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きみの目がとりたてて好きだってことではないんだ
そんなこと言った覚えはない
きみだって
不意に
なんてことない仕草に
たとえばYシャツの袖をまくりあげたりする動作に
くらっとすることはある ....
1.

高く掲げた手のさきには指がなかった
ただ丸い肉塊である手は
指を持たぬのに天を指さした
天下人と呼ばれた男は
その指のない肉人を
食えばよかったのに食わなかった
食われなかった ....
うたのように
春のそらに雲がうかんでいます
うたのように
あのひとの左手がきるきるとうごきます
うたのように
あのひとの右手がたくたくとはじきます
うたいかたを忘れてしまいました
うたえ ....
蝋梅の溶けゆくさまは蝋に似ず

春眠や豪華三本立ての夢

啓蟄や朝日を浴びて我眠る

流し雛流さず焼きぬ空に舞へ

この土はまだ生きてをり下萌ゆる

龍天に上る日を違へはせぬか
 ....
燃えるために燃える
反応が終わるまで
命じられても消えない
炎はただ現象だから
命尽きることを知らず
酸素があり
酸素と反応するものがある限り
燃えるために燃える
そんなに遠くない
あの脚が
空から下がる繰り糸で
奇妙なダンスをさせられる日は

とても近い
あの指が
地下から響く呼び声に共振して
読めない文字を綴り出す日は

きのうわたしを過 ....
何度も書いてきたのですりきれて穴が開きそうになってきたが、私は悪人になりたいのだ。それも大嘘つきの大偽善家の大悪人に、である。できれば新興宗教の教祖みたいなのがよろしい。しかしたぶん私にそこまでの才能 ....  私の読書傾向は、しっちゃかめっちゃかで統一性皆無だ。手当たり次第に何でも読む。なんでも、だ。薬の説明書でも、ものみの塔のパンフでも、そこに字がありゃいい。「なぜ本を読むのか?」と訊かれたら、私はきっ ....  トシを隠す習慣は私にないのでちゃんと書くが、私は1968年生まれ。だから私が16歳だったのは1984年のこと。ジョージ・オーウェルの年。そのころ、静岡の片田舎にコンビニはない。ファミレスもない。モス .... あなたはわたしのものではない
わたしはあなたのものではない
うそぶく唇にくわえる煙草はバージニアスリム
煙草を吸うやつは口唇期から抜けてないんだぞと
嘲笑ってはみたが
おれも喫煙者だから薮蛇 ....
きみの首はしろくてほそくて
手折られるのを待ってる野菊の茎
だなんて
心底バカ丸出しな手紙を見つけて
真夜中にひとり
わたしはけらけらわらった
ああそうなのねそうなんだ
だからあのひとは ....
捨てたつもりはなかったのです
だってこの国にゴミはないのですから
ええ だから 捨てたつもりは全然なかったのです

あのひとの影を いえ あのひとへの愛を
私はあのひとが残していった家にきち ....
あなたはすっかりひろがってしまって
異常透明のあきぞらを
霞ませるだけの実態すら持たないらしい

昨日のゆうぐれ
おはようございますと挨拶しながら
工場のエアシャワーを浴びたとき
唐突に ....
(1)

外では血の雨が降っている。誰が死んだわけでもなくて、ただ空が血の雨を降らせている。ねばねばと。あたしはなにがしたいのだろう、あのひとはなにがほしいのだろう、なぜここはこんなにも寒いのだろ ....
{引用=あかちゃんとわたし
フライパンでやかれた
フライパンはすばらしくあつかった}

ちっちゃいころおぼえたはなうた なんかどこかまちがってるかもだけど でも きもちよくはなうた唄いながら  ....
壁には緑十字。
せわしなく響く電子音、明滅するランプ。
工場で人を動かすものは。言葉以前の。

  *

あぶらぎったシニフィエが
タンクになみなみと揺れ。
それは銀色の極太チューブに ....
朽ちた栗の切り株のそばアシグロタケ
硬くて喰えないのだけど
それなりに旨いダシがでるらしいので
ちょいとひっくり返してみたら

みたことのない黒い甲虫がいて
鮮やかな赤い星を背負って
せ ....
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