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(不器用であることは
罪ではありません)
林檎の皮をどれだけ長くむけるだろうかと
無邪気にはしゃいでいた頃に
途切れてしまった命はいくつ
あの赤い肌をすべっていった ....
塾の講師になって二年
はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない
今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
ほら、あんなにさがしていた空が
ここにはたくさんあるじゃないか
気まぐれな
ときにはどしゃぶりで泣きついて
ときにはからっとした笑顔をくれる
ほら、あんなにさがしていた空が
....
星の言葉 降る降る
空の端から
投げかけられた 放物線
かすめていったひとかけら
こぼれて描いた その軌跡
ほんの少しを呼吸して
小さな夢を叶えるために
届くといいな 流 ....
(クスリをください)
銀のアルミの包みを破き
白い錠剤のそれを飲む
それは良く眠れるためのクスリ
他にも
不安にならないためのクスリや
落ち着くためのクスリや
発作を押さ ....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで
先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする
それはまるで子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている
と ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ
揺らぎ
心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている
言葉が
木の葉のように舞い落 ....
夕方の空には、今日が眠っている
そんな気がする
夜に溶けようとする入り口で
わがままな僕はうずくまる
何かを忘れている
そんな気がする
ひとりひとり
今日話したいろい ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに
たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする
弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃
閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく
そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです
最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
雨があんまりたくさん降ったので
ひとつふたつと数えるのもあんまりだと
仕方なく濡れてみる
そうでなくとも独りは淋しく
雨雲は灰色の陰から
あれはきっと汗や涙に似たもので
此処は海に ....
夜空を歩いて
辿り着けない世界へ連れて行ってよ
「夢は夢のままでいるほうが幸せなんだよ」なんて
もっともらしくいい加減な返事を
待ってたわけじゃない
だって僕らは
激動の時 ....
体の芯に残った熱と
反発する冷やされた肌
生きることに必至なだけの
気化してしまいそうな
僕を鎮めるように降る雨は
まるで誰かの変わりに
泣いているようだね
....
ほんのささいな言葉でも
心がこもっていればいい
ほんのかすかな響きでも
僕を覚ましてくれればいい
ほんのささいな優しさの
心のこもった言葉があって
ほんのかすかな響 ....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった
木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった
海は穏やかに荒々しく
....
わたしの中に棲む鬼が
すっかりいなくなったわけではないだろうに
心はずいぶんと穏やかで
すべてが夢であるかのような気さえするのです
病院の自動扉を抜けると同時に
曇天から吹き下ろされた風が
湿 ....
ふらり立ち寄ったデパートで
行くあてもないのにエレベーターに乗ってみた
中にはエレベーター・ガールがいて
きまり文句で言ってくる
「上へまいりますか?下へまいりますか?」
「特にきめていないのです」 ....
君が綺麗な貝殻が欲しいというので
もう夕暮れだというのに海へ
そう人工海岸だったけれど
すっかり自然が染み込んで
目を凝らせば小さな小さな生き物もいる
クラゲもゼラチンの肌で打ち上げられ ....
わたしは先生をやっている
算数、国語、理科、社会
みんな教えている
それはきっと
わたしが彼らより先に生まれたからだ
子供たちは勉強をしている
将来の夢を尋ねても
返 ....
もうちょっとなんです。
海鳥の白い背中が雲間からこぼれる陽を滑り、調度波の波長と重なるようにゆるやかに漂っているのを見ました。
(白い午後)
波打ち際には、打ち上げられたクラゲがゼラチン ....
砂浜で波とたわむれる
あなたを見失ってしまいそうで急いでかけよった
あなたの白をたどれば
その薄紅色の唇に広がってゆく海が見えてしまう
景色はうっすらと朱に染まろうというのに
....
森の寝息が聞こえる夜
小さな生きものの見る夢は
無塵の砂丘にしみこむ雨の
蒼く芽ぶいた花の種
明日を知ることが堅く閉ざされている
明日を知ることの恐れを知っている
....
「ありがとう」という詩を書こうと思った
普段うまく言えない言葉が
胸の奥でうずくまっている
いま目の前にいる人に
何か理由をつけて言いたくなった
「ありがとう」
たった五文字の言葉を
僕は ....
夜のネオンきらびやかな街の一画
あのストリップ劇場で出会った君に
僕はもう一度会いたかった
七色のミラーボールの下で
ピンクのランジェリーは様々に色を変え
君の肌もそんなよう ....
いち
にい
さん
しい
ご
たとえば
「ありがとう」と言う前に
五つ数えたいくらいの想い
最近
僕らの会話の間には
「確定申告」という言葉が良く出てくる
娘は
そんな僕らの会話を聞いていて
いきなり
「かくていしんこくってなーに?」
なんて聞いてきた
僕は ....
昨日ひろったきれいな小石
たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください
そんな 淋しさ
....
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした
「うちは見せるだけじゃないからさ」って
一番前に座って待った
クリスタルライト ....
銀猫さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(167)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「林檎」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
07-2-8
「ありがとう」と言わせない
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
07-2-6
「空がある」_(子供達へ)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-1-25
「星の言葉」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-12-29
クスリをください
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-12-16
「自殺志願の子供たち」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-11-27
ときどき僕は、まだ羊水の中で
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-10-1
「揺らぎ」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-9-20
「夕方の空には、今日が眠っている」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-9-5
「弱酸性のあなたへ」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-9-3
まるで難しいパズルのように
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-8-20
暑中見舞_(旅先より)
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-8-18
雨があんまりたくさん降ったので
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-7-19
「夜空を歩いて」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-7-7
夏_雨_夕立
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-7-6
「そして言葉が支えてくれる」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-7-2
「もっと広く感じるんだ」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-6-30
鬼の棲む場所
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-6-21
「エレベーター・ガール」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-6-12
貝ひろい
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-5-24
「今日という日に」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-5-9
もうちょっとなんです
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-4-29
「どこまでも白い海」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-4-22
今宵小さな星が降る
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-4-18
「ありがとう」という詩を書こうと思った
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-4-14
ストリッパー_(2)
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-4-12
言葉にならない想いをこめて
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-3-28
確定申告
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-3-14
もしかしたら嘘かもしれない
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-3-11
ストリッパー
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-3-5
1
2
3
4
5
6
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