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霧を燃して
橋を渡る
斜めの羽の
風はらう午後
遠く枯れた森を乗せ
空と地の歪みは波打っている
二本の指でひらいた手帳に
交互につづく文字と焦げ跡
....
消えかける
蝋燭の火に
あわてる
誰も来ない日
菓子だけが
華やいでいる
もういいから
そう誰かに告げられたかのように
途切れている
数十年に一度 ....
頬つたう流れに小指吸われつつ鏡のなかの老いを見つめる
死にかけた小鳥を隠す藪はいま蕾の波に覆われており
窓たたく冬の名残りをふるわせて排水口をふさぐ髪の毛
....
数えきれないほど多くの
手首のかたちをした炎が
夜の空をまわりつづける
見える夜 見えない夜を
讃えつづける
原を越える雨
石の絵文字に咲く花
森をまとった遺跡の ....
原に舞う少女の肩に髪の毛に見えない蛇がうずくまる午後
くずおれた樹と鉄塔は野に沈み過ぎゆくものの夢をみている
花ひとつ口に含んでまた戻し蛇と少女の無言のくち ....
この世界のどこかに
わたしにならなかったわたしがいて
やはり ひとりで歩いているなら
おそらく わたしは
声をかけることができないので
せめて すぐ前を歩いてゆく
少しで ....
曲がり角に沿う壁を
鳥の影がすぎてゆく
風のない午後
一羽の午後
少ない雨が来ては去り
灰は薄く街にひろがる
置き去りの光
置き去りの火
黄緑 ....