すべてのおすすめ
子どもたちの広げたパラソルが
クルクルと回って
それは梅雨に咲く
パラソルフラワー
アジサイのように
一度にたくさん咲いてるのもあれば
一列に並んでいるのもあり
色鮮やかに咲いている ....
水溜まりに映る
青く、吹き抜けた空の
隅っこで泣いている
雲を見つけた
そこだけが
深い灰色に沈んで
しくしくと
雫を落としている
大丈夫ですか、と
声をかけると
....
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ子どもの頃
特に待ち合わせをしなくても
いつもの公園に集まって
そこから林に探検へ
入ってはいけないような場所に
金網をよじ登る
そうすることが夏だった
....
豆電球の灯り 息を落とす ひとり
幸せに ほろり 熱を分ける ふたり
夜の海を渡り 繋ぎ合う 鎖
それは つまり 朝焼けに ニ ....
乾いた灰を
ふるい積もらす
都市の息吹
鋼鉄とガラスの高層ビルの輝き
ターミナル駅の喧騒も
ジーゼルエンジンから吐き出される
車酔いの成分も
灰として積もる
夜の煌びやかな ....
ひとりきり頬杖ついて
ため息つく雨の午後
紫陽花の青い花びら
みつめては悲しくて
まるで報われない恋に落ちた
悲劇のヒロインみたいに
あなたが好きよ
くもりガラスに書いてみても
このせ ....
今宵の透き通った月に誘われて
くり出した散歩道
頬をくすぐる風が
密かに運んでくれるのは
遠い夏の記憶
線香花火と消えかけの蝋燭
揺らめくあなたの笑顔
儚いのは時の流 ....
仕事を終え
パソコンを終了すると
そこには何も無かった
テラテラと光る黒い画面の中に
僕の顔がただ映ってた
三十歳を過ぎた僕がいた
白黒割り切れない僕がいた
....
ぼくたちの先生はいつも
ぼくたちにはできないことばかり
言っていて
ぼくたちができないと
何をしてんだと
いつも怒ってた
隣のクラスは
優しくて人気のある先生
楽しそうに過ごしてる ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる
いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
{引用=
くろ、ぼくら くろになる やまどりと まつばやしが
よるに のまれて しずみ ささやく 「いいか、めを その高音域の 大きな歌が
とじる かんかくを きく ....
ガリガリ ガリガリ ガリガリ
休日だというのに
朝から電動バリカンの音が
騒いでいる
庭の木の手入れがすでに
始まっていた
ようやく訪れた休日なので
今日は一日ゆっくりしていたい
....
この 曇天のはるか上方
頂が雲の上に突き刺さる
巨大な山体は その裾野を引き
見上げるべき万年雪の銀嶺が
来光とともに不動の姿を現す
薄ピンクに染まる白の世界は
輝きが横たわり
....
恋人に優しくない男なんていないよ
ハイウエイを 白い光が流れる、眩しさに
つい、さっきまで 激しく踊った サルサの夜の
緋色のドレスの女が 助手席から身を乗り出し
果てしなく 毒舌を放つ、「終」への招き
エレガントな仕草で ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
いつもみんなよりも前に走っていた
けれどもそれは
人生のたった最初の十八年だけに
すぎなかった
次の四年間は
自惚れていた自分がいた
適当に時間を過ごせば
それで許されていた
ペースダ ....
何もかも 漆黒に 塗り上げて
夜 果てぬ 輝き
紅蓮の焔
暗い 情念 めりめりと
都市の曇天を染め上げ
ほら 暗く 唸る 獣のよう
君と僕
蛍光灯の涼しげな
小さな部屋で
....
黒になる。全てが黒になって沈んでゆく。ぼくらは恐怖ではなく、惑星に同化する幸福感に包まれる。呼吸が面倒に感じた。夜光虫というものを体感したのもこのときがはじめてだった。赤潮だとも知らずに、はしゃい ....
07/07/09
ギタ
ギタ
ギタギタギタギタ
ギタ
ギター
ギタ
ギタギタ
ギタ
ギ
線香花火のマシンガン
飛び散る ....
二十一世紀の
ある青年は日々
( 姿の無い誰か )が
自分を呼んでいる気がした
*
二千年前の遠い異国で
ある村の漁師は湖の畔に立っていると
背後を誰かが通りすぎ
....
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
夜空を見上げてみた
数えきれない星が
ぼくの上にあることに
気がついた
今ぼくは
宇宙の中にいる
今ぼくは
宇宙に触っている
夜空の中で
星は光るだけではなく
流れていくこ ....
七分袖のボーダーTシャツに
リネンの濃紺ジャケットを羽織り
干して乾いたチノーズを穿いているけど
やっぱりチノパンは塩水に濡れて
少しダボダボになったやつが好きだナ
(不自然に重いし、
....
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
夢、見ている
**
....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく
遠い昔の夏の夜
二人で ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに
白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに
畑の作物採りに行 ....
真っ赤な帽子をかぶって
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから
彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
....
おやつを我慢しては 花火を買った
刹那の輝き 一瞬の煌めき
向日葵が枯れ始め 陽が落ちるのが早くなり
セミの声がヒグラシに変わる
緑の山も夕焼け色に 少しずつ染まっていく
「 ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
1 2 3 4 5 6 7