すべてのおすすめ
なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
この花は綺麗に咲いているのに
葉は傷ついている
なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
あの空はとても青いのに
空気は汚れている
....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた
如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
あの人が縁側で
たばこを吸っていた。
たばこって美味しい?
と、私は聞いた。
うーん。
その人はうなって、
「美味しい」ってわけじゃ、
ないんだけどな。
と言った。
癖になってるよね ....
手から零れ落ちる愛情と呼ばれるものは
飽くことなく吸い取られてゆく
出会った頃より終焉を予期し夜な夜な涙する
弱さを強さにかえる儀式はいつしか止まり
心に積もる穏やかな火は私を包み囁く
....
外見だけ取り繕ってみても
貧相な中身は丸見え
ダサいね
周りから白い目で見られても
自分の信じた哲学を貫く
格好良いね
恥ずかしくないの?って
それはこっちのセリフです
面 ....
初めはわずかな風でした
やさしい風は
そっと教えてくれました
春はそこに来ています
いつもとはどこか違う風でした
やわらかい風は
ふっと通り過ぎてゆきました
春はもう来ています
....
甘言というものはいとも容易く脆く崩れ去る
大事だと言い笑顔のときには誰でも優しくなれる
一番辛いときに何も発さない貴方は
本当は卑怯だという言葉を
私は飲み込みすぎ腹は大きく膨れ
悲しみ ....
山より落ちる一粒の
わずかばかりの水なれど
一つ一つとまた一つ
上から押され下へゆく
岩から岩へ結ばれて
わずかばかりの道なれど
下へ下へとまた下へ
道はつくられ道はある
落ち ....
自分は自分なのに
自分のことは知らなくて
他人と比べて
ようやくおぼろげな自分が
浮いている
他人は他人なのに
他人のことは気になって
自分と比べて
すぐにうらやましい相手が
現 ....
オレンジ色に染まる公園で
僕はひとりかくれんぼうをする
ぞうさんのすべり台の上で
数を百までかぞえても
僕を探しに来る子はだあれもいない
風が気まぐれに揺らすぶらんこの
長くのびた ....
死ぬ夢を見るたびに
生きていることを味わう
生きるとは
そういうものだろうか?
笑うたびに
昨日の涙を思い出す
喜ぶとは
そういうものだろうか?
無駄のない生活をするために
....
海を見にゆこう
大きな風車が回っている
いくつもいくつも回ってる
海は光っている
風も光っている
山の神社に守られて
音はあるけど
音がない
そこから陽が放たれる
海を見にゆ ....
ぐらりと揺れたのは
景色じゃなくて私だった
見知らぬ若者に少し体重を預けバランスをとる
助けてはくれないが積極的に拒みもしない
そんな時代だ
電車を降りて足早に地下道を歩く
私の前には ....
美術の時間に先生が言った
「自由に空を描きましょう」
周りのみんなは水色を選んだけど
僕はオレンジで塗りつぶした
捻くれているわけじゃなくて
夕方の空が一番好きだから
....
青い月の下で
唇が切れると
錆びた味は生温く
舌先に現実とゆめとの
境目をおしえて
わたしが誰であったか
あなたが誰であったかを
思い出させる
青い月の下で
繰り返されるくち ....
朝日の射す部屋に久々にお花を飾りました
真っ白な陶器の花瓶にたおやかな薄桃色と深紅
そっけない床にコトリと置くと
たちまち同化し花々は床に咲き乱れます
私は伝うものが涙だと
....
君は知性と権力を持っていて
だから私は君に惹かれたのかもしれない
実際私は君から知性を吸い取り権力を利用し
君を捨てて君から逃げた
あどけない私自身も置き去りにして
君がお金と美貌を持っ ....
ほしいもの
それはお金でもなく
名誉なんかでもない
ほんの小さな手だけでいい
温かみのある誰かの手
ありがとうと
軽く振ってくれる手
がんばってと
応援してくれる手
大丈夫だよと ....
私の空
君の空
私と君の空
今まで遠かったものが
近くなる
私の夢
君の夢
私と君の夢
今までバラバラだったものが
一つになる
私の喜び
君の喜び
私と君の喜び
今ま ....
目には見えないものばかりを求め彷徨う
日々の中で何か違うものを探す
その度に何も変わってない事に気づいてしまう
太陽と月の繰り返しの中で生きている
至福から絶望へと変貌する時は短く ....
本当に
分からないのか
分かろうとしないのか
分らないことにしているのか
俺の言ったことが
理解できていないのか
理解したけど忘れたのか
理解できてないことにしているのか
....
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を ....
愛してる。
なぁ。
あの時の僕ら、上手くいってたかな。
僕は何の問題もないって、歩いてたけど。
それじゃ、ダメだったみたいだね。
君の向いてる方向は、僕じゃ多分解らない。
そんな僕を、好 ....
風が吹き
風がやみ
繰り返す風に
時あり
雨が降り
雨がやみ
繰り返す雨に
涙あり
雲ができ
雲が消え
繰り返す雲に
希望あり
人が生まれ
人が死に
繰り返す{ ....
煙草をくゆらせていた後姿
今朝ふと思い出して微笑む
何を信じればいいかわからず
言葉に傷つき自信をなくしていたの
私の笑顔を慈しむように見つめて
決まって後ろから抱きしめる貴方は
どう ....
四畳半の狭い部屋も
一人で暮らすには問題ない
仕事が終わり家へ帰っては
テレビを見て寝るだけの毎日
最近は料理する気も失せて
夕飯はカップラーメンで済ませている
買いたい物も特に無いか ....
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど
なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
せまいワンルームマンションの一室で
独り耳を澄ましている
街の喧騒は遥か彼方で
過ぎ去りし月日が俺の後頭部をくすぐる
失くして戻らないものは数知れず
今だにエンジンのかから ....
遠い昔に
私は生まれなかったけれど
言葉によって
その過去に行くことができる
言葉以上のものを見ることもできる
遥か未来に
私は生きることはできないけれど
言葉によって
その時の先 ....
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