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細長いため息を吐けば
雨になって壁に突き刺さる

仮面を剥いでも
表皮が乾いた途端また
次の仮面が顔を覆う

背中に羽根が生えたせいで
バランスが取りづらい
かさばって満員電車で邪魔 ....
どれだけもっともらしい言葉を吐いても
お前らは何も語っちゃいない

目に映るものすべてが腐って見える
狂ったように照り付ける日差しも
鉄板になったアスファルトも
粉塵を巻き上げて走る乗用車 ....
紙飛行機がララララ
ファルセットを響かせて
離陸していくその数は
およそ無量大数を越えて

どんなカメラなら
星の小さな輝きを写せるのだろう
消えそうな白いシャツの向こうに
見えない体 ....
シは救いになるか
射出されるパイロットのように
肉体を捨てて魂を脱出させうるか

人生が進み
環境が移ろえば
シを求めることはなくなると
もはやシは
あやしい輝きを
一切持たなくなる ....
未だこぼれ出ぬ涙のために
1tの鉄塊を失って
また人らしく踊れるかもな

大腸の横穴の奥で溶けない氷
夏を越えていく中で
浮き出て腐る
いつぞやの恋は
未熟な枝付枯葉

機械が核の ....
波打ち際に重油を撒いた
小さな見えない火が揺れる
夕焼けみたいだな
波は引いていくのに
火は消えない

水際で阻止された汚染
陸地は汚れなかったけど
海はめらめら
汚れたままだ

 ....
肉片になってはじけ飛んだ肉体は
まだ私なのだろうか
アスファルトの黒い石肌に落ちた
赤い塊と割れた骨が見える
肉が赤く骨にこびりついている

大量の血を流したことはなかったが
生臭い
 ....
点滴を全身に浴び
刺さるたびに針のむしろに治療されます

感謝しましょう
よりよい私になるために針山地獄は苦い良薬

最近のゴッドハンドは
神様のサイコロにさえメスを入れます

まも ....
ボールの話をします
丸いボールの話です

私はボールを投げる人です
いいえ
投げる人になりたいのです

腕を振って
腰をひねって
手首を返して
ボールを投げます

たくさんのひ ....
山道を行けばどうなることか
くまさんと出会うかもしれない
本物のくまさんは踊ってくれるだろうか
こんな私と頬寄せ合って

まだ慌てるような道ではない
一寸先は闇だけれど
恐れは影すら鬼に ....
繰り返す毎日
何度も同じところを回り続けるペダル
チェーンでタイヤとつながって
前に進んでいく
毎朝同じ道を行くとしても

繰り返す毎日
いつも同じ時刻の電車に乗って
早足で乗り換えを ....
細長い廊下の突当り
洗面台で顔を洗う
銀十字の蛇口をひねり
白いしぶきを手ですくい
顔にかける

清潔な白いタオルの
やわらかな糸で水をこすり取る
鏡の向こう
自分と目が合った

 ....
 冷房をきかせた部屋で、少しずつ冷めていくベッドのシーツを撫でながら、吐くように泣いた。体の中の悪いものが外に出たがっていて、こらえきれずに涙になってあふれた
 白い布地に落ちた雫がブラックライトに ....
生まれてすぐに聞いた歌が
今まで聴いた最高の曲
あれ以上うまく歌えない
生命の叫びも今では
口を嘘に染めあげて
ひどく空虚に響くのだ

不純物の混ざった星のかけらの
砕いて削る前の青の ....
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、
名作の書き出しに目がないようで
いろいろ聞かせてやっているんだが
書き出ししか知らないせいで
良からぬ方へ想像の羽を広げてしまっているようだ

「親譲 ....
まだ天国にはいきたくない
油断が私を空へと打ち上げる
真っ直ぐ飛んで行く体
その姿から私は花火と名付けられた
とはいえ致命的な飛翔は数えるほどしかない


一度目
生まれ落ちた瞬間
 ....
幼い娘が川沿いを歩きます
腰に下げた袋からぽとり
ぽとりと肝油ドロップが落ちます
絵に描いたような緑色の蛇が
蛇行しながら地面をなみ縫いし
ポップな模様を描き出します

幼子が歩くたびに ....
漠然とした砂の続く大地
平らな線が限りなく遠くに
つなぎ合わせればおそらく丸い

砂の山の起伏もさらなる飛翔の末
なめらかな肌になるのかもしれない
女の柔い背中の上を飛んでいる

細胞 ....
{引用=「草枕旅ゆく君を愛(うつく)しみ副(たぐ)ひてぞ来し志賀(しか)の浜辺を」(万葉集 巻四566)}
或る女は旅に連れ添い
まだ若い馬にまたがりシカの浜辺へ
青々としたうつくしみの心でもっ ....
さくらのさく
みちをゆく
いつもよりあかるい
ひざしもつよい
いろはあざやか
ぬくもるからだ

