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中学生の頃のよう
なんとも言えぬ息苦しさに耐えてます
あの頃もてんかん発作に怯え
呼吸のしかたが分からなくなりました
あれから十年以上たったのに
今はがんが怖くなりました
いいえ、ずっと怖 ....
死んでしまいたいと
こころの
奥の奥の奥のほうで
思っているひとに限って
止める隙など与えるどころか
ひと知れず
死んでしまうのに
殺してくれなんて以ての外
ひとに対して死という
恐 ....
いつもの帰り道
自転車で
がたんごとん
振動が
おなかにひびく

おかしいな
からだも
だるくって
微熱もあるよ
おかしいな

まるで
おなかのなかが
空洞みたい

い ....
さようなら自転車の音
さようなら口笛の{ルビ音=ね}
さようなら脳の病

彼女は
不幸だったのか
幸せだったのか
それとも
それを考える思考も
持ち合わせぬまま
生涯を終えたのだろ ....
奇声を発しながら
夜道をゆく彼女を
奇異的な目で
見ていた私は
それでも彼女に
親近感を抱いていた

何故なら
患っている部分は
同じだと
感じていたからだ
そう
私も彼女も
 ....

生暖かい風
近づく口笛の音と
自転車の音
彼女は突然口笛を止めた
今日も独り
見えない何か
それとも彼女には見える
何かに
怒りや
哀しみをぶつけ
雄叫びのような声をあげて
 ....
はじめまして
わたしは
しきゅう

はじめまして
わたしは
らんそう

わたしたちは
じょせいの
おなかのなか
ちいさな
いのちを
はぐくむもの

そして
しんぞうや
 ....
硝子のむこうで
雨が呼んでいる

硝子のむこうで
闇がきらめいて

硝子のむこうで
孤独が浮遊する

四角い窓から
宇宙がもれだして
夜はカーテンと
ひとつになる

四角い ....
空は語る
物言わずとも
風と喧嘩したわたしを
憐れんでは
空は語る
物言わずとも
淡い色が滲みゆく様は
いつかの
面影に似て
水平線へと消えゆく

2014/05/0
僕らの肩越しに
夏の空を仰ぎみる向日葵がそっと囁く
もうすぐ太陽は死んじまうんだって
燃えゆく空を傍観する肩に忍び寄る影
僕らはそれを
払いのけるようにして烏を追いかけた
決して振り返らず ....
四十四分待ちの直射日光が春を伝える。

2014/04/08
若い美容師が器用な手つきで私の髪を切りながら、高齢化社会について熱心に喋っている。けれども気になるのは桜のこと。鋏を入れて、はらはらと床へ散ってゆく髪よりも。散髪後少し軽くなった頭で、私は春を満喫する .... むかしの写真は殆んど燃やしてしまいました。忘れてしまいたいことばかりです。小中学生の頃の同級生たちは、わたしが詩を書いているなどと想像もしないどころか、わたしの存在すら記憶にないでしょう。ましてや子宮 .... 想像のいたらなさに潜む無知は
残酷な悪
一生涯きえることのない
火傷の痕の様な哀しみ苦しみが
わたしをみないでと
泣きながら
わたしをちゃんと知ってと
泣いている
想像のいたらなさに潜 ....
もやもやが追いかけて来る日は
暗くなってから散歩をする
世の中から少し離れて
離れ過ぎずに見渡す

女というだけで不審者のように
警察官に職質されることはなく
女というだけで当たり前の様 ....
私は社会の片隅で、とうの昔に
絶望しているはずなのだが
僅かにまだそこにいたいという
気持ちは残っているのであろう。
呼んでもないのに春は来て、
新芽は生まれる。
泣きはらした艶のない目も ....
例えば愛されることが
順番制だとしたら
わたしの番は
一億二七〇〇万番目
いつか必ず
いつか必ず
そう信じながら
年老いて
死んでゆくのでしょう
けれどもわたし
本当は
一番が好 ....
老眼の眼をほそめ、針に糸を通して、彼女が
器用な手つきで繕いものをしている。
ほつれた糸は無いもののように。
ただ、ひたすらに繕ってゆく。
それは家族や社会、そのいちぶとしての一本
の糸であ ....
吉岡ペペロさんの川瀬杏香さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
父へ- 川瀬杏香自由詩12+*15-7-7
罪と罰- 川瀬杏香自由詩815-2-5
心のはんぶん/帰り道- 川瀬杏香自由詩315-1-27
口笛(三)- 川瀬杏香自由詩5*15-1-24
口笛(二)- 川瀬杏香自由詩315-1-24
口笛- 川瀬杏香自由詩415-1-24
心のはんぶん/プロローグ- 川瀬杏香自由詩914-12-10
夜の帳- 川瀬杏香自由詩7*14-11-4
空は語る- 川瀬杏香自由詩3*14-11-4
夏の終わり- 川瀬杏香自由詩4*14-11-4
- 川瀬杏香自由詩6*14-10-22
散髪- 川瀬杏香自由詩4*14-10-22
歯磨き- 川瀬杏香自由詩6*14-10-22
残酷な悪- 川瀬杏香自由詩9*14-9-11
世遊び- 川瀬杏香自由詩7*14-8-13
シロザの憂鬱- 川瀬杏香自由詩6*14-8-5
愛すべきひとへ- 川瀬杏香自由詩11*14-8-5
繕いもの- 川瀬杏香自由詩10*14-8-5

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