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目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった

(いーち にーい さーん)

ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと

(しーい ごーお ....
「サンタマリア」

僕は神様の名前を
あなたしか知らないけれど
僕は神様の存在を
信じたことはありませんでした

「サンタマリア」

僕にも名前があるけれど
あなたは知って ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
聞こえるはずもない
花のつぼみがひらく音

それが優しい歌に聞こえて


蝶がちゅるりと
その花の蜜を吸うとき

それが優しい歌に聞こえるから


ぷーんと飛んできた蜂が
そ ....
そこかしこに扉はあって

それは
いろんなところにつながっている

何気ない会話の
ほんの小さなやりとりにも
そんな扉がひそんでいるから

いつでもどこでも
特別を感じられるんだ
 ....
その小さな身体には大きすぎる
僕の白いYシャツを着た君を見て


窓に浮かぶ思い出
ある日ならんで歩いた海岸で
せまってくる白線をとびこえては
水しぶきをあげてはしゃいでいた


 ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
なんとなく気分のいい日には

枝を揺らす風だとか
キラキラした川面だとかを
鼻歌にして口ずさむ

そうやって

枝を揺らす風はやさしいなぁ
キラキラした川面はきれいだなぁ  ....
交差点の真ん中で
すすむ方向を見失う

ゆらりゆらぐとき
ふわりうすく浮き上がる
今を引きのばせば

わずかな希望を羽にして
けして上手くはないけれど

音なく羽ばたく
儚く ....
自転車にまたがれば

ペダルにのせた足と
地面を蹴るかわりに
転がってゆくタイヤ

地球がまあるいのは
教科書でしか
知らないことだけど

その時生まれる風が
何処から吹いてくる ....
台風一家のパパは風、ママは雨

一人息子は快晴で
パパとママがいないとき

僕らをそっと照らしてくれます
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
線が
小さな点の集まりだと知ったのは
まだ恋なんて知らない
幼い頃のことでした

とぎれとぎれに
一つ一つの出会いがあるように思えても

振り返ればなぜか
すべてがつながっているよう ....
じんべえって
まるで人の名前みたいだ

こんな夏の日に
すっかり涼しい顔をして
遊びに行こうって言っている



(ほら、じんべえ
 祭りばやしがきこえるよ)



ふわっ ....
まだ幻になるには早すぎる夏

したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる

昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている

そしてゆらりと
行き過ぎる ....
焦らずに生きよう

吸い込んだ空気の味を確かめるように
君は口の中でその言葉を噛み砕き
ため息に混ぜて吐く

空のむこう

酸素のない宇宙空間に
君の知らない自由があるとしても
そ ....
忙しいと言いながら
忙しそうにしている人がいた

忙しい毎日が嫌だとぼやきながら
忙しいのは何故かしらと呟きながら

忙しさから解放されそうになると
忙しく何かを探しはじめる

忙し ....
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは

自分の心だと気づいた

小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと

心で描いたからなんだ
 ....
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから

少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました

悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど

晴れわたる空に喜びは
 ....
気がつけば
見上げるのを忘れるほどの暑さ

八月の太陽は
僕の服を一枚ずつ脱がしてゆく

ぜんぶ脱ぎ捨ててしまおう

そう思えるくらいの
光線を放っていたはずなのに

いつの間に ....
空を飛びたいわけじゃない

からだいっぱい手のひら広げ

君を受けとめたいんだよ
少し湿った空気のせいにして
ずっと見つめていられない

まばたきするのと同じ一瞬で
咲いては散る火の花は
たくさんの星を集めたように
火薬の匂いをひいて流れてゆく

ほら
星が夜空に ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました

(淋しさというものは
 そんなささいなところに隠れていて)

窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
つくんと

ときおり胸で感じる痛みを
悲しみのせいだとは
思いたくないから、僕らは
うたおうとする

好きな歌を

思い出せないフレーズで
立ち止まってはいけないと
覚えてるとこ ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
みずいろの風に吹かれて

すこしだけ早まった鼓動が
うなずくように合図をしたら
それが夏のはじまりでした

手のひらでつくった影に
割り込むように差し込んでくる
陽の眩しさを避けて木陰 ....
街が夕焼けに染まるころ

通勤快速を降りれば足早になる
車内の熱気にゆであがってしまった
君はきっと
夕方の空気が好きに違いない

商店街を駆け抜ける自転車に
危うくひかれそうになって ....
あの日
僕はふらっと出かけたそうだ

何処にも行けない身体で
何処に行けるはずもないのに
何処かへ出かけてしまったそうだ

(言葉を忘れるということは
 そんな遠い旅に出ることに似てい ....
目の前を何回か通り過ぎたと思ったら
いつのまにか腕の中にいた

陽だまりのなか
生まれた熱をくるむようにして

うっとりと瞳を閉じたのは僕の方だった

     
銀猫さんのベンジャミンさんおすすめリスト(167)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼくは鬼ごっこの名人だったんだ- ベンジャ ...自由詩13*05-9-9
神様の名前- ベンジャ ...自由詩6*05-9-8
空を飛ばないダチョウにも翼がある- ベンジャ ...自由詩13*05-9-6
それが優しい歌に聞こえる- ベンジャ ...自由詩11*05-9-5
どこでもポエム- ベンジャ ...自由詩10*05-9-3
Yシャツと君と- ベンジャ ...自由詩9*05-9-2
夜の地下鉄は海の匂いがする- ベンジャ ...自由詩53*05-8-31
鼻歌- ベンジャ ...自由詩12*05-8-28
カゲロウ- ベンジャ ...自由詩10*05-8-27
夏をのせて- ベンジャ ...自由詩6*05-8-26
台風一家- ベンジャ ...自由詩4*05-8-26
ひとつ足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-8-24
点と線(そして座標)- ベンジャ ...自由詩12*05-8-22
じんべえ- ベンジャ ...自由詩9*05-8-22
陽炎- ベンジャ ...自由詩13*05-8-18
空のむこう- ベンジャ ...自由詩8*05-8-16
忙しい人- ベンジャ ...自由詩13*05-8-13
鏡の前で- ベンジャ ...自由詩9*05-8-12
空色の絵の具- ベンジャ ...自由詩17*05-8-8
八月の太陽- ベンジャ ...自由詩6*05-8-5
ムササビ- ベンジャ ...自由詩5*05-7-31
花火の花びら- ベンジャ ...自由詩11*05-7-26
雨が止むのを待ってます- ベンジャ ...自由詩14*05-7-26
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
そうやってうたえばいい- ベンジャ ...自由詩17*05-7-14
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩68*05-7-3
夏のはじまりはいつも- ベンジャ ...自由詩9*05-7-2
そのスピードで- ベンジャ ...自由詩7*05-6-28
ただいま- ベンジャ ...自由詩9*05-6-13
抱き猫- ベンジャ ...自由詩11*05-6-7

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