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夏の朝
自転車に乗った白い半袖たちが
自分の背中から追い抜いてゆく
夏が起きる

背中にはラケット
自転車の前かごには大きなバック
白い半袖たちの顔は
どこか緊張している
これから白 ....
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから

夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
 ....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった

葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく

川のせせらぎの音も
 ....
今まで見えなかったものが
見えるようになった
自分が生きている今の世界が
迷路になっている
高い壁と細い道しかない
何も拠りどころもなく彷徨い続けると
展望台と書かれた案内板があった
そ ....
暴風で倒れたトウモロコシ畑の
その隣で新しい工場が建て始められ
太い鉄骨がまっすぐに立てられた
まだ収穫されていないままの
その実を背中にした
作業員の目は悲しそうだった
鉄骨は太陽の光を ....
夜の列車から見るその風景は
何も動いていなかった
駅を出発してから
ずっと走り続けている
次の駅はもうすぐなのだろうか
それも定かではない
四人がけの座席に
自分だけかぽつんとだけ
窓 ....
風は言葉を求めていた
無言で動き続ける自分に
自分の存在を
何かにあるいは誰かに
伝えたかった
街は重厚な壁に遮られ
跳ね返されるか
止められるかで
風の居場所はなかった

風は森 ....
大人になんてなりたくないと
思った時から
ずっと星を探していた
将来への自信と
可能性への期待に満ち溢れて
星は必ず見つかるものと
全ての人に全ての星があると
それが当然だと思っていた
 ....
夏が黄色くなってゆく
太陽の色に近づいている
夏をぎっしりとつめて
鮮やかな黄色になってゆく

黄色くなってゆく夏は
水に中に落ち
ぷかぷかと気持ちよさそうに
泳いでいる

近くで ....
森の中で
がばっと大きな口が開いていた
大きな口は
緑色の歯をいつも見せていた
晴れた青い空の中で
流れてきた白い雲を
一気に飲み込んだ
歯が揺れている
近くまで寄ってゆくと
自分が ....
都会の道路に沿って
綺麗に並べられた街路樹は
まっすぐに立っていたが
その緑は曲がっていた
歩行者や大型の車に合わせて
その枝と葉は
捻じ曲げられていた

緑はいつも
土や大地の色は ....
鉄は錆びていた
光沢は外に発しない
錆びきっていた

鉄は昔を思い出した
あの銀色に輝いていた自分を
当然だと信じていた
今はぼろぼろな茶色の体が
悲しかった
雨に濡れて
少しずつ ....
そこに風があった
葉を揺らし
湖を渡っていた
やがて街へ
そして自分へ

そこに風があった
花に触れて
川を横切った
やがて海へ
そして彼方へ

一瞬の風は
また一瞬の風へと ....
雨が止んだ
そして他の誰よりも
最初に光を見たのは
ぼくだった

光は止まっていた
その光をくぐるようにして
白い蝶が飛んでいる
風も止まっている

雨が止んだ
閉じていたものが ....
父の傘は
とても大きかった
雨が強く降ろうとも
何の心配もいらなかった

父はその傘を
若い時に買ってから
ずっと使い続けていた
何度か壊れかけたが
それでも修理して使った

雨 ....
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した

ある日
目を失った少 ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた

バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける

気づけば
髪の毛が濡れてい ....
{引用=月日に添へて時の花咲き
前の花のいといみじふ美しき
おぼろなりて花の匂ひを忘る
あやめの花もまた同じなり

時の移ろひとはかくのごとくと
定めを知るなり}

花あやめ消えゆく色 ....
「君は必要です」
上司から言われたその言葉に
自分が認められた気分になり
その後は毎日のように
仕事をこなしている
カップラーメンを食べながら
いくつもの書類に目を通し
会社メールと携帯 ....
家族で豪華な料理を
食べに行った
お父さんとお母さんは
とても満足そうだったけど
ぼくは
おしゃべりしながら
家族みんなで分担して作った
カレーライスの方が
美味しいと思った

