かみさまなんていない。
有邑空玖
かみさまなんていない
かみさまなんていない
またふゆがきたよ
てをつないでくれるきみがいないのに
なつはすぐにおわってしまうんだ
いつだって
ゆきがふるのはうれしい
どんどんふりつもって
このまちぜんぶのみこんじゃって!
そしたらなにもみえなくてうれしい
ぼくはひとりぼっちじゃなくなる
でんせんのうえでからすがねむっている
こうもりはおうちにかえった
ぼくにはいくところがない
かえるところも
かみさまなんていない
かみさまなんていらない
だれもたすけてくれなくていい
ゆきがふって
ふりつもって
みんなみえなくなればいい
あたたかいてのひらのぬくもりも
いつかわすれてしまうんだから
だれもたすけられないような
かみさまなんていらない
いらないんだ