すべてのおすすめ
夜蜘蛛は一晩経つと朝蜘蛛に
こっそり生まれ変わってた
死なずとも生まれ変われる事を
こっそり僕に教えてくれた
指に指の毛が生えていること
永いあいだ、すっかり忘れていた
まだ僕に夢も希望もあったころ
いつかの祖父らと田植えをしたのに
日々に少しの余白を
どうか忘れないでいてね
なんにもしない日とか
空ばかり眺めていたりとか
そういう
一見すると無駄のような
切って捨ててしまいそうな
だ ....
君が教えてくれた勿忘草の花言葉を忘れない
ううん、そうじゃなくって、
勿忘草の花言葉を教えてくれた君を忘れない
寒夜の洗面所に、固形石鹸は芯から冷え、それは無垢な恋人のよう。
悪事に染まった我が黒き掌でよければ、優しく包んであげましょう。
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
その蜩は、おそらく、その日暮らしで生きておられる。
その鳴き声は、その日一日のための鳴き声ゆえに美しい。
病床の旧友よ、それでもなお、夏への憧れを失わずにいておくれ。
学び舎は今でも坂の上に、サイダーは学食の自販機で冷えているよ。
背番号は貰えなくとも肩甲骨は八の字だ。
誰かに与えられずとも最初から持っていた。
木曜日の木は水曜日の水を吸って立派に育ちます。
木曜日は水曜日から生命のバトンを受け継ぎます。
生きている限り、誰もが何かの生き証人なり。
今日の空が青かった事、いつか共に証言しませう。
おーい、どっかの国の、どっかの裏道に転がる青い小石、よく聞け!
いつか僕に拾われるその日まで、君は君の青さを失わずにいておくれ!