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気まぐれな
夕まぐれに
気まぐれる
まぐれに
まぎれて
気をまぎらわし
気まぐれる
まぐれの
グレイの
夕まぐれに
まぎれて
まぎらわしく
気まぐれる
気まぐれたまま
夕ま ....
思いだして
思いだして
思いかえして
思いかえして
憶えているすべてが
ゲシュタルト崩壊してしまうまで
ときめきもきらめきも
苦みも痛みも
何もかもわからなくなってしまうまで

何 ....
夏にだけあらわれる
小径の奥に
ひっそりとした場所
そこにやわらかな墓標がひとつ

あたりを囲む緑のざわめきの中に
なぜかいつも感じる
揺籃の気配
その中には多分 壊れた玩具の ....
君の耳にだけ寄せる波がある
その波に織り込まれた風を聴きながら
君は眠る
あるいは踊る

フォスフォラスが鏡に映れば
ヘスペラスになり
ヘスペラスが鏡に写れば
フォスフォラ ....
光の骨をなぞる指のことを もう思い出せない

言葉を思いかえすほどに
少しずつずれて嘘になってゆく
そのグラデーションをせめて美しく
夕映えに織り込んで
待っているうちに
身体は闇の鱗で ....
水の上に花が咲いている
花の姿が水にゆらめいている

それをながめながら
   幾重にも愛を囁きながら
   幾重にも別れにふるえているような
   このひとときに

   いちばん告 ....
チューブから絞り出されるのは 炎

いくつもの炎がのったパレットから
その人は筆に炎をとり 絵を描く
パレットはいくつもの炎をのせながら
焦げることもない
筆もまた
炎をのせられたキャン ....
最初から廃墟だった場所で
最初から破片だった言葉を
拾い集め交わし合う
それは破片だから
時に自らを 誰かを
傷つけてしまう

しなやかで
すきとおる思惟で
編み上げられてゆ ....
そのお伽話は
あまりにも語られすぎて
すっかりすり切れてしまった
意味さえもこわれて
こぼれ落ちてしまった
君がかりそめの眠りを
くりかえしてきたその日々の間に

此処には誰も来ない
 ....
僕らをつなぐものは
あの哀しみの聖地だけ
もう今はたやすく訪れることもできない
あの場所の記憶だけ

今頃はまた あの場所をふちどるように
菫が咲いているんだろう ちいさな光を纏って

 ....
なかなか雨はやまない
僕は夢想する
星空模様の傘をさして
君のところを訪ねたい
ジャム一瓶ほどの幸福をたずさえて

なかなか雨はやまないから
君のもとへ辿り着くまでに
傘も溶けてしまう ....
君と僕とのあいだに
置きたい言葉があるとして

それはいつも最初の言葉であり
最後の言葉

初めての言葉であり
いくたびも繰り返されてきた言葉

すでに過ぎ去ったこと
あるいはいま ....
illusion, delusion, hallucination
不断の悪夢
を見せたのは誰

     *

硬質な悲劇の突き刺さる胸
から流れる
見えない血

     *
 ....
思惟のふちから
言葉が崩落してゆくとき
僕は君の夜を抱き
君は僕の夜を抱く

その暗い球体の中に
守るべきすべてが
あるかのように

たとえばそこに
紅い薔薇
暗さの中では
も ....
踊っている
{ルビ歪=いびつ}な星の上で
バランスをとりながら
踊っている
踊っていないと
この星からこぼれ落ちるから
どこなのかわからないどこかへと


この星は歪でなかったとい ....
壊れた
あるいは
壊した季節
散らばる破片を
君は今は
振りむかずともよい

君が遠くを歩いているあいだに
それをそっと
継ぎ合わす手がある
月と星の光を熔いたもので
ひとつひと ....
僕らの夜をめぐる熟れた遊星
僕らの夜に降りそそぐ甘やかな流星

僕らはいつか来る終わりを
待ち望む気持ちを
ひそかに淡く抱きながら
今ひとときを寄りそう

銀の小さなフレームの中の
 ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
五線がある
君はそこに音符を置く

   それは仄昏いどこかからやってきて
   君の感覚を通過するとき
   音符のかたちをとったもの

君は識っている
その音符が
鍵盤と指とを通 ....
四月の世界が明るく亡びて
あとはただ蜃気楼がゆらめいていた

蜃気楼の中で
花は咲き 花は散り
人々はさざめき行き交い
明るく亡びた四月の世界が
まるでそこに そっくりあるかのようだった ....
この胸から一枚の
夏の風景をとりだしてひろげよう
青い湖 まわりは緑の森
そのむこうになだらかな丘々
湖には小さな桟橋 つながれている幾叟かの小舟
ほとりに小さく白い館

そこで僕らは
 ....
暗い風が吹いた
濃くあかるい夏空の下を
暗い風が吹いた

暗い風が吹いてもなお
夏空は濃くあかるく
白くかがやく雲を湧き立たせた
蝉たちは鳴き 鳴きやめ また鳴き
鬼百合 向日葵 百日 ....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る

君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る

君は踊る
 ....
ひしゃげた白い空に
ひしゃげた日暈が架かっている

とりどりのチューリップは群れ咲き
金属的に笑っている

その笑い声の中を
黙示録に腐蝕された心臓がひとつ
歩いてゆく

果たされ ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で

蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
桃いろをうつす銀 青をうつす銀
たちどころにいりまじり 夢心地

    息づく闇の何処かで
    黒髪の 解かれる気配

ほのかに 立ちまようのは
知らない花の香と
やわらかな水の ....
atsuchan69さんの塔野夏子さんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
気まぐれる- 塔野夏子自由詩324-9-27
エンドロール- 塔野夏子自由詩3*24-9-1
やわらかな墓標- 塔野夏子自由詩11*24-7-21
- 塔野夏子自由詩6*24-7-15
水へ還る- 塔野夏子自由詩14*24-6-27
水_鏡- 塔野夏子自由詩9*24-6-9
炎彩画- 塔野夏子自由詩8*24-5-11
失伝説- 塔野夏子自由詩7*24-4-29
お伽話- 塔野夏子自由詩6*24-4-7
哀しみの聖地- 塔野夏子自由詩5*24-3-29
長_雨- 塔野夏子自由詩6*24-2-23
合言葉- 塔野夏子自由詩7*24-1-27
不断の円舞曲- 塔野夏子自由詩3*24-1-19
抱_擁- 塔野夏子自由詩9*23-12-19
踊っている- 塔野夏子自由詩5*23-12-5
継ぐ手- 塔野夏子自由詩9*23-11-27
僕らの夜- 塔野夏子自由詩5*23-10-29
夏の空洞- 塔野夏子自由詩12*23-8-15
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩14*23-8-7
楽_譜- 塔野夏子自由詩5*23-1-9
蜃気楼- 塔野夏子自由詩6*22-4-19
夏の風景- 塔野夏子自由詩14*21-8-29
暗い風- 塔野夏子自由詩8*21-8-15
夜を溜める- 塔野夏子自由詩18*13-6-1
踊るひとのための連祷- 塔野夏子自由詩23*12-5-23
春の午後- 塔野夏子自由詩7*11-4-15
夏について- 塔野夏子自由詩27*05-5-23
春夜彷徨- 塔野夏子自由詩8*05-3-11

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