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つめを噛む
黙っていてものびてくる
そのつめを噛む
噛み切ったぎざぎざの切り口を頬にあて
自らを削ぐように滑らせるとき
痛みとともに描かれる白い線には
まるで罪などないのだ ....
ぼくのこころはちいさいから
ささいなことですぐにいっぱいになる
いっぱいになったこころでは
ほかのささいなことをかんじられない
だからぼくは深呼吸をする
いっぱいにすい ....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて
おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
....
気がついたら、詩を書くようになっていた
記憶にある一番最初に書いた詩は「アドバルーン」
小学校四年生のときに先生に見せて褒められた
{引用= 一本のロープにつながれて
ビルの ....
蟻と会話をする少女といっても
それほど不思議な出来事ではない
むしろ日常の一部に自然と吸い込まれて
その自然ということにしっくりとくるのだった
その少女はサッカー部のマネージャーで
....
もうずいぶんとむかし
あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた
きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
日常にあふれる音の数だけ
日常は動き続けていることに気づく
それが小さな虫の音や
少女が練習するフルートの音色だったり
どこかの家族の会話だったりして
そんなかすかに聞こえてくる音に安心 ....
彼はもう夢の描き方を忘れてしまった
自分で生きることを忘れてしまった
流されることの気楽さに慣れてしまった
痛みをまぎらわす悪戯に慣れてしまった
彼はもう夢など描かないと思っていた
....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように
僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから
ほら
こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
「少しだけ泣いてもいいですか?」
あなたは細い声でささやく
そしてやっぱり止めようと
小さく肩をふるわせている
「きょうはずいぶんと湿った空です」
たしかに昼間吸い込んだ蒸気を
....
壊れてゆく世界の音に耳をかたむけながら
だいぶふくらんだお腹を撫ぜて
ロボ子さんは懐かしむように目を閉じる
かつて自分が生身の身体だった頃の
あのむせるような夏の匂いや
頬をすりぬけてゆ ....
どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら波打ち際の
空き缶の口元を叩く
浜辺の砂
※
昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地 ....
昨日ひろったきれいな小石
たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
だからそっとしておいてください
そんな淋しさ
....
透明水晶の信号柱から
七つ先の林道をかけあがると
ずいぶんと見晴らしの良い高台に
ブナの木が一本立っている
木の実を転がしながら
その細い林道をしばらく行くと
もう帰ってはこれない ....
春にまいた種が
いつのまにかもう
つぼみをつけていたことに
気づいていなかった
「先生と会えるのは今日が最後なんだよ」と
ひとりの生徒が言ってきた
本当は
知っていた
....
知っている
野生の生き物たちが
自らの意思で立ち上がれなければ
どうなってしまうのかを
ふるえる膝を押さえながら
重たい身体を支えようとするとき
昔見た象の瞳を思い出した
陸 ....
何か大切なものを
過去に忘れてきてしまった
そんな気がする
握りしめた手の中には
小さな鍵がひとつ
それが何の鍵なのか
それも思い出せない
わからないまま街を歩いた
見覚え ....
ノートに書いた文字が
はしから消えてゆくのと
あなたは不思議そうに
ペンを見つめていました
言葉がかわいそうだから
もうこれ以上は言わないのと
あなたはすっかり黙って
消えた文字を追 ....
あなたの揺れる水面が
まるで涙のように見えたので
やさしくなだめたくなりました
あなたは水際にたたずむ
一羽の渡り鳥のようでしたから
どこかへ行ってしまいそうで不安でした
あなたが ....
重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でした
尾なのか頭なのかわからない
二本のツノは怒っていました
指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて淋しくないよう ....
ほら
加速してごらん
景色が
混ぜた絵の具のようだよ
加速するのと同じ速さで
後退してゆくいろいろを
君はのがさずにいられるだろうか
なんて
それは難しいことかもしれないけれど ....
ぼくは泣く
涙がかわりに泣いている
泣いた涙がぼくならば
ぼくはさらさら流れてゆく
涙のように流れたぼくは
何も無かったかのように
ひどくかわいてしまうから
それが悲しくて
ま ....
季節の変わり目は
こころのどこかが騒がしい
きちっと折り目のついた夏服を
着ている君はいつもと違って見えて
気持ち良さそうに風が吹いてる
話しかけたら
振り向いてくれそうな距離 ....
郵便屋さんの原付バイクが
通り過ぎるか過ぎないかで
外に出るかどうか決めるような私です
一丁目の角を曲がると犬がいて
それがギャンギャン吠えるものだから
いまどのへんにいるのかわかります ....
ピンクのクレヨンで太陽を描いた
みさちゃんが先生に怒られてるのをみて泣いた
だってみさちゃんはピンクで太陽を描きたくて
それを怒るのは可愛そうだと思ったし
ぼくが赤のクレヨンで描いた太陽よ ....
淡々と過ぎてゆく日々を
うつろに感じてしまわないように
小さな声に耳をすます
いままさに
目の前にいる小さな子
僕にとっては生徒と呼ぶべき
その小さな子が
「みつつき」とつぶやい ....
ときどき僕は
「やさしさってどこにあると思う?」って
生徒に聞いてみたりする
僕はにぎりしめた手を胸にあてて
コンコンとノックするようにたたく
生徒は了解したように
「胸のおくにあ ....
ごらん
今日は特にそう
湿った空気のせいで
星がまたたいているよ
ずっと見つめていたら
涙が出てきそうなほどなんだ
とぼとぼと歩きながら
ずっと手をつないでいた
良く見 ....
下を向いて歩いていたら
五月がおちていた
かたちというほどのかたちもなく
いろというほどのいろもない
けれどなんとなくそれが
五月だということは感じられた
そのままにしておくのもあ ....
親指にのせたコインを
天井にむかってはじく
くるくるとまわるコイン
僕は一緒になって見上げていた生徒に
「これが放物線になるんだよ」と
たとえ真っすぐに上昇しても
その速さはだ ....
あおばさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(201)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「つめを噛むのをやめなさい」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
09-6-3
「深呼吸する」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
09-5-29
「旋律」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
09-5-8
「大後悔時代」
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
09-5-3
「蟻と会話をする少女のお話」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
09-4-28
「やさしい唄をきかせてください」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
09-4-21
「暮らすように歌う」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-8-13
「夢の描き方」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-8-12
「優しい雨」
-
ベンジャ ...
自由詩
18*
08-8-7
「水のための夜」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-8-4
「妊婦のロボ子さん」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-7-26
「砂の記憶」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-7-25
「嘘かもしれない」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-7-24
「迷い森」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-7-22
「ゆれる_(教室に咲いた花)」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-7-15
「流線型」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-7-12
「コインロッカー」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-7-5
「満たされたいと思うとき」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-6-30
「あなたの水面が揺れている」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
08-6-20
「折り紙」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-6-18
「加速してゆく」_(それが君の明日になる)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-6-9
「ぼくは泣く」_(心象スケッチ)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-6-9
「半そで_(初夏の風から)」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-6-7
「三丁目の奥手さん」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-6-7
「模索する太陽_(みさちゃんとぼくの色)」
-
ベンジャ ...
自由詩
16+*
08-5-31
「満月(みつつき)」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-5-30
「やさしさのあるところ」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-5-24
「鼓動する信号」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-5-21
「ひろった五月」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-5-20
「放物線」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-5-17
1
2
3
4
5
6
7
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