心なしか頼りない日差し
見上げる視界の右片隅、
夏に覚えた眩暈が
いつまでも居座る気配です。
鳩が不格好に歩く石畳、
高い高い螺旋の、
廻る、空
に、墜落する飛行機雲。

始ま ....
深夜の病棟の廊下を
患者を乗せたベッドが幾つも
音もなくしずかに漂流していく
あれらはみな
モルヒネを投与された患者なのだそうだ
おっこちたりしないように
きちんと縛り ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか

カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
骨のことなら知っています


奥深く平面的で
動物的な空が


罪深く走る夜
立てるよ、と勘違いをする男が
束になって走っていました


((はしたなく
    ((はしたな ....
今歩いているこの路地が
たとえば海沿いにしかれたひそかな町の
その奥に抱かれた狭い路地だったとして

世界一小さいという砂粒が
つもって出来た町だったとして

もうあと何件かの民家を越え ....
女は消印を食べ続けた
消印を食べなければ生きていけなかった
医者には病気のようなものだと言われた
普通に届く郵便物だけでは
必要な量は満たせなかった
子供のころは
両親が女のために手紙を書 ....
さわやかとはなにか
やさしいのは春か
掃除機のきゅいーんが
許してくれるなら

行けばいいのですよ
さみしくなんかない
お空の飛行機が
落ちてしまうのなら

苦しくはな ....
ぬるい風にたなびいた

四月の濃淡とくもり空

街にはみどりの幽霊が

夏への影を蓄えている


坂道を駅へと下る

君は春に近い夏に通う

バスに追い抜かれ

身を小さ ....
頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった

百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただ ....
ぼんやりとした光が
畑を一面に降り注いでいます
真っ赤な郵便局のバイクが
畑の中を通り過ぎて行きます
なんだか春らしい
道の草が風で揺れています

ゆるやかに道が曲がっています
雀が私 ....
ぷっちょ
好きさ
ぷっちょ

おまえの柔らかな歯ごたえ
なめらかな舌ざわり
たまらなく好きさ
ぷっちょ

でも
このまえ
グミが入ってないほうがいいかも
なんて一瞬思っちゃった ....
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです


何か言わ ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく


きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
 ....
19歳の
尽きる気がしない
かいわ
わらいごえ
めせん

森のなかで

こういうものさ

オオカミがおなかをさする
その
おなかのなかで

こういうものなのかしら
と ....
2丁目の私

2丁目の私はその時恋をしていた

2丁目の私が恋していた彼は
その時3丁目に住んでいた

比べて3つ秀でていたことがあった

その3つとは
年齢と、お酒の ....
朝から支えを刻々と縮め
影の長さが水際を割る、。南中に際し
まず柔らかな鳩尾を
下にして((私達は))後頭の
窓に
手をついており
嵌め殺しの空も高いと思う、。恐ろしく
液晶 ....
山奥の一軒の家のために
立てられた電柱は
その家に誰も住まなくなってからも
一人で立っていた
電線はつながっていたが
電気が流れることはもう期待できない

電柱は昔を思い出した
まだそ ....
脱税しました
空は晴れていました
脱税したお金で
スポーツカーを買いました
お金が足りないので
模型のスポーツカーでした
海の近くでした
風に匂いがありました
一輪車が得意でした
上 ....
こくどうぞいの
みんかの
せまい
げんかんさきに
すいそうが
ほうちされている
あまみずがたまり
みずは
じょうおんのまま
やはり
ほうちされている
かつて
そのなかには
ち ....
窓際の花瓶に挿した花を想うと
降る雨の着水点はまあるくて
本当にまあるくて
揺れる心も
みずたまりの世界の中だけでも
空から降る生命の一滴

内側からでしょうか
包まれたいと
願う湿 ....
 僕は夜遅く ドラマチックレコードを聴く
 布団の中に潜りながら涙を流す
 あの頃の記憶が蘇ってくる
 僕の膨張した心を絞り出して涙が出てくる
 雨に沈んだ森
 僕は君の作ってくれた様々な布 ....
空落ちて青に融けゆく我が翼

The sky falls off Heaven
My wings, melting as if driven
Into the Blue


つま先の打ち ....
仕事ばかりしていると
季節を知るどころではない

ネットで世界のすべてを
知ったような顔していても
お得意さんと話して
業界のすべてを
知ったような顔していても
僕はなにひとつ
わか ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている

土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線

川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える

背中を温める夕焼けが
実 ....
こんにちは

今日はいつもの場所を離れ
空間を漂っています

あなたは何事もはっきりさせたいタイプですか?

私はわりとグレーな部分はグレーでも
ピンクでもブルーでも
青紫でも
実 ....
コーヒーとミルクを混ぜると
カフェ・オ・レになる

コーヒーだけでは味わえない
ミルクだけでも味わえない
おいしい飲み物になる

カフェ・オ・レを
コーヒーとミルクに分けるには
化学 ....
まとわりついてくる光の粒を
まとわりつくまま歩き出せば
光はしびれをきらしたように
ぽつりぽつりとうたいはじめる


ああもうこんなに沈んでいたのか
足を持ち上げ
足のかたちが ....
太陽    なのか?

がのぼったまんまだ

もう ずっと

ぐっしょりと潤んで


乾かして

からからに

ぼくらを

見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ

 ....
シロイ、

がたくさん

シロイがたくさん

かさなっていて

シロイのむこうに

エイエンがあって

エイエンが

ケハイを

ころしながら

 ....
ロカニクスさんのおすすめリスト(333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏葬/Allegro_assai- 紅魚自由詩1007-4-26
病院の海- 吉田ぐん ...自由詩1107-4-25
遥か、透明の過程- 佐野権太自由詩32*07-4-25
空平線- 石田 圭 ...自由詩37*07-4-24
海沿いのまち_なみ- 水町綜助自由詩23*07-4-23
愛称- たもつ自由詩1607-4-21
薄情娘- 蔦谷たつ ...自由詩11*07-4-21
春に近い夏に通う- 吉岡ペペ ...自由詩207-4-21
春眠- 楢山孝介自由詩13*07-4-21
なんだか春らしい- ぽえむ君自由詩12*07-4-21
ぷっちょ- 大覚アキ ...未詩・独白3*07-4-20
太宰ヒラメ- 佐野権太自由詩41*07-4-20
たくさんのきみにできること- 石田 圭 ...自由詩7807-4-19
屋根をつくる- たもつ自由詩1607-4-19
ひとり- ポッケ自由詩3*07-4-18
もう昔の話- 柴田柴助自由詩607-4-18
水槽- 焼石二水未詩・独白12*07-4-18
一人ぼっちの電柱- ぽえむ君自由詩18*07-4-18
脱税- たもつ自由詩1307-4-18
くんれん(ねつ)- たもつ自由詩807-4-18
花瓶の花- 鯨 勇魚自由詩4*07-4-18
ドラマチックレコード- はじめ自由詩9*07-4-18
青の俳句_2句_(日本語・英語)- 山本 聖俳句3*07-4-18
まぶしさ- 小川 葉自由詩3*07-4-18
デッサン- 松本 涼自由詩1307-4-18
中継- mac自由詩207-4-18
カフェ・オ・レ- 小川 葉自由詩3*07-4-18
ノート(熱芽)- 木立 悟自由詩907-4-17
- 水町綜助自由詩24*07-4-17
シロイ- はらだま ...自由詩15*07-4-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12