーキット
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-18
(仮)
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-13
Don't_Know_Why
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
12-9-16
夓
-
木屋 亞 ...
自由詩
5*
12-9-1
ねむる
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-7-27
小豆鍋
-
木屋 亞 ...
短歌
2*
12-6-16
はるについて(ホットケーキ)
-
木屋 亞 ...
短歌
5*
12-4-7
星になる君とさいごの夜にいる舌の氷の溶けおわるまで
-
木屋 亞 ...
自由詩
6+*
12-3-30
春について(ホットケーキ)
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
12-3-25
こわれた護岸をなおしています
-
木屋 亞 ...
自由詩
3+*
12-3-23
はるうまれ
-
木屋 亞 ...
自由詩
6*
12-3-10
すばる
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
12-3-6
うるう人
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
12-3-1
足デ
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
12-2-7
winter_loser
-
木屋 亞 ...
自由詩
5*
12-2-1
わたし
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
12-1-18
あおぞら
-
木屋 亞 ...
自由詩
7*
12-1-15
1
2
3
4
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する