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夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
真夜中に、
嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
だけど嵐の音じゃなかったみたい
目を閉じている間に、
季節が変わってしまって
途方に暮れてる小さなジーナ
ふれる ....
*黒猫と少年
黒猫のいなくなった部屋で、少年は揺り椅子に腰かけてぼんやりしていた。
がたん、と二番目の窓が音を立てて、
黒猫が顔を出した。
「どこに行っていたの ....
*鉱石ラジオ
暇をもてあました少年が、ふと思いついて鉱石ラジオを作った。
黒猫はそのかたわらで目を細めてその様子を見守っていたが、
いくらたっても何も聴こえてこな ....
*蝶
黒猫の気だるい微笑みは、いともたやすく蝶を虜にする。
その静かに差し出された手の上に、青い翅の蝶がとまる様子を、
少年は頬杖をついたまま眺めていた。
「可 ....