つよいかぜがふいて
やわいかぜもおきて
さくらはさそわれる
どちらのかぜにのるか
 ....
なつかしさの種が食道をくだり落ちて
心臓部の琴線に抵触した瞬間に
桜の花火がぱっと開いた
ゲル化した私が弾け飛んで
半透明の世界は天気雨の日と同じだけ輝いた
街行く人には乱反射する光でしかな ....
十億光年の彼方から
飛来した一枚の花びら
一生をかけて旅しても
たどり着かない遠い星

送られてきた切れ込みの
入った桜の花弁から
感じる宇宙の拍動

地球は丸く
銀河は楕円
さ ....
黒髪にだってひっきりなしに雨は降る
墨の中で踊る粒子が枯らした手と手の隙間
微妙な距離を詰められずにドーナツのこじんまりとした完結
温度を失ったものの粒子をかき回す電子の波のうねりのようなものの ....
湿った砂の温度
掘るほどに水が滲んで
肌で感じて頬に触れる
潮風の温い感触
乾ききれない海草の匂い
思っていたよりも
生々しい身の回りのすべて
ひりひりと目に沁みるあれこれが
頭を取 ....
春へと旅立つ
厚い氷のトンネルを抜けるたび
金属の車輪が鶯の鳴き真似をする
繋がって泳ぐ魚は駅に出会うたび立ちどまる

雨水が硬い表皮を滑り落ちる
やさしい雨の季節だ
ちいさな水の粒子に ....
勝ち負けだけで決まることのほうが少ない
省みられる過去に絡みつく
勝敗のフェンスを潜り抜けて
思い出は形を損なわず光を放射する

勝ち負けを判断するのは誰か
私か君か親か世間かそれとも ....
拝啓

今はいつ頃だったか、暦を見なくなって久しく、曜日感覚も失くしてしまいました。俗世から切り離された場所に身を置いていると、今が何の時期なのかよくわからなくなってしまいます。身の回りの変化には ....
水さえ眠る凍てつく朝に
歩くもののいない歩道
寒さが静けさをより深く沈める

空が白んでいるのに
明るいままの街灯
信号機は気楽そうに青色を灯す

背の低い草叢に霜がおり
間接に照ら ....
君を纏って眠る(君はいない)君の気配に包まれて

君は君の家に戻って、私も私の家に戻って
異なる日常で眠るのだから

身の回りにあるものの中で、今もまだ当たり前に存在し続けているもの
(と ....
息が降りてこない
空へと昇っていったきり
呼吸が喉に引っ掛かり
上澄みだけが入れ替わる肺

足の指にたまる気だるさ
休日の果実を芯から腐らせていく
引き伸ばされた娯楽が中断するたびに
 ....
殿上 童さんの木屋 亞万さんおすすめリスト(114)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ため息の雨- 木屋 亞 ...自由詩4*14-8-31
石を投げたら土をかけろ- 木屋 亞 ...自由詩5*14-8-7
空卵- 木屋 亞 ...自由詩3*14-6-23
- 木屋 亞 ...自由詩4*14-6-8
- 木屋 亞 ...自由詩2*14-6-2
シーサイド- 木屋 亞 ...自由詩2*14-4-20
不自然死- 木屋 亞 ...自由詩1*14-3-28
不治の病に逝きつつうつつ- 木屋 亞 ...自由詩2*14-1-26
ボール- 木屋 亞 ...自由詩4*13-11-24
山道を行く- 木屋 亞 ...自由詩2*13-11-4
それでも- 木屋 亞 ...自由詩10*13-9-21
小娘_- 木屋 亞 ...自由詩3*13-9-14
Hotaru_hotelのほとりで- 木屋 亞 ...自由詩4*13-8-14
熟腐- 木屋 亞 ...自由詩4*13-7-20
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、- 木屋 亞 ...自由詩6*13-6-15
バンジージャンプを1階から- 木屋 亞 ...自由詩5*13-6-8
天使は川辺にて- 木屋 亞 ...自由詩3*13-5-27
- 木屋 亞 ...自由詩5*13-4-20
うつくしみの_うつつ- 木屋 亞 ...自由詩4*13-4-13
桜の散った街を往く- 木屋 亞 ...自由詩1*13-4-6
ゆくえ- 木屋 亞 ...自由詩3*13-3-23
_小宇宙から流れくる- 木屋 亞 ...自由詩4*13-3-9
コーラの泡が弾けてる- 木屋 亞 ...自由詩4*13-3-2
涙の落ちるところ- 木屋 亞 ...自由詩7*13-2-16
各駅停車で、春に向かう- 木屋 亞 ...自由詩5*13-2-9
スピンアトップ- 木屋 亞 ...自由詩4*13-1-21
書こうとしたことを忘れてしまって- 木屋 亞 ...自由詩4*13-1-13
冬の眠り- 木屋 亞 ...自由詩2*13-1-12
I_love_you- 木屋 亞 ...自由詩3*13-1-5
息蛇魂夢- 木屋 亞 ...自由詩3*13-1-2

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