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君は、手にしたハンマーで
今迄何度も、壊して来た
目の前に架かる幸福への橋を
そこへ詩人がやって来て
橋の消えた、川の濁流を
ぶざまな犬掻きで渡り
向こう岸で、ハンマ ....
夜にこてんと横になったときの
すべり台の温かさを知っています
昼にそんなことしてると
子どもが降って来ますからね
そこかしこのベンチは
どれもこれもなんだかんだされてしまっていて
星や ....
信じることから始めるつもりが
疑わないことに気を取られ
信じることで救われるつもりが
疑わないことに疲れている
もうダメだ もうダメだと嘆くうちに
まだダメか まだダメかと唱えるようになった ....
東から西へ
クリークのような商店街の上を
滑空する
コンビニの角を南に曲って
コソコソとパチンコ屋へ向かう
八百屋の若旦那を左目で見ながら
西から北へ
生易しい北風を切り裂く ....
{引用=
いつも考える私は黒い上下の服で
見つめる白い棺の中身に顔がない
}
たわむれに
両手でそっと抱いた母の
細さに泣きたくて
三歩
あゆめ ず
たわむれの
....
日没
『境界』
春の砂浜にも眠気がありました
くるぶしあたりを行き来します
つめたいって声がよく笑いすぎる
何度だって挨拶を交わしながら
波打ちたくなる感覚に
初めて足の親指 ....
どんな味がするんだろ
塩焼きにしたら美味しいのかな
唐揚げにしたら胸がやけそう
なんだかそんな気がするよ
どんな形をしてるんだろ
ストラップにしたらカッコイイのかな
リングにしたら ....
ホリー、ホリー
見てごらん
空だ、空だよ、月夜だよ
ホリー、ホリー
おいでごらん
風が風だよ、木が泣くよ
ホリー、ホリー
手をつなごう
膝にお座り、空を見よう
ホリー、ホ ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように
僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから
ほら
こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
やるせないとは
どんな気持ちだ
胸の高さまでの柵から
少し乗り出して
空を仰いでいるのか
柵の欄干あたりで
透明度の高い水が
溢れそうに張りつめながら
....
羊とシーソー遊びをすると
いつも重い方が沈みました
両方が沈まないでいるのは
とても難しいことでした
わたしはまだ
言葉をよく知らなかったのです
+
眠れないとき ....
{引用=
あのひとのなまえをよぶ
はろー はろー はろー
せつなくなるきもち
きみにもわかるかい
ちぎれそうなよるを
ぼくはいきていて
はくいきがしろくないことを
しってし ....
湿った夜に
孤独の匂う扉が開いたらしい
今日の陽射しに晒した、
二の腕も敵わない強さで
戻る道を塞がれた
草むらに埋もれる羽虫や
苦瓜の、
生き物のような苛立った肌
何 ....
あらゆるまがりかどの公園の
無人のブランコ
ばかみたいにゴミ箱の中身はちらかったまま
カラスが群れる
夜道切り分けて曇り空は進む
ガラス窓が割れて
流線型で情報が流れ込んでくる
ひき ....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている
負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
思い込みから想像妊娠をした女の 子どもは
一体 どんな顔をしているのだろうか
上目遣いの鋭い瞳をしているだろうか
それとも
夢見がちな丸い瞳をしているだろうか
いいや
きっと
焦点の ....
最初はそれなりに期待していた
散々魅力的な話を聞かされたから
小さな希望も胸の中で芽生えていた
だけど現実は思っていたより味気ない
大人だって思っていたより大人気ない
それは惰性で噛んで ....
あまりよく、覚えていない
ふらふらと適当に帰りついた夜
白く重たいドアの先で
お父さんが
ガチガチに冷凍されていて
あれ、しっかり保存されていたんだ
そうドアの前の過去に
気が付つい ....
きみがいたところ、そこには
いまでは
言葉がある、
あるはずだった言葉に
ついて、話していた
夜をすぎて、きみはどんどん重くなっていった
この夜は
これまでのどの夜よりも
きみ ....
?
せかいが
海のなかで
おるがんをひいている
けれど少年の手が
水を掻きわける音で
それは誰にもきこえない
それは誰にもきこえない
いかだだけが知っているひみつ
それは誰にもきこえ ....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
空の名は
曇ることが ない
大雨だろうと
快晴だろうと
空は、空
不純なものの一切を
それとは知らずに
ながらく含み
おそらく とわに
静止をしたまま
....
出口に中指を添え
Tシャツとジャージ 石鹸に座ってよろめく
壁を蹴ると滲む 気化した感情
昨日の雨は冷たかったが
雨上がりを見逃してしまった
窓を打つ音は
雨後雨と報じる
曇りガ ....
目から涙が
流れるのを見ている
左耳を枕に押し付けて
横たわって
右目の目頭から
左目の目尻から
梅雨の日のガラス窓
流れて渇いて
それを部屋の中から眺めているような
す ....
ありったけの意地を張った後
ずっどんと穴が開いた
何を埋めよう
何で埋めよう
ひとりの時間で埋めよう
唇を噛んで埋めよう
いつか優しい時間がくるまで
鉄砲玉の家系です
誰も戻ってきはしません
吉野家へ行きました
思えばこれが東京の味でした
修学旅行の列から浸み出した
初めての味でした
今後戦争などというものへ辿り着く ....
泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日
泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触っ ....
ざんばり ざんばりと いぬがないている
雪の準備をする
まんなかには空洞があるので
けもののようにすると よくひびく
肺のふをたいこにするのは
ああ 森の?
こぶしが地面についているや ....
新宿駅のホームで
母親が呼んだ駅員は
先っぽがクワ型の棒で
線路から何かをつまみあげた
猫の死体か何か?と
恐れおののき見ていたが
つまみあげたのは
桜色の靴だった
....
話す声が小さくなっていく、朝
きみは一冊の
ノートになった
軽くなった身体をめくって
話の続きを書く
これからは大切なことも
大切、とは少し違うことも
こうしなければきみに届か ....
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