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  先生、ハグしてもいいですか?

あたしは 部屋に入って
口を開くなり言った

E先生は 少しとまどいながらも
椅子から立ち上がり
あたしのハグに
やさしく腕をまわしてくれた

 ....
「寒い」
と言って俺の袖を引っ張る君の手を握り返す
「あ、別にそういう意味じゃないの」
振り解かれる手
お前は平気でそう言う事を言う奴なのだ
きすしてほしい
きみのきらいな
こんにゃくも
しらたきも
なまたまごも
なまざかなも
はんじゅくたまごも
ぜんぶたべてあげるから
ぼくのくちびるとしたをかんで
やさしくゆっくり
や ....
積み重なる年月の
日々の出来事は
何一つとして繰り返すことなく
情の起伏が不規則に
時の流れの中に
ゆっくりと沈められてゆく

積み重ねてゆく年月の
今日の想いは
何一つとして定まる ....
あたしはただの女だけど

二つの腕があるので
あの人を守ろう思う


あたしはただの女だけど

撃ち込める弾丸はないので
あの人に言葉を込めようと思う


あたしはただの女だけ ....
惰性的な円グラフよりも
    もっと見栄えのしないのは
       妥協的な帯線グラフです

妥協的な帯線グラフより
    もっと見苦しいのは
       安逸的な棒線グラフです
 ....
かみさまなんていない
かみさまなんていない


またふゆがきたよ
てをつないでくれるきみがいないのに
なつはすぐにおわってしまうんだ
いつだって


ゆきがふるのはうれしい ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので

義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
お風呂上がりに
冷蔵庫を開ける
とっておいたプリンが
どこにも見当たらない
「あれなら食べちゃった」って
とっても楽しみに
してたので

ケンカ しました
プリンのことで
ケンカが ....
いつもの時間に仕事を終えて
いつもの足取りで駅へと向かう
信号が青になるタイミングも昨日と同じで
駅の階段の一段目を踏み込む足もやっぱり右足だ

いつも8輌目の真ん中に乗る
東西線への乗り ....
今居る場所を
具体的に説明
することが
できるだろうか

東から太陽が
差し込む山手線内
七号車中央出口付近
代々木原宿間

つり革につかまる
ぼくが居る
 ....
夕焼けを背負い
黄昏に影を映して
今日を振り返らず
明日を思う事も無く

時に早足で
時に立ち止まり
ふと見上げると
涙が滲むのを知る

何を失ったか
何を拾ったか
時が背中を ....
連なったテールランプ
眺めながら立ち尽くす

昨日吐いた言葉
今日待ち惚ける時間

振り返る機会に恵まれるほど
自分が切り裂かれて行くようで

冬が深まるほどに
褪せて行く街路樹が ....
とどける。せかいのどこかでいきをころしている君の
ために、ひとつのうたをとどける。君がなにものなの
か、だれにもしられていなくて、しられていないこと
は、みたことのないけむりのようなかいかんでも ....
詩集をね、つくるんだ
みんなに渡せるからね
少し黄色い紙ならね
目もちかちかしない
はずさ
知って欲しいからね
僕のことを
これから伸びてゆく詩人だからって
今知ってほしいのは
僕が ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます

行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます

街の真ん中にある ノートルダム聖堂の

ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に

 ....
そのころ、と言っても今でもそうなんだけど
僕の遊ぶベースは六本木で
ヒマがあるといつも
終電でやってきて始発で帰る日々を送っていて
仕事の知り合いよりもこの街の知り合いのほうが多いとい ....
  ――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために


?

たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
屋上から見える裏山の
天辺にかかった雲から
差し込んだ陽射しを眺めて
少しだけ休んでいこう

疲れきっている訳でもなく
悲しいって程じゃなくて
緩やかな風に煽られた隙間から
時どき覗い ....
水のあぶくが上り
木々の青が落ち着かせる
空気が美味しい
虫たちの声

わだちの上を自転車で
走る。
輪投げの中に玉を
落とす。

カトマンズはどこの首都!
ネパールでしょう。
 ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋

殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
紙の上
の白

の下の


ね重なる
行為ゆえにさらに
かさねては文字盤の上の
ほこりのよにかさかさと動いて
何度目かの憑依、幾度目の翻意よ、とろりくずれて
紙の上とどまり ....
真昼の公園で木漏れ陽を浴びて 
癒える筈のない悲しみのことを考えていた 
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の 
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく 
 ....
雨が降っている

傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
止むのを待ってみようか

雨が降っている

傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
冷たくなるのもまたよし


 ....
早朝の
夜が やっと明け始めるころ
眠りから覚めた
鳥たちが挨拶を交わし始めるころ
色白の
肌が青白く影を帯び始めるころ
私は、

私自身の気配にかすかな境界を感じ
縁側でぽつねんと ....
「嗚呼、空が落ちる」

「落ちる筈がないだろう」

「あの水溜りを御覧よ、ほら空が、」



ソラガオチル



「水中遊泳とでも洒落込む心算かい?」

「なにが ....
死んでもいいけど死にたくない
死にたくないけど死んでもいい
お前が恋しくお前憎い
お前憎いがお前が欲しい
どっちにつかず揉まれに揉まれ
離れちゃくっつき揺り返し

自分は素直なん ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
午前三時、音楽は鳴り止み――
無人の街が点滅している


冷えた空気、星も隠れ――
乾いたタイヤの音が通り過ぎる


絶えず掘り返され埋め立てられる交差点で
電光掲示板がリズムを刻ん ....
知恵を運ぶ美少年が
いつしか薬漬けの老青年と化し
やっぱりそうかと言われそうなことに
人生の階段を転げ落ち
崖っぷちです

誰か助けてください

神様が私をひょいっと盆の上に乗せ
へ ....
結彩さんの自由詩おすすめリスト(60)
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