家 ....
子どもたちの広げたパラソルが
クルクルと回って
それは梅雨に咲く
パラソルフラワー

アジサイのように
一度にたくさん咲いてるのもあれば
一列に並んでいるのもあり
色鮮やかに咲いている ....
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ子どもの頃
特に待ち合わせをしなくても
いつもの公園に集まって
そこから林に探検へ
入ってはいけないような場所に
金網をよじ登る
そうすることが夏だった
 ....
ぼくたちの先生はいつも
ぼくたちにはできないことばかり
言っていて
ぼくたちができないと
何をしてんだと
いつも怒ってた

隣のクラスは
優しくて人気のある先生
楽しそうに過ごしてる ....
ガリガリ ガリガリ ガリガリ
休日だというのに
朝から電動バリカンの音が
騒いでいる
庭の木の手入れがすでに
始まっていた

ようやく訪れた休日なので
今日は一日ゆっくりしていたい
 ....
いつもみんなよりも前に走っていた
けれどもそれは
人生のたった最初の十八年だけに
すぎなかった
次の四年間は
自惚れていた自分がいた
適当に時間を過ごせば
それで許されていた
ペースダ ....
夜空を見上げてみた
数えきれない星が
ぼくの上にあることに
気がついた

今ぼくは
宇宙の中にいる
今ぼくは
宇宙に触っている

夜空の中で
星は光るだけではなく
流れていくこ ....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに

白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに

畑の作物採りに行 ....
どうしてぼくを叱らないのと
大人の人に聞いてみたら
君はとてもいい子だから
叱ることなんかないさと
誰もが言っていた

ぼくは知っている
本当は叱らないんじゃなくて
叱れないことを
 ....
インターネットは平面ではなく
地球と同じように
丸いものかもしれない

地図で見る地球は
右端と左端が遠く感じるけれど
実際はつながっていて
ものすごく近くにある
カナダとロシアは
 ....
未有花さんのぽえむ君さんおすすめリスト(647)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白い半袖- ぽえむ君自由詩6*07-7-25
夏の夜- ぽえむ君自由詩10*07-7-24
冷たい夏- ぽえむ君自由詩23*07-7-24
迷路- ぽえむ君自由詩11*07-7-23
鉄筋とトウモロコシ- ぽえむ君自由詩11*07-7-22
見えない車窓- ぽえむ君自由詩6*07-7-21
風の言葉- ぽえむ君自由詩13*07-7-21
星を探していた- ぽえむ君自由詩20*07-7-20
黄色い夏- ぽえむ君自由詩15*07-7-20
森の中の口- ぽえむ君自由詩9*07-7-19
緑が曲がっている- ぽえむ君自由詩13*07-7-18
錆びた鉄- ぽえむ君自由詩11*07-7-17
そこに風があった- ぽえむ君自由詩10*07-7-16
雨の後に- ぽえむ君自由詩14*07-7-15
思い出パラソル- ぽえむ君自由詩5*07-7-14
ある日の拾い物- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
雨の日のバス停- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
あやめ_★古語の宴_参加作品_★- ぽえむ君短歌6*07-7-13
君は必要です- ぽえむ君自由詩7*07-7-12
豪華な不満- ぽえむ君自由詩13*07-7-12
パラソルフラワー- ぽえむ君自由詩6*07-7-11
あの夏はもう過ぎてしまった- ぽえむ君自由詩15*07-7-11
ぼくたちの先生は- ぽえむ君自由詩8*07-7-10
電動バリカン- ぽえむ君自由詩7*07-7-10
人生マラソン- ぽえむ君自由詩8*07-7-9
宇宙に触っている- ぽえむ君自由詩11*07-7-9
遠い昔の夏の夜- ぽえむ君自由詩15*07-7-8
夏の光が浮いている- ぽえむ君自由詩13*07-7-8
どうしてぼくを叱らないの- ぽえむ君自由詩7*07-7-7
インターネットは丸い- ぽえむ君自由詩4*07-7-7

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