しろいしろい部屋に
しろいしろいテーブルと椅子
しろいしろいお皿に
なにかうつくしい食べるもの

朝の桃色の光が
しろいしろい部屋の
しろいしろいテーブルと椅子と
しろいしろいお皿と
 ....
くちびるの
置き場所を間違えた、夜明け
あなたへと無音で震える春が
無音で体温する春が
祈りを湿らせるので
耐え切れずに申し上げた春が
ぬくく、痛く、ここに
滲み始めるの ....
ぼくらは たがいに
記号に すぎないと
了解しあった あの場所で
待っています なんどでも
そこから はじめましょう
家に帰ると門が壊れていた
妻と娘が代わりに立っていた
家の中では妻の短大時代の
同級生だった山本さんがいて
食事の準備をしていた
十年ぶりですね、と言って笑った
煮物の味見をしてあげた
 ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように

見張るように透明なコップに
移し変えたのは

空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか

とげよりもおそろしい指で
 ....
ひとりの人間の哀しみに
わたしは立ち入ることができない 

十日前に夫を亡くした同僚の 
目の前を覆う暗闇に 
指一本たりとも 
わたしはふれることができない 

( 背後から追い立て ....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。

体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。

あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
躯を浸す。
浅瀬の音に触れる。
それは波を立てて弾けた。
波はどこまでも広がってゆく。
やがて向こうまで広がり揺れて、
はじめる。
奏でる。

波間では ....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった

左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う

だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
こんな仕事はどうですか。
グワッと押し寄せる知識の洪水を
持ち前の腕力で有史以前に押し戻すことで
あなたの存在すらやり直す仕事です。


こんな仕事はどうですか。
ヒュンと駆け抜ける時代 ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて  ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね 
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
ギュッと圧してください。
力強く圧してください。
痛いですか。
ここは、平均的な生き方なんて
存在しないんだということを
文化人類学的に証明したい時に効くツボです。

ギュッと圧してくだ ....
わたしは詩のなかで
一本の木になることができる
地に根を張り
そこにい続けることができる
少女が来て
本を読んで
少女は帰ってゆく

わたしは詩のなかで
そらをとぶことができる
高 ....
なあダーリン

悲しいときもあるやろ
寂しいときもあるやろ
辛くて
訳分からんなって
死にたくなるときもあるやろう

けどな
あたしは止めるよ
あんたが死のうとして ....
彼は世界を作った

新しい世界を作る前の日に
彼から久しぶりに連絡があった

元気かい

久方振りだね

今度新しい世界を作ろうと思うんだ

そうかい

世界を ....
簡単な申請をして
小さなお役所のソファーで
僕らは順番を待ってる
制度はいつも公平で
人に優しい
前に座っている子供が
しきりに咳きこみ
母親と思しき人が
その背中をさすっている
僕 ....
君の左胸に棲むような美しい臓器になりたい


カップラーメンに朝日差し込めばきっと天使の死期も近い


冥王星なくなり平穏に過ごす日々


まさか虫歯にチェンバロが効くとは
 ....
今日は朝から
角を曲がる犬にたくさん会った
いま目の前を歩いているこの犬も
やがては角を曲がるのだ
君にその話をすると
頷きながら聞いてくれたけれど
僕がどれくらいの角を曲がってきたのかは ....
こわいのです
この果てしない草の海が
どこまで行っても地平線しか見えて来ない
この世界が私はこわいのです

風がびょうびょうと吹き荒れる草原のただなかで
私はひとり立ちすくんでいます
絡 ....
お前みたいにようできた妹を持つ秘訣はな

兄ちゃんみたいな駄目な兄貴を持つことや

何やってもあかん
お父ちゃん、お母ちゃんに
心配ばっかりかけよる
こんな駄目な兄ちゃん見てる ....
そのように、生きてみたいと願う
いつまでも二階より上の景色に臨めなくても
遠い車窓に同じ肩幅で揺れているだけだとしても


