空が鮮やかなオレンジ色から薄紫へ
静かに変わる黄昏のとき
トワイライトっていうんだっけ

ああ、ちょうどこれくらい
そう、この瞬間

忙しく繰り返す日々の中
君に一番会いたくなるのは
 ....
あの子は夏に死んだと云う
漆黒の髪をしずかに垂らしていた、
あの子は息をなくしてしまった

ひどく鬱いでいたので
空気の奇麗な山奥へ療養に行った
しばらくは落ち着いていて
やさしくわらっ ....
今夜の献立

・夕焼けと向日葵の背中の煮物

・虹のフライ

・蝉と夏休みの子供の声の和え物

・打水のおつゆ




ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
昨日の春に殺された小鳥が
庭先に落ちていた。

ばかだねぇおまえ
気まぐれなのが
春なのに

冬の冷気をまとって
凍りついた小鳥の目が
ぴくりと動く
それでも春がすきなのだと
そ ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
「宝くじ当たったんでここ辞めます」
山下がそう言った時
またいつものような嘘だと思った
だけど本当に次の日から
山下は工場に来なくなった
電話にも出なくなった

「彼女が出来ました」も
 ....
書庫の扉を開ける
水の中になってる
たぶん海なのだと思う
昨日まで資料や本の類だったものが
魚みたいに泳ぎ回っている
手を伸ばして一冊つかまえる
ページを開くようにお腹を指で裂くと
文字 ....
はしゃいで飛び込んだプールの底に顔面を泣けるほど打ったけど
涙をプールの水に紛らせ笑った夏でした

カルピスが痰みたいに絡んだけれど
白くて甘い夏でした

台風で傘が根元から折れたけど
 ....
「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
Ser immortal es baladi;
menos el hombre, todas las criaturas lo son, pues ignoran la muerte;
lo  ....
俺は俺の頭を手に入れた
俺は俺の体を手に入れた

かみさま 俺はそんなに屈強な男に見えるか?
頭なんて相対性理論なんて弾き出さないぜ
体なんて防弾仕様でハイパワーとかじゃないぜ
 ....
目を閉じて
深くふかく
海の底に潜れば
もう何も見えません

潮騒もかもめの鳴く声も
そうして人魚の姿すら
目にする事はありません

真っ暗な海の底で
すぅっと通り過ぎる
真っ白 ....
まっすぐにそそり立った夜から
はねあがるようにおきた明け方
まだ覚めきっていない体の白身を残して
黄身だけが流れだし
キッチンの冷蔵庫におさまってしまう

白身は悠長に時間をかけ ....
炎は燃えたまま凍っていた
寒さが突然とやってきて
熱い炎を丸ごと凍らせたのだ
絶えず形の定まらない炎は
この冷たさに固定された
動こうとする意志を持ち続けたまま
静止している
その世界で ....
真っ白な 世界に行きたい
一度だけで かまわないから
何もない ただの 白い世界に行きたい

私は 何者でもなくて
白くもなくて
黒くもなくて
中途半端なままに
エゴを 抱き続けている ....
五月の日差しが強くて
今日も真っ白なレースの日傘を差すの

傘の細い柄を ちょっと傾ければ
私は日傘の中に消える

すぐ横を通っても あなたは気づかない

別に あなたを気にしてるわけ ....
パパにおねだりして買ってもらった
世界
始めはとても小さくて
なかなか言うことを聞いてくれなかったけど
だんだん躾を覚えてきて
今じゃちゃんと言うことを聞く

あたしが小さな ....
鶯が
桜に色を
わたしています


今日は雨
あなたは
静かに
そういいます


書きかけの手紙
まだ、
ポストへ
出せずにいます


花びらは
雨を乗せて ....
東の空が明けるころ
あなたはまだ
真綿の中で眠っている

朝の日のひとすじが
あなたの頬を
さくら色に染めて
はやく春がみたい
と言ったあなたよりも先に
春をみた
ブリキのおもちゃのような観覧車には
昭和の絵本の動物たち。
ぼくたちは運よくパンダの箱に乗ることができた。

小学生の頃亡くなったきみのお母さんが下にいて
きみの左手はぼくの手を握り
ぼく ....
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる

そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
バレンタイン
伝書鳩も今日だけは
ハートのチョコを配達します



サメですがあなたを食べたりしませんて
彼は頬白、僕は甚兵衛



カメレオン
実はほんのり悲しいの
わたし ....
町はずれの図書館で
無言の空間に酔いしれて
鉛筆の音が心地よい

もうぬるくなった{注お茶=いえもん}
少し暗いライト
冷たい本
窓を眺めて
生まれる雲を見届ける

メルヘンチック ....
雨の日に嫁入りした

嫁ぐことの条件は
髪を切ることだった


『暁の魔王の花嫁』

髪は
『神』に繋がるから
あの人は其れを嫌った

逆に
嫁いでからは
 ....
新しいページを開くと
本は一羽の白い鳥となり
窓の外へ
飛んでいってしまった
カーテンを揺らす
やわらかい風に吹かれながら
日曜日の公園へ集まる
たくさんの本たちのことを考えてみる
羽 ....
小さな小さなガラス玉
空に向かって眺めたら
白い雲が動いてる
自由に鳥が飛んでいる

小さな小さなガラス玉
海に向かって眺めたら
白い波が動いてる
自由に魚が泳いでる

小さな小さ ....
じりじりじりじり照りつける
いつまでたっても照りつける
にらみ返せば目が痛む
じりじりじりじり照りつける

直視されない太陽は
いつだってひとりぼっち
世界中の人に愛されよう ....
ほらご覧坊や、あれが人間よ
はしたない行為に身を委ね
年がら年中鳴き声がうるさい
勝手な快楽で
勝手な繁殖を
やつらを喰う物が現れたら
食べる物には困らないわね

ねえマ ....
404 not foundさんのおすすめリスト(128)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
トワイライト- スウ自由詩308-12-14
- 笹子ゆら自由詩5*08-8-16
夏のゆうげ- 小原あき自由詩30*08-8-1
3月のジェノサイド- 亜樹自由詩208-3-14
フィチカ- ルナク自由詩44*07-12-2
とうもろこし畑- ぽえむ君自由詩22*07-7-1
フライング山下- 楢山孝介自由詩19*07-6-23
書庫中- たもつ自由詩3407-6-19
そんな夏でした。- もののあ ...自由詩34*07-6-13
京都三橋_- Rin.自由詩40+*07-6-13
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
夕日- 水在らあ ...自由詩54*07-5-20
ホロコースト- maynard自由詩207-5-17
銀のスプンは深海へ- プル式自由詩4*07-5-16
たまごを溶く- なまねこ自由詩10*07-5-16
凍った炎- ぽえむ君自由詩13*07-5-16
ホワイト・コンプレックス- 麻生ゆり自由詩8*07-5-15
日傘- ななこ自由詩9*07-5-12
世界球- なかがわ ...自由詩8*07-4-14
葉桜- tiki自由詩17*07-4-14
あした、春- LEO自由詩37*07-3-20
京都市動物園- すなめり自由詩1207-3-13
夏の切符_〜海岸列車〜- Rin K自由詩48*07-3-8
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「耳をすませば」に憧れて- ゆうさく自由詩8*07-2-11
暁の魔王の花嫁- 蒸発王自由詩8*07-2-11
鳥かご- Tsu-Yo自由詩807-2-10
小さな小さなガラス玉- ぽえむ君自由詩11*07-2-8
照れ屋の太陽- なかがわ ...自由詩3*07-2-7
人間園- なかがわ ...自由詩6*07-2-7

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