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何もない
私の中には何もない
かつて私の中にあったもの
一体何処へ消えてしまったのか
どうして失くしてしまったのだろう
あんなに大事なものだったのに
私の ....
ぎしぎしと影の中から
不気味な音が聴こえる
何かが私の中で芽生えようとする
予兆なのだろうか
私は闇に引きずり込まれたくはない
光の中に在り続けたいん ....
嫌な夢を見た
意識がぼんやりして現実へ戻ろうとする
でも頭も体も重くて動けない
また眠りの世界へと渡る
そしてまた嫌な夢を見る
何度となく繰り返し繰り返し悪夢は ....
「死にたい、いなくなりたい」
私はナイフを握りしめ
青白く光るナイフに滴る血をぼんやりと見つめていた
私は何度となくそのナイフで
自分の手首を切りつけていた
「自分がわか ....
ある月夜の晩
白い翼の生えた可愛らしい少女が
ある村はずれの広場にそっと舞い下りた
月明かりが優しく広場を照らす
少女は天使だった
天使は月夜が大好きだった
月の光は天使の心を和ませて ....
世の中で正しいものを見つけるのは難しい
他の人にとって正しいものでも
自分にとってはそうでないかもしれない
絶対的で普遍的なものなんて
そうそうありえないだろう
....
人間の80%は水分でできている
私は水の中に20%存在している
20%の私はいつも水の中
ぷかりぷかりと漂っている
波に揺られ心地よく
海月の様に浮かんでる
....
私を心の奥底に繋いでいた鎖
戒めは解き放たれ自由を得る
自由を得るということは
自分の全てに責任を取るという事
どういう精神状態になろうとも
自分で制御し、舵取 ....
リストカット、オーバードラッグ
鬱病患者の陥りやすい行為
気分が落ち込みすぎると
自己否定ばかりして存在を消したくなる
自分という存在が完全に無くなる
死ぬこと ....
ある新月の夜
死神の少年は広場で踊る天使の少女の姿を見つけた
死神は天使のいる広場に静かに舞い下りた
「やあ、こんばんは。ミニエル」
死神が声をかけると天使は足を止めて
死神の方に向き直った ....
自分は鬱病です。
堂々と公言できる人は少ないだろう
精一杯頑張りすぎてネジが切れた状態で
薬を飲んで何とか仕事している人
どれ程多いことだろう
疲弊して回らない ....
悲しい程に愛し
切ない想いを抱いて
募る思いは秋の落ち葉のように
心に静かに積もってゆく
どれ程の言葉を使っても
あなたへのこの想い伝えきれない
言葉にしてしまうと ....
一匹の黒猫が地下の廃道を歩いていた
今はもう使われることのない遺跡の廃墟
ここはその下、網の目の様に入り組んだ迷路
所々崩れて光の差すところもあるが
ほとんどが真っ暗闇、不気味なところだ
....
傲慢で欲張りな男がいた
金貸しをしているその男は
期限を延ばすことは絶対にしなかった
金が返って来なければ
代わりの品を取り上げた
女、子供の時もあった
男の借金の為に首を括った者もあった ....
笑顔の素敵な女性がいた
いつもニコニコ満面の笑みで
村人たちと元気よく挨拶を交わす
みんなも思わず笑顔に変わる
いつも周りを幸せな気分にさせる
強くて優しい女性だった
10年程前、女性 ....
月明かりだけで暗い森を分け入って
辿りついた小さな泉
濁りのない水は鏡の様に
僕の顔を優しく映す
清らかな水は月光を反射して
柔らかくきらきらと煌めく
光の中から小さく愛らしい妖精 ....
夜になると森の奥から
ピュー ピュー ピュー
と音が響いてくる
僕は竜のいびきの音だと思うんだ
大人達は森の奥の谷を抜ける風の音だと言う
でも僕は信じていた
森の奥には竜がいるって
....
ある雪の降る寒い夜
教会の前に小さな赤子が捨てられていた
あまりの寒さに弱っているのか
泣きもせずただ震えている
そこへふわりと死神の少年が舞い下りてきた
寒そうに震える赤子をじっと見つめて ....
幼い少女の顔は蒼白で呼吸も浅い
傍らには少女の父親と母親が涙を堪え
白い小さな手を握りしめていた
少女は朧げな目で天井を見上げていた
そこには黒髪、黒装束、黒い翼の少年が
宙に浮いて少女 ....
飛ぼう
思い信じることが大事
目を閉じれば私は大空を自由に飛んでいる
風に吹かれ
青い空に抱かれて
自然に包まれ穏やかな心地
そういつだって飛べるのだ
思ってさえいれば
月明かりの眩しい夜
少年は天使に出会った
天使は白いワンピースを着た少女で
淡い空色の瞳に純白の翼が生えていた
少年は天使に尋ねる
「どうして翼が生えているの。」
「神様のお使いをする ....
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