すべてのおすすめ
座りまた座る部屋には食卓しかない
町から町へ 村が遠くなる踊り
人気のない場所から奇術機押されてくる
海も没する大穴多重に囲む筏
噴花というべき自然のわざ降り続く花粉
他 ....
火の波を挟んで無名の巡査と撃ち合う
花に占いを頼まれて謝る
意識まで跳ね飛ばされて街に着く
頁めくるごとにはっきり血を採られ
刺された腹部からほとばしる林はやく
静かに張 ....
頭を掴まれ続けて朝誰もいない寝室
耳を鳴らす 孤独がそうしたように
茶を淹れて飲んで踊って余命コトリ
みどりと鳴くにはみどりを知らなさすぎて飛行
さえずる器具を指に取り付け空か ....
クレープをキスのようだとのたまった
家出だよジャージをはいていないもん
ソニプラで見初めた彼氏プラスちっく
爪の色みんなちがってみんないい
花子たちなんかフラワ ....
(あれが僕の星)
開けられた鳥籠からっぽ当たり前
叱るという概念のない2090年
光る星は全て同じ
片足の彼女の羽のうつくしさ
き ....
対岸の踊り迫る 長い夜長い川
家系図の末端より先真紫
きりつきりつハムをほおばるこわいかれ
星が目となる交わりを好む収容者
荒涼の涼を感じている裸
石柱転ぶ遠い狐を見間違 ....
組み立てるまできっと無人の車椅子
風向きと分かり合うつま先崖までおびき出され
仮設のもの以外は道みな横たわり
カンガルーはねとばしずれるオーストラリア
虫逃がした窓思いっきり閉 ....
王の背に加湿器らしき立方体
日没を焼き付けて鮭の腹を裂く
これがメッセージ草原にひとつスパナを残し
絶唱に撃たれ反り返る背骨星を包む
少なくとも自失の空へはお迎えできない
....
忘れられない絵は全て夜明け
夜明け 太陽は冷たかった
叫ぼうと息を吸い途方にくれる
海を見て空を見て途方にくれる
立ちつくし歩き立ちつくしている
おま ....
数千万の草ばかり残る
都市の端くれとして煉瓦を投げつけ一日疲れた腕
死にもの狂いのもの見ずもの忌み
入ってくる遠のいてゆく窓、窓しめて
実家の実写ねじたフィルムにあとあかり
....
幼芽杳として育つ樹海は母
不穏な沐浴美女の背に文字かすむ国へ
観客の涙を誘いつつ植樹
あきらめて針山へ川つくるべく
電球ばらまく飛行船ひっつかんで投函
正気のサボテン連ね ....
その公園では立ち枯れて百年の昔
霞む象 連れ去られていくのはわたし
焼けたトーストごと母の血を噛む
軒しつらえる無数のケーブル吐く氷塊へ
太字五本線農道脇で息する場所
焼 ....
指伸びるあくまで体の一部として
家賃の上に成り立つ少年おもちゃにし
見知らぬマント誰だ父ではない
石油に濡れた手近所をかたっぱしからはたく
煙や土間の無色夢に見なおも横切り
....
こんにちは 人でなしです 元気です
月曜日 朝から僕は精神科
朝ごはん食べ終わったら午後七時
返さねばならぬ本から消えていく
ゆらゆらとアスファルトから蜃気楼
....
風流を語るにはちと近いぞ空
幾層もの雲の下気も触れない
提灯を連ねる紐が犬臭い
冬の射程に傾く夜の地平消ゆ
闇夜に一枚の壁が見え透いていた
台からの見晴らしに落ちんとすれ ....
縦に長い城が見え対岸であり草を刈る
拇印舐めるひとさしゆびはおかあさん
天井のゴム跡とがる
日に日に ねむるごとに
木陰から飛んで弾む砂地永遠にも似て
窓向こうは逆風 数年前 ....
出土せねば欠土とし学者母の墓前へ
閉じられた形跡のない倉へ続く道
こうも容易く陽動されては虹の赤へ
段差為すべきこと為し静かな養老院
阻む樹液 交響楽団 森を出 ....
雑多なる手足ここそこ糸を吐く
木組みの台で踊れし彼女の木工ロンド
とびらはずす
時候の挨拶 叔母が来た
荷姿でグランドピアノを弾くピアニスト
少年の青
連れ込んで
....
うわずった声まなびやの真実を話す
苦い骨に顔しかめるべき名を聞くばかり
古墳からひとを見くだすのがお好き
ボールペン立つ夜の柱として次々と
翁の衣をかぶった土砂崩れが町へ
....
電柱立つよりかからずあかるために
蜘蛛が飛ぶてっぺんからてっぺんまで
三つのことば千の手法にて一軒の小屋
黒い婿に手を取られ階段のぼる
無神の岩場でルーズなポーズをとる坊主
....
樹上のさわぎ
幹に抱かれた痕があり
夢は夢 さあ現実だ閉じたドアだ
ゴムはじける音凍てつく夜を凍てつかせ
吐き足りぬ息を満たすものが闇であれば
やましき皮膚の如き呼吸を清流の ....
都市計画 黒いビニールテープが人です
輪廻転生 蛆の姫になる籤を引く
怯えて待つ夜の八百 一部ダミー
秘境に行ったひとりの男を
行間に消す
折れたハンガー地に刺し生きた霊魂注 ....
そのバルコニー
別れを告げたおんなが
踊る場所
空に人にさしても青い傘でまたひとり
幼児と老人 網を喰い破り交わらんとす
故郷は 遠く
ギクリギクリと崩
....
闇の沸点見上げる沈殿物の朝
勢いよく回転する車
輪を砂漠で横にする
バターに国境線を引いて溶けゆく日もあれば
柱もぐ天井係不要論
ご自由にどうぞ もしもあなたが自由なら
....
暮れる無人駅に人でなしがぽつり
この街はどこからはじまる杭を打つ
死氷着く 絶海
とはこのこと
一切れはワゴンに乗せられ
て どこかへ
海鼠腸
しはらいうのみになりすます ....
人呼んで紅、職業人殺し
道が壁、マンションが床になり歩いて帰宅
ふるさとにクレーン車が来たというしらせ
十二時には金庫に戻る親兄弟
土呼びの歌うたえるオカリナの傷深く
背 ....
花瓶に茎を挿してこころ病む
病院で病が白くなっていく
触手とりわけ長くひとのふり難しく
森に棲む古老のビーズコレクション
平面になりたくて三面鏡に向かう
手のひらの水滴「 ....
新しくバス停作り待っている
めくりすぎたカレンダーの一枚に誕生日
「デザートは、別腹!」「下腹部ってやつ?」
強盗と自殺は形から入る
トランジスタラジオ突如鳴り響き聖堂転覆
....
恐竜の背に乗った彼半笑い
ティラノから逃れるすべが二百円
生き飽きたブラキオサウルス吹いた虹
ストルチオミムスの名前やや忘れ
「花を見ず一億年間生きました」
「骨に歯を通 ....
きっと死にゆく人の目に非が映り
食べ方を教えてくれれば霞でも
マジシャンのような手付きで爪楊枝
濡れている 傘も記憶も閉じている
腹ペコリ頭ペコリの職探し
ラブホテルの明 ....
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