すべてのおすすめ
東京のかたすみで齧る
レモンの味は
とてもさびしく
小学生のわたしは
校庭のすみに駆け寄り
朝日に似たものを吐瀉する
(バラのとげはひとつひとつていねいに折ること)
希望の春のノ ....
あの夏の星の輝く夜に君は生まれたのだよ
ずうっと後になって父がそう言った
その星のひとつを握って泣いていたのです
父の墓の前にたって私はそう言った
映る星と映らない星があるとわ ....
五月のある晴れた日
思いつきでスウィッチに触れた
何もかもが滑り出し
ある部屋に私は辿り着いた
6月のやっと訪れた静かな夜
私は揺れる影に気が付いた
いつの間に ....
すすんでゆく先には
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう
深呼吸、する
( ふかく、ふかく、吸って、
( ゆっくり、ゆっくり、吐いて、
ふりかえる
ふりか ....