ノイズ混じりのカーラジオの表面に
透き通らない感情を混ぜている
 ....
こんちは。宅配便です。
めくるめく人生模様のアップリケを
お届けにあがりました。
お留守でしょうか。
それでは東京砂漠色の
不在票を入れておきます。
後ほど。

こんちは。宅配便です。 ....
       1

鎖骨のようなライターを着火して、
円熟した蝋燭を灯せば、
仄暗いひかりの闇が、立ち上がり、
うな垂れて、黄ばんでいる静物たちを照らしては、
かつて丸い青空を支える尖塔が ....
すべてを委ねてしまった私に

君の「間違ってる」が優しくて

すべらかな灰色に接吻をおとした

体温のないものに



もうすぐ春だから

フェティシズムはきみどりいろの雨 ....
脊椎動物として生きる
その悲しみ

そして
珍しく雪が降った
朝の喜び

もし君が生まれてきたら
おもいっきり抱きしめて

そんなことのいくつかを
教えてあげたい
#71

 ありきたりな憂鬱に
 絶望なんていうおおげさな名前をつけて
 誰も見たことがないペットみたいに
 かわいがって育ててんだろ
 そんなのどこでも売ってるぜ



#72
 ....
わがままを一つ
手のひらにのせて水の中
ゆらゆらとしずむ白い服

昔々恐竜がまだ元気だった頃
昔々地球がまだ温かかった頃

涙を一つ
手のひらにのせて水の中
ふわふわと ....
ことばが あふれだしたのでそっと ひとさしゆびで とめた 。  あなたは計量スプーンの使い方は知っている?
ただ ただ これですくえばいいだけではないのよ

液体と固体とでは 使い方が違ってくるのよ

たとえば{ルビ味醂=みりん}のような液体のときは
 ....
ことうさんのおすすめリスト(620)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の海- ふるる自由詩9*07-2-5
種子の祈り- A道化自由詩1807-2-5
そろもん(スタートポイントの話)- みつべえ自由詩1007-2-4
- たもつ自由詩1307-2-4
きっと_いつまでも- 砂木自由詩20*07-2-4
冬の車窓_〜二〜_- 服部 剛自由詩12*07-2-4
まあいずれにしろ。- もののあ ...自由詩43*07-2-3
「_月騒。_」- PULL.自由詩9*07-2-3
数式- たもつ自由詩1907-2-2
堅実ハローワーク- ブルース ...自由詩1*07-2-2
わたしが死んだ後に- なかがわ ...自由詩15*07-2-2
踊ろう- 水在らあ ...自由詩27*07-2-1
ツボ・ホリック- ブルース ...自由詩3*07-2-1
わたしは詩のなかで- 砦希(ユ ...自由詩907-1-31
生き死に(いきしに)- なかがわ ...自由詩7*07-1-29
世界のはじまり- なかがわ ...自由詩5*07-1-27
制度(制度)- たもつ自由詩13*07-1-26
もにょもにょ- ピッピ川柳1207-1-26
制度(角を曲がる)- たもつ自由詩1607-1-25
草迷宮- 未有花自由詩24*07-1-25
兄ちゃんと妹- なかがわ ...自由詩16*07-1-25
家族(時速50キロの)- 霜天自由詩807-1-25
宅配便クルーズ- ブルース ...自由詩207-1-25
浮遊する夢の形状____デッサン- 前田ふむ ...自由詩28*07-1-24
有形- 北岡瑛美 ...自由詩8+*07-1-24
制度(悲しみと喜び)- たもつ自由詩1107-1-23
フラグメンツ(リプライズ)_#71〜80- 大覚アキ ...自由詩15*07-1-23
無題- 多久蘭乱自由詩3*07-1-23
言葉。__- すぬかん ...自由詩607-1-22
計量スプーンと法律と_おいしい料理と理想の社会- 相良ゆう自由詩8*07-1-22

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