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この とろけ 加減は
世界を 平和に する
かも しれない
青く広がる海を見下ろして
「ああ、青いんだな」って思えたなら
指を静かに動かして
「ああ、生きてるんだな」って思えたなら
それは紛れも無い
ジュゲムの証拠。
釣り糸を垂らしなが ....
ポップコーンを口いっぱいに頬張った後で
鼻から炭酸水を流し込むと
きっと、宇宙へと飛んで行ける
地球は青いですか?
地球は本当に、青いですか?
古代エジプトの王の墓の目の前で ....
そうだ、この街を出よう
いつかのスケッチブックと メモの切れ端
一昔前に流行ったいじめられっこの唄
キャスケット深く被って
誰にも ばれることのないように
そうだ、この街を出よう ....
めがねをかけて てぶくろつけて
髪はさらさらで ちょこっとだけ染まってて
肌は白くて うなじはきれいで
マフラーがよく似合って 頬は赤く染まって
「 おかえり 」だなんて
そんな ....
おふろ に はいって ふわふわ
ふわふわ は だいすき
いいかおり が する
でも
おふろは だいきらい
ふわふわ ふわふわ
十把一からげな速報を
薄型液晶で
まじまじと聞く
増築された
新聞に
にこやかな容疑者が
載っている
母は
やわらかな続報を
待ち望んで
スピーカーに耳を
あてる。
....
悔しいときにこぶしを握るのは
相手を殴ろうとか
この手をどうにかしてやろうとか
そういうのじゃなく
目に見えない旗を両手でしっかり
ふたつ
握ろうとしているから。
ま ....
黒い車がつぶになって 道の上から消えてゆく
山田くん、ねぇ、山田くん
君は 幸せだったのかい?
道は雨のように流れ出して
頬にも雨がつたい
山田くん、ねぇ、山田くん
....
なにごと にも きょうみを もって
いろいろ においを かいでみる
きょう は おにく の いいかおり
カルマのはじっこで
誰にも知られないように
泣いてるヤツがいるのを
ふと、みつけた
なにがあったのか、知らないけど
隠しておいて
あげるから
黙っておいて
あげるから
....
降り頻る悲鳴は
冬の朝に沈み
はち切れんばかりの
黄色は、空に浮かぶ
たまに、青白く光る
僕がいなくなってから
十五日経って
誰かが、奴は月に帰ったんだ
なんて
....
もこもこと頭がうずくので
シャープペンで突付いてみたら
きれいな角が、生えてきました
その角は
避雷針みたいに全部を受け止め
暖房みたいに暖かくなり
まるでパソコンのように忠実で
相 ....
いつのまにか、テレビの画面には
砂嵐が起きていて
そこに住むヤツらは
顔にターバンを巻いて
ラクダに乗りながら
ノイズで出来た歌を
陽気に歌っている
三十分前にかけたやかん
....
二年前にコップを地面にたたきつけた
この左手と
昨日捨て犬みたいな顔をしたおっさんを撫でた
この心を
燃えるような恋に溺れ、もがいた
この右手を添えて
みみっち ....
山田くんから、年賀状が届く
終業式の日
みんなから 住所と、名前と、郵便番号を聞いて
国語のノートの 使っていないところに
せっせとメモをしていたんだけれど
多分 山田くんから、年賀 ....
漆黒と名のつく夜に もうひとつ
名前をつけるとしたなら
僕なら 愛と名づけるかもしれない
寂しい顔も 苦しい顔も 泣き顔も
暗い この{ルビ時間=トキ}なら
自分だけのものに できるもの ....
山田くんは手を洗わない
一学期の終わりころから急に、手を洗わなくなった
購買のやきそばパンを食べるときにも
科学の実験をやった後でも
山田くんは手を洗わない
聞くとこ ....
モノクロに光る海の中で唯一
赤く照る鮟鱇が、舌を出して寝ていた
彼の口にはセピアに褪せた写真が一枚
男と女が、幸せそうに抱き合っている写真
何も言わず ただ、貪ってる
モノクロの ....
うちの親父。
親父のまくらは、マイルドセブンの薫りがする
最近は、薄くなってきた
俺とおなじで、数学ができない。
ただひとつ違う点は、意欲があるかないかってこと
洗剤会社 ....
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。
昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた
一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
真っ暗な筒、ひとりズルズルと降りてくる
あぁ、靴下がないな 枕元でいいか。
大きなリボンにぶら下がる 大きなプレゼント
さて、あと何件周れば終わるかな
袋の中を覗き見る。
....
ボクたちは 結ばれちゃいけなかった
そうね あたしたちは結ばれちゃいけなかった
彼の名前は 鰻 太郎
彼女の名前は 梅干 花子
互いの 運命に 気が付いたのは
胃の ....
昨日は {ルビ後ろ足=あし}が生えた
今日は {ルビ前足=うで}が生えた
明日には この{ルビ尾ひれ=きもち}が消えて
明後日には 本当の自分に
なれるかもしれない。
たしかにインスタントラーメンを
作っていたはずなのだが
気がつくと
鍋にあるそれは
脳みそになっていた
腹がへってしかたなかったので
無理矢理、口に運んだのだが
口に ....
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった
笑いたいならば 笑え
....
ちょっと こっちへおいで
ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を
くらり くらり と
招いて
貴方は 僕を呼ぶ
おかしを あげようね
ちり紙に包んだ
....
38.6度の熱で
静かにベッドで横になってたら
アトムやら
太宰治やら
はちべえなんかが
おでこの辺りで
なにやら難しい話しをしてた
その顔は
どれも真剣で
声をかけよう ....
枯葉がたくさん 地を這っているので
焚き火をしましょう、と
あなたが言うものだから
ボクは
ライターと 竹箒を
しっかりと 握るのです
この庭中の 枯葉どもを
全部集めようとすれ ....
キミが ボクの人差し指を
折れそうな 両手で
必死に
必死に
にぎるから
ボクの
折れそうな 心は
やっぱり 折れて しまった
キミのバイバイと
ボクのバイバイ
違 ....
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