霞んでいく景色の中
手を伸ばしたが
届くことなく
落ちた
暗闇の中
もがいてみるが
水のようにすりぬけて
何も掴めない
痛みに目が覚め
大きく手を伸ばし
世界を確かめた
....
風邪をこじらせて肺が重くなった
冷たいシーツの端を
そっと爪先で手繰りながら
冬眠するみたいにとぐろを巻いた
暗い明日の叫びを
遠い意識で聴きながら
目が覚めたらシマウマだったので ....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった
左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う
だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
空が綺麗でした。
なぁ。
あの時の僕ら、上手くいってたかな。
僕は何の問題もないって、歩いてたけど。
それじゃ、ダメだったみたいだね。
君の向いてる方向は、僕じゃ多分解らない。
そんな僕を、好 ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
地球を2周半もする 僕の長い両手から
君は そんなに簡単に 逃げられるとでも思ってるのか
どんな巧妙なフェイント ギミックを駆使したとしても
僕を撒けるわけないだろう あきらめが悪いのか ....
あなたをすきになって
ことばにできないおもいをしった
あなたをすきになって
きもちのおもてとうらをしった
あなたをすきになって
しらないわたし ....
こたえがわかりました
もとめてるもの、したいこと、わかりました
きいてきたあなただけど、つたえられません
とてもとてもとおくなってしまいま ....
大丈夫、歩いていいよ。
真っ直ぐに、歩いていいよ。
そう言ってくれてるのは、青い光。
弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だっ ....
レジに並ぶ
買いものかごには
陳列棚にいた
やせ衰えた犬が入っている
丸まることもできず
横倒しに細長い
耳を澄ませば微かな息遣いが聞こえ
たぶん生きているのだと思う
レジを抜 ....
あなたの背中を眺めている
遠くから眺めている
手を伸ばしても
もう届かないと判っているから
少し泣きそうだけど
視線だけは逸らせないでいる
うつむいて
靴 ....
過去を、
カラーに
今を、
モノクロに
追い掛けられた
真っ白な雲が
慌てて見せた
水色のソラ
感情論では話したくないと
感情的になる君が
あまりにも可愛いから
僕は思わず
君をギュッと
抱きしめてしまうんだよ
また怒られちゃうね
貴方のその横顔から目が離せませんでした
とても儚げな寂しげな微笑を
何かに怯えるかの様に俯いた目線を
全て記憶に焼き付けたくて
目を逸らすことを忘れてしまったかの如く
ずっと貴方を見つめ ....
大音響のロック
密室に充満する紫煙
軋む車輪
分泌される脳内麻薬
揺れる社内でトリップしながら眺めた
スモーク貼りのウィンドウ越しの赤い観覧車
あたしに何を語りたいのだろう
あた ....
コインランドリーにパンツを忘れた
慌ててとりに戻る
男が一人 イスにすわって雑誌を読んでいる
ほとんど 裸
パンツ一丁だ
それはどう見ても 俺のパンツ
洗いたての 俺のパンツ
....
どんなに言葉を尽くしたって
どうせ誰にも届きやしない
この前マックに入ったら
てりやきバーガー食べさせて
自分はつっぷして寝てる母親
子どもは静かにDSで遊んでる
だいじょうぶ ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる
ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
何十の唇を
重ね合わせて参りました
たった一度きりの
その後に何も生まれないくちづけや
何度も何度も
歯をぶつけ合いながらしたもの
私は何十の人々と
唇を重ね合わせ ....
あなたの
素直さも
幼稚さも
全部受け入れたつもりでいたけれど
あなたの
素直さも
幼稚さも
私にとって
こんなにも凶器になろうとは
毎日大層綺麗な服で
物憂げな瞳で空を見上げる
日中は動かずに
ただ静かに仕事に励み
他の事には一切関与しない
回りの仲間からはきっと
付き合いが悪いだとか
彼氏いないんだってとか
好き ....
スクラップにはなりたくなかった
けれど
気付いた時にはスクラップになった後だった
人ゴミの中で突然に、
「この欲望にまみれた豚どもがァーッ!」
と叫びたくなるなるのは、
「 ....
僕では君を幸せに出来ない
だから
君の暖かい優しさを抱いたまま
キラキラした思い出を覚えている今
蒼く深い水底で
眠るよ
泣かないで欲し ....
ぼんやりと見つめる先は
時に鮮明、時に不鮮明
過去が哀しんで現在の僕を憎んでるのが見えた
未来は微笑を魅せる
今日の朝、目覚めて僕は生まれた
今日の夜、寝付いて僕は死ぬ
はじめまして、 ....
君がいるから僕は存在する
誰もが羨望する
誰もが欲しがる君の姿
ショーウインドの特等席で
いつも輝いている
値札なんて不要だよね
君の価値はお金にはかえられないから
要はハートだってこと ....
三度の飯より
縮こまったハートを暖めて
寒風吹きつける
北風が吹きぬける
まばらに散らかった雲の下
行くあてもなく
部屋の真中でこむら返り
まっすぐに貴方をみれないよ ....
わたしは多分、
きみの優しさのハンガーに
ぶら下がっているだけなんだ
タンスにたたんで仕舞うと、
しわしわになって着れなくなる
お出かけ用のワンピースみたいに。
だから、
当たり ....
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