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押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
砂糖にたかっていたアリを
靴で踏みつけた
おまえは家の子ではない
アリの巣から拾ってきたのだ
前の夜、酔った父は言った
群れは乱れ右往左往し
数十匹は難を逃れ
数十匹は幸せな表情 ....
わたしの手に
あなたの手が住み
眠り、少し起きて動くと
くすぐったいものが
わたしの中に届く

汗をかいて
わたしもうっすらと汗をかいている
守らなければならないのは
こんなに小 ....
飛び込むと
その先には砂漠が広がっていた
課長がいて
砂粒をひとつひとつ数えていた
課長
声をかけてみた
砂漠では名前で呼んでください
と言われたけれど
課長は課長だったので
知 ....
温かい光の中を
二列に並んだ子供たちが
手をつないで歩いていた
先頭の先生は
ときどき振り向いて
おしゃべりしている子や
ちゃんと歩かない子を注意する
注意された子供は
一番う ....
たてものの一番高いところから
真っ逆さまに飛び降りる
陽の光が足裏にあたって
全身が温かく包まれていく

下の方を見ると
あなたはすでに飛び降りている
足裏にちゃんと土踏まずがあ ....
うがいた
うはうがいをしていた
はははががきになるので
うがきにならない
とにははととががいるのに
はははがばかりがきになって
ときにはははははきものときものを
まちがってしまう
うは ....
バスに小川が乗ってきた
どこにも流れることのできない小川は
だらしなく床に広がった
立っている人は足を濡らした
座っている人は足を濡らさないように
座席の上に膝を抱えた
大学病院
 ....
皿の上には電灯があった
鶏肉がなかった、と
きみは言った
どうやって食べるのか聞くと
説明書をくれた
そのとおりに取り付けてみる
電灯はきゅこきゅこ音をたてた
飛べやしないのに
 ....
加瀬さんの実家にイチゴ狩りに行った
シーズンが過ぎると職場の同僚とその家族を呼び
完熟して出荷できなくなったイチゴを取らせてくれるのだ
妻も娘も毎年その行事を楽しみにしている
昨年も一 ....
 *

朝起きて色を塗る
テーブルの上にある
野菜ジュースの中を
遠くまで行くことは
とても難しい

 *

虹を壊し
虹に壊されながら
走る子どもたちの足音が
回覧板でまわ ....
きみの睡眠の中を走る
列車の軋む音を聞くと
世界が本当に
平面であることがわかる
ぼくらは座席に並んで腰をかけ
お手製の弁当を食べる
屋根の瓦が一枚落ちかかっているのだ、と
きみはさっき ....
発車ベルが鳴ると
髪の毛が風に笑ったね
誤算だったね
脚の長い女の子の
脚が長くてきれいだったね
「栞」を「おしり」と読んで
男の子がはしゃいでいたね
それはきっと僕だったね
 ....
先端のあやふやな人が
細長い話をしていたので
窓をもち歩く人が
そっと窓をしめる
何かが入り込むように
何かが出て行こうとするから

わたしは遅い夏の陸橋
レタスが逝った日のことを話し ....
疲れた、と

至近距離から
鼻毛ロケット
発射
安い惣菜
しこたまのお土産

寝る間も惜しんで
発射
紙に文字を書くような音で
バス到着
疲れた、と

乗 ....
生野菜が部屋を出て行く
生の野菜
それだけの理由で
ぼくらはたくさんの歯形をつけた

外では大切に育ててきたバス停が
音もなく
静かに腐っている
逝くものだけが優しいのだ、と
き ....
窓辺に頬杖し
少年は大きな音を立てて通過する列車を眺めていた
用事があればそれに乗ることもあった
ボックス席の窓側に好んで座り、近くにくれば
自分がいつも列車を眺めている窓を目で追った
当た ....
間違っている気がして
冷蔵庫の乳製品を並べることにする
自分に似ているものは右側に
似ていないものは左側に
それ以外のものは
バスタブに順序よく沈めていく
ひとでなし!
口のよう ....
せっかくお風呂に入ったのに
自分のからだがすっかり無くなっていた
どこかに忘れてきたにちがいないけど
いくら思い出そうとしても
ここにいた時には確かにあった
という自信がもてない
 ....
「部屋の中」がなくなっていく
「部屋の中」にあったものは
外へと押し出されてしまう
殺風景だと思ってたのに
床、天井、壁
結構いろいろなものがあったので
少しびっくりする
やがて ....
 固定された都市。流入する者と流出する者。
その背中には皆一様に大きな鳥のくちばしが
あり、そして光沢がある。鳴くわけではなく、
また、捕食するわけでもない。ただそれは背
中にあり、そ ....
横顔しかない女の人が
土木事務所の壁に
縦書きの落書きをしている

ビニル袋いっぱいに
梯子を詰め込み
狭い路地を走る子供
その影の跡を
母親が掃除しながら
やはり走る

隣 ....
竹やぶ焼けた
死体が出てきた
竹の煙に燻されて
肉の良い匂いがした
警察の人が毛布にくるんで
運んでいた
うぐいすの鳴く木の下を
真新しいランドセルの小学生が
二人、三人と通ってい ....
たべかけのくっきいに
ゆうひのはがた
これは いったいぜんたい
こんせいきさいだいの なぞですぞ
そういった はかせのくちもとから
うつくしいゆうひが こぼれてる

*

わ ....
四つの脚をたて
温度の低い床に
椅子が停泊している
いつまでも出航しないのは
その方法を忘れてしまったから
ではなく
航行すべき海が
椅子の内に広がっているからだ
水が溢れ出さ ....
THANDER BIRDさんのたもつさんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ドラえもん- たもつ自由詩9406-8-3
ブラックジョーク/ホワイトノイズ- たもつ自由詩20*06-7-24
ある、手に、- たもつ自由詩1906-7-22
決裁- たもつ自由詩806-7-16
春の遠足- たもつ自由詩806-7-13
足裏- たもつ自由詩1206-7-9
つきのよる- たもつ自由詩6*06-7-6
最初に- たもつ自由詩1806-7-1
鳴く電灯- たもつ自由詩8*06-6-25
僕たちは声を押し殺して手をつなぐ- たもつ自由詩14*06-5-28
朝起きて無題- たもつ自由詩1306-5-23
寝返り- たもつ自由詩2106-5-19
(´・ω・`)- たもつ自由詩18*06-5-17
逝く、レタス- たもつ自由詩10*06-5-16
豹、その速さで壊れるな- たもつ自由詩5*06-5-13
性教育- たもつ自由詩1106-5-11
焼き魚- たもつ自由詩7*06-5-9
- たもつ自由詩1506-5-7
からだ- たもつ自由詩9*06-5-5
部屋の中- たもつ自由詩706-5-4
断片- たもつ自由詩806-5-1
ジョーク- たもつ自由詩806-4-29
竹やぶ焼けた- たもつ自由詩606-4-26
ファザー・グース(3)- たもつ自由詩19*06-4-23
その、平穏- たもつ自由詩2306-4-18

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