行き当たりばったり俺の人生
今日も明日も明後日も
通り道には通せん坊
それなら俺は回り道
くだらないことでも一生懸命
何処かで誰かが認めてくれてる
ありがたや、ありがたや
....
私が知らない、あなたの息遣いがある
私が知らない人の前でその息遣いを
あなたは、する
固く組んだ指を解いて
代わりに軽く瞼を閉じて
あなたの裸体を描くことができる
その正確さにやるせな ....
思い出のクリスマス。
第十位
二十三歳のクリスマス。
お歳暮の配送センターでアルバイトをしていた。
朝のデパートの開店時間に合わせて、
そっちの方角にみんなでお辞儀をする。
馬鹿馬鹿し ....
・cigar(葉巻)とsugar(砂糖)
あ、
煙草をやめようかな
と思った
手を伸ばしたとき
箱の中に一本しか残っていなくて
でも寒くて
買いにゆくのが面倒だったから
五分間
....
君が誰も信じられなくなり
泣きそうになったら
僕のところへ
戻っておいで
君が悲しくなり
誰かが
恋しくなったら
僕のところへ
戻っておいで
甘えるところも
寂しがるところ ....
独りの少女
家でぽつん
パンをかじる
朝も昼も
よだれを垂らしながら
愛のない快感、
思い出しては泣く
日は沈み
「夜」は家に
ゆっくり めりこむ
夜はいつまでも
セ ....
取り合えず、洗面所に行け
顔洗え
洗ったか?
じゃあ、足元を見ろ
何が見える
汚いカビか 汚れた足か 割れた爪か
よく見ろ
....
メリークリスマス!
私にメリークリスマス!
貴方にメリークリスマス!
みんなにメリークリスマス!
キリスト教徒でなくても、北欧の人でなくても、
....
最低の男と切れたかった。
わがままで自己中で、嘘と暴力と借金。
涙が流れる内はまだましで、最後には乾ききった。
ゴミだらけの部屋で、青アザだらけの体で、汚れた壁を見つめた。
....
今年も女にふられたので、
大そうじして死のうと思った。
捨てられるものがあるうちはまだいい。
でもぜんぶ捨てたら、
それから、どうしたらいいのだろう。
考えても仕方がないので、
どんどん捨 ....
空へ空と旅をして。
いつか、夢の城に。
歩みよろう。
トス
して
突き指した
痛くて
体育館を
転げた
床の
冷たい
冬だった
君は
駆けよるのを
こらえていた
妹よ
お前にはいつも迷惑をかけてきたな
幼い頃はいじめてばかり
思春期にはぐれたお前を無視し
大人になっても返すあてのないお金を借りたり
兄らしいことは何一つしてなかったのに
....
ベッドの上で、2人転がっていた。
何をするでもなく、腕枕をして。
ぴったり、くっ付いて。
キスをした。
ちょっと、離れた。
彼女が口を開いた。
「 が好き。」
....
僕らの虹が逝った
二人で棺に入れると
弓型に過不足なく納まった
最後まで色たちは
混じることも濁ることもなかった
一緒に入れた物がはみ出ていたので
係の人が少し押し込み
蓋は閉め ....
君は
伸びようとする
もっとずっと
高く
ボクはすぐに理論武装して
落としどころのない話をして
あるいは会話を遮断して
キミをひどく怒らせる
キミはすぐに勘違いして
妄想の世界で膨張して
独りで怒り散らして
ボクをひどく困ら ....
夕暮れの街
昔のカレーの匂い
遠い日の記憶
お母ちゃん
あんたと二人
愛しすぎたから
近寄り過ぎたから
あんたの事が
大っ嫌いになった
あんたと二人
世界はまるで
ビーチボール
俺らを乗せて
今日も回転回転
しらねぇうちに
二 ....
君の涙は太陽のカケラのように温かみを帯びていて
触れなくても、『そうだ』とわかるんだ
君はいつでも
私よりも、高い温度で
冷えた心をジワジワと
けれど確実に
温もりを帯びた色に変え ....
洗面所の壁を
優雅に歩く
脚が一本
足りないなんて
誰にも
気づかれないように
「一度だけ
本当の恋がありまして
南天の実が
知っております」
本当の恋は一度だけでいい
むくわれなくても
そっと思い出す
たったひとつ ....
冬の香り、
雪の気配。
君の頬を好きだった
桃の果実に似ていた
ほほえみを蓄えてふくらむ
やわらかな君の頬
君の瞳を好きだった
ただ生きることの 驚きと喜びに
休み ....
蟻の触角をプチリと抜いた
前足
真中
後ろ足
一本ずつ丁寧に
壊さないように
壊していく
壊れていく
あぁ、まただ
また足元から上ってくる
おまえは助けたいの
と聞いてみ ....
夕暮れの風が優しいので
少しだけ手袋を外してみた
小さな枯葉が僕の手にのった
電車に乗ると人ごみが恐ろしく
そっと息を止めてみた
苦しくて苦しくて仕方が無かった
駅からの帰り道に雨 ....
オンナに膝まずくオトコ
人生に蹴つまずく男
仕事にケツまくるおとこ
わたしみんな好きよ
と
言ってくれるイイ女
どっかいないかなぁ
たからものが見つからない。
田んぼからの帰りに、
どこかに落としたのかもしれないと、
あちらこちらを探してみたが、
どこもかしこも空っぽで、
見つからない。
....
誰よりも高く飛ぼうと
助走つけすぎて
転んでしまった
誰よりも早く走ろうと
フライングして
スタートできなかった
ボクはいつも
不器用なのを隠そうと
嘘ばかりついて
いつ ....
暫く振りに
鏡を 覗き込む
眼を点にした
見知らぬ人間と
眼が 合った
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