すべてのおすすめ
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
玉ねぎが自分で自分の皮をむいている

オレハ ドコニイルノダロウ

いくらむいても自分は出てこない
それでも玉ねぎは自分をむき続ける

オレハ イッタイ ドコニイルンダ

その間 ....
 
 
 
 
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少 ....
終わりの時には
しっかりと眼を開けていたい
そこに見えるすべてを
記憶に焼き付けて行きたいから

おとといの午後
娘と二人で近所のスーパーに行って
お菓子売り場でかれこれ30分近く
ハ ....
                   − 素子へ、特別版 −


子供の頃は戦後のモータリゼーションが
発展し始めた時期で
うちの車は初代パブリカのデラックス
その頃は車のグレードと言った ....
金曜日。仕事休み。
雪がふったからではなく、最初から休日(笑)
ウチの奥さんは会社、こどもたちは学校。一人なのをいいことに朝から酒のんでいる。
というか、昨夜からずっとだ(笑)
ちょっと仮眠し ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
待ち合わせの時間まで
僕は地下街の書店で時間を潰すことにした
詩集のコーナーで数少ない詩集を二、三冊めくってみたが
どれもこれもピンとこなくて他のコーナーにある書籍も
黙りこくったまま ....
東京が 自殺した

新宿南口JR改札前 高架
整列する雀
凹む電線
ガードレールにとまる女 白く。
瞬く横断歩道 

歩行者用信号機が青に変わり
かちり
盲人用信号がボタンを掛け合 ....
  冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
  懐かしくてももう泣けない自分がいました
  それが寂しくてそっと瞳を閉じました
  太陽が淡く輝いた冬の日のことです


  太陽 ....
天井に頭がつきそうなあなたと
どてっ腹に穴のあいた私は
どこか浮かれた心地で手を繋ぎます
やがて日暮れて
子どもたちはそれぞれのミノに潜りはじめる
私たちも
アンゴラのマフラーを身につけま ....
窓、
つぶらにびく、びくして


隅っこで圧し倒す布際に覗くよ。午後2時はびゅんとした狭さが、がらんどうだ。この部屋のここに堆積しているもの、蹴散らすほどのことでもないので。潜ってゆく広がりを ....
てだこ、大ぬしは飛ぶ

てだ、いちろくが、
てだ、はちろくが、

日夜
苦しそうにマフラーを
まいてるカップルたち
こんなすがすがしい愛はない
うどんのようにスルスルと伸びて
熱い ....
夕暮れになると
ばくは星間に漂いはじめるのだった。

追いつめられてすきとおっていた
声なき声は銀河の構造
肉体を失って誘いを待つあなたは光の粒子
粒子は崩れぼくは光速で見えないあなたを通 ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
イエーイ! 家 
俺らのため息というため息 体毛という体毛 のすべて
には窓が取り付けられている 家
窓という窓には俺らの手形
という手形にも窓
ところどころは出窓として取り繕っておりま ....
 

  白いレースと
  モスグリーンのカーテンの外は
  朝焼けの予感
  大学校舎の壁に映って
  小鳥たちの目覚めをうながす
  日本列島幾つの目覚まし時計が鳴るのだろう
   ....
窓拭きの人が来たのに
誰も返事をしないから
僕が部屋に通したんだよ

窓拭きの人は窓だけ拭いたよ
窓より汚いものは拭かなかったよ

窓拭きの人が行くのに
誰も見送らないから
僕が見送 ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
現存するものとしては
最後のヒメギミ

中継映像
物音ひとつしない部屋に
ただ一人のヒメギミ

ふわり
優雅なパニエは
裾がゆらいでる
注視かたずを呑む

23:05
 ....
嵐のいった後はいつも
いろんなものが電線に引っかかっていて
奇妙な陰だとか
擦り切れた音だとか
さっきまで巻かれていた自由なもの
全部
西日を受けてしなだれている

多分みんなが
風 ....
a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
「笑わなくていいよ」と
店長が言ったので
わたしは笑わなくなった
一本調子で値段を読み上げるだけ

夜のコンビニに、エロ本を買いに来る男を
警戒するようになった
バイト終了時間の待ち伏せ ....
風のつよく吹く日には
惑星間電話で
火星に電話をかける。

受話器のむこうから伝わる
赤錆色した砂あらし。

その夢の原石のような響きに、
そっと
耳を澄ますために。
あいつはとても優しい
プラスチックの歯ブラシが風呂場で
ふいに落ちたときにおもうくらい
それくらいさみしい
大阪で

散乱する破片を踏んでみてから
それが言いたいことだと気付く
僕 ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
バンブーブンバさんの自由詩おすすめリスト(106)
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