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波打ち際で
砂に埋もれかけた
木製の小舟が
少年の夢にたたき起こされ
夕映えに浮かぶ
かもめが船頭になって
赤く染まった海を進んでいく
静まりかえった海面に敷かれた
赤い絨毯は
....
うれしかったこと
悲しかったこと
楽しかったこと
辛かったこと
今日の箱を
棚の奥にしまい込んでくれる
夜の暗闇
どこに置いたかなんて
明日になれば
きっと
....
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること
いま
全裸を隠そうとしている
この月のように
僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに
あなたは
不信で覆われていく ....
一行が零れてきそうな
静けさに
眠りなさい と
夜は耳元でささやく
白い羽を揺らす誘惑に
応えようとする肉体
沼地の底に落とされるかもしれない
そんな不安は
片顔隠した月が
煙草 ....
真昼の太陽の微笑みを
光とともに受けて
重たい涙が乾いてしまった
空が吸い込んだみたいに
真昼の温もりのある風が
おそるおそる
やってきて
冷たい憂鬱を運んで行った
夕立に ....
玄関の向こう側で
人の声がする
それは私の知らない人の声
玄関の向こう側で
行き来する自動車の声がする
それは忙しいと街が嘆いている声
玄関の向こう側で
ジェット戦闘機の声がする ....