すべてのおすすめ
見えないものが
ほんのわずかなそれが
あなたを侵している
それはきまって
夜に
ひどく湿度の高い
月がかすむような薄明かりの中で
増殖する
「眠れない」と
呟く
そう
....
そのちいさな身体には大きすぎる
僕のYシャツを着ている君
窓に浮かぶ思い出は
あの日ならんで歩いた砂浜
せまってくる白線をとびこえて
水しぶきをあげてはしゃいでいた
いま
....
きれいな空があることを
忘れたくなかった
雨が降るのを
真下から見上げて
見上げた空がきれいであることを
確かめたかった
降りそそぐ雨が瞳からあふれても
それを ....
雨戸の端っこで
なめくじがはっている
何が悲しいのか
やっぱり泣いているみたいだ
今日はせっかくの晴れ
君もそんなに泣くのはおよしなさい
でも
葉っぱの裏でこそこそ泣くよりも ....
「猫を探しています」
と書かれた手製のチラシが
郵便受けに入っていた
「名前 小太郎 茶虎 体重4kg」
茶虎の猫といったら
このあたりでも野良でたくさんいる
正直見つか ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う
けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって
僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
ピストルを背中に押し付けられて
細い路地へ連れ込まれる
そんな夢を見た
銃弾が放たれた瞬間に
ちょうど目が覚めるとは限らない
痛みのない苦痛を味わうこともある
それ ....
ごらん
空が青いのは
海が青いからなのか
それとも空が青いから
海が青く見えるのかわからないだろ
正直そのどちらでもなくたっていいくらい
確かにそのどちらでもないのかもしれないし
そ ....
生徒からもらった手紙には
「わたし先生がいなくても頑張ってるよ」
って書いてあった
渡り鳥のように教室をめぐる僕は
だからこそ一つ一つの授業を大切にする
うまくいかないこともあるけれ ....
金の糸
きらり
束の間の晴れ
雲の間から光
銀の糸
きらり
今日雨が降り
葉の上つるり
金の糸から光
明日は天気に
なあれ
銀の糸から光
明日は元気に
....
誰もいない教室で
机の落書きを消す
たいていが内容の無いもので
消すのにためらうこともないのだが
ふと窓をみると
結露したときに指で書いたのだろう
一つの文字が見えた
「海」 ....
シーラカンスという名前は
ギリシア語で「中空の背骨」という意味で
原始的なそのつくりは弱々しく
外見のゴツゴツした印象からは想像できない
けれど普通の魚と比べて多いヒレは
しっかりと ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
季節のかわり目は
いつもどこか淋しい
風が吹くたびに
しがみついていた桜の花びらは枝を離れ
雨が降るほどに
やわらかな景色がその色を増してゆく頃
たとえば新しい教科書の
空欄に名 ....
とべない鳥がなくように
誰かのそばでうたっていたい
とべない鳥がなくように
誰かのうたをうたっていたい
とべない鳥とわらわれて
とべない鳥とからかわれても
誰かのそばでうた ....
高校二年で剣道三段のその生徒は
「30cmの棒があれば先生を倒せますよ」と
とても冷静な顔で言う
なのでシャーペンより長いものは
できるだけ持たせてはいけないと思っている
僕は六年前 ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら
僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く
ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
娘が
私の誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
娘は
私がそれを ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
(朱の刻)
その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そ ....
下町に生まれてから
高いビルに憧れていた
今になって見上げる景色は
華やいでいるのに
どこか淋しい
地方に引っ越して
久しぶりに来た東京
夜の地下鉄の
長い階段をおりてゆく ....
たとえばだれかのこうふくが
だれかのふこうのうえにあるとしたら
それはとてもかなしいことかもしれません
そのかなしみもまた
だれかのよろこびのかてになっていて
だとしたらとてもふくざ ....
降りつづける雨は
もしかしたら辛い過去かもしれません
降っては止み
降っては止みを繰り返し
いつしか涙のようになって
まるで一人ぼっちみたいに
その「ぼっち」が淋しく響いて ....
いずれは誰にでも
やってくる終わりのときを
誰が教えてくれるわけでもないけれど
それはまるで
人生という山に積もる雪が
まさにその季節に向けて
静かに融けてゆくように
....
春は優しい風の音色で
ひらひらと踊りながら地に還る
田舎の祖母の他界の知らせに
慌ただしく帰郷の支度をしながら
移り行く季節の名残に
そっと目を閉じる一時
思い出はいつも
....
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている
たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった
「水曜日は休園日です」
がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる
電車の中に居る人を眺 ....
桜の開花を待つことなく
君たちはゆく
若さとは強さであり
同時に弱さでもある
だけど安心しなさい
私が信じる君たちは
無限の可能性を持っている
桜の開花を待たずに ....
(真っ白な雪が見たかった)
真っ白な雪をかきわけて
地面の温もりを感じたかった
こんなにも寒いのに
雪の一つも降らないなんて
(真っ白な雪が見たかった)
すべ ....
(美しく生まれたかったと
思ったこともありました)
ある日
一羽のチョウが迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように
ゆら ....
あおばさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(201)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「ウィルス」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-5-17
「Yシャツと君と、君のちいさなお願い」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-5-10
「空と大地のあいだで」
-
ベンジャ ...
自由詩
14*
08-5-7
「くもりのちなめくじ」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-5-6
「猫を探しています」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-5-5
「なくした小指」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
08-5-3
「夢の中の市場」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-26
「空と海の調和」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-4-25
「花束」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-24
「金の糸と銀の糸」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-4-18
「海がひろがる」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
08-4-14
「シーラカンスは胎生なんだ」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-9
「やさしいかたち」
-
ベンジャ ...
自由詩
27*
08-4-5
「ふくらんでゆく春」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-1
「とべない鳥がなくように」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-3-29
「バンブーソード」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-25
「億万人の心の音」
-
ベンジャ ...
自由詩
20*
08-3-22
「空を見たいと思うとき」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-3-19
「プレゼント」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-17
「朱の刻」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-6-13
「東京」_(地下鉄のホームで)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-6-10
「すべてがつりあいのなかで」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-5-29
「水結晶」_(二部作のうちの①)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-5-24
名残雪
-
ベンジャ ...
自由詩
8
07-4-29
散る
-
ベンジャ ...
自由詩
6
07-4-22
「月影」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-4-13
「動物園」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-4-6
卒業する子供たちへ
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-17
雪のない冬
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-3-12
「チョウ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-9
1
2
3
4
5
6
7
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する