小さな子供たちは
小指で誓う
幼稚園の無花果の樹の下で
色づく頬はうふふと笑う
遠くで鳴るオルガンはメヌエット

大きな子供たちは
唇で誓う
通学路を外れ孤独を埋めるものは二人以外には ....
君に対する僕の心は

ほとんど愛で


蝋燭たてとか

傘たてとか


ドアノブとか

靴べらとか


そういうものに

僕はなりたい


 ....
紫煙のゆらぐ、香りの残響

異国の音色のたたずまい

赤と金をまといし霧の楼閣

ゆらりとまわるガラス化粧




ほとりに見える発光に

キミの越えた山々をおもう ....
             2007/04/02


椎の木林のすぐ傍に
小さな小山がありまして
小さな杉の子育ってた
育って育って大きくなって
美しい御国のためになりますと
 ....
せんぷうきはとばない 亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい

+

かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている

+

カンガルーが直立したまま
波音 ....
たまには 人を描いてみたいナ、と。


音楽を持った人、それで
赤ちゃんの丸みを内包している、
肩をいからせた男、それで、
右手を失くした、それで、
ピアノを身体 ....
二階から、
木漏れ日が差し込む無人のロビーを眺める。
これがぼくの仕事なのだと言い聞かせながら。
それから退屈が巻き起こす余計なものに
飲み込まれる。書類にじっと目を通す。
窓の外からまぎれ ....
波打ちぎわに
光る、{ルビ蟹=かに}
蟹をみていた、飴色の

もう、よしてしまおう

人間なんて、よしてしまおう
人ふいに春の水から石拾ふ


うららかや友うつくしく疎ましく


花冷や行方不明の恋敵


ボンネットに足跡残し春の猫


春嵐緑の騎士を連れて来よ


花冷のされど ....
パンのみにいくるにあらずとパンなしではしんでしまいますよ

数えれば29個も
もっと切ってひらいてつまんでいけばたくさんの
おれを連ねてきたものだなあ

たてに

たてだけにかさねて
 ....
折りたたまれてゆく季節は
いつか振り返れば
一瞬なのかもしれない
湧きいずる水におされて
いま
雲母のいちまいが
なめらかに遠ざかる


使いきれなかったノートの白さ
描ききれなか ....
指一本動かないほど疲れきって眠りに落ちる時に
おっぱいのことを考えているのは誰だ

泥のように眠りながら夢の中でも
おっぱいのことを考えているのは誰だ

朝起きてなによりもまず最初に
お ....
いまここに
来たるべき夜の紺青は
誰しもの
奥深くに眠る
逃れられない
悲哀の色をして


春はいつのときも
悲しみ覚えたかたちを
おぼろに映すから
すこし涙もろくなる

さ ....
カマンベールを食べ
ロゼワインを飲む
ガラスのように
砕けそうな心

つまらない事に感動し
つまらない事に涙して
耳元でささやいて
つぶやいて

ありがとうは
心の潤滑油
笑顔 ....
 冴え渡り 裸木連なる砂大路
 赤下駄の大小 足跡は縄目模様

 指しゃぶり 零れた涙は飴玉
 頬拭う唇は 紅汚れ残し

「母様は水底に嫁いで去った」

 有明月 呑み込み 囁く
  ....
折れた枯れ枝に添ったまま
消えていく水時計を持つ土色の葉

陽射しを後にした地の床への風くぐり
通りの方から聴こえる小声

渓谷は乾き こぼれた石
切れた羽に 埋め込まれ

飛ぶ ....
すくわれた
一匹の蜜蜂の羽音
渇いた微風にそよいだ
草木の乱れ
鋭い鎌をたずさえた
物を乞う義足の少年
まちかまえる
一頭の蝶の不確実な飛翔
その美しい軌道
転々と巡礼を続ける修行僧 ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
わたしがメキシコへ行くのなら

まずメキシコを思います


わたしが右へ行くのなら

まず右を向いてみます



行きたいところがあるのなら

行きたいところを思います

 ....
たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
私はここにいたんですよ
時にはそっと問題を解くけれど
街灯が点いたり消えたりするから

羽のように笑っています
千切れた場所を見せびらかして
添い寝に意味なんてないのに
ベッドはやたら飾 ....
やまない雨は無いけれど
曇らない空も無いんだね
だから天気予報は当てにならない

明けない夜は無いけれど
暮れない昼も無いんだね
だから光が必要なんだ

悲しいなんて言わな ....
裏庭で流木を見つけました。

流木なので、
どこからか流れて、
どこからかこの庭に、
流れ着いたのでしょう。
流木はぐっしょり濡れていて、
近づくと強い潮 ....
長い年月を波に洗われて打ち上げられた
流木のように古びた椅子に座っている
おまえがいるだけだった

正午の青空のした 影もなく

呼吸さえ 受動で
降りかかる陽射しに ....
盆梅や骸の幹に紅が寄り 今から進む時間の中

時計の針は常に右回りでまわりつずける

嘘ついて傷ついた僕の肉体は

ボロボロになって間接がギシギシと

不気味な機会音と共に鈍く動く

ヒカリの ....
あの子はとても臆病

電車に乗ることすら
躊躇してしまう
きっと
知らない世界に行ってしまうに違いないわ、なんて

あの子はとても臆病

食わず嫌いばっかりして
チョコレートは ....
さいはての地にふりつむ雪のごとく君と重ねる想いは純白


車窓より眺める赤のグラデーション眠れる君の夢に届ける


冬景色 北国の海 雪と星 その中にいる君と私と


ゆるや ....
{引用=
雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました


「雪睫毛」


二〇〇六年 十二月 三十一日 大 ....
黒田人柱さんのおすすめリスト(208)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誓い- さくらほ自由詩18*07-4-3
君に対する僕の心は- 水在らあ ...自由詩56*07-4-3
ドナドナ- わら自由詩12*07-4-2
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はね- R自由詩307-3-31
かなしみ- たもつ自由詩37*07-3-31
78×109の黒紙に- ヨルノテ ...自由詩107-3-31
出張- プテラノ ...自由詩7*07-3-31
春の蟹- 佐野権太自由詩15*07-3-31
花冷- 渦巻二三 ...俳句7*07-3-30
TOAST- 水町綜助自由詩17*07-3-29
青いピースサイン- 佐野権太自由詩34*07-3-29
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩507-3-28
夜光- LEO自由詩36*07-3-27
1日の終わりに- ペポパン ...自由詩6*07-3-26
月砂- 黒山羊自由詩107-3-26
古蝶石葉- 砂木自由詩16*07-3-26
未完のマントラ- もりおか ...自由詩11*07-3-26
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
針路- ポッケ自由詩4*07-3-24
- たもつ自由詩42*07-3-24
路地- 木葉 揺自由詩13*07-3-20
「」- 1486 106自由詩6*07-3-20
「_流木。_」- PULL.自由詩16*07-3-16
キス- 水在らあ ...自由詩32*07-3-16
息吹- ポッケ俳句2*07-2-18
右回りの時計の法則- こめ自由詩1107-2-17
あの子はいろんなことが怖い- lazy自由詩12*07-2-15
返歌・北国にて- 落合朱美短歌1507-2-14
創書日和「雪」_雪睫毛- 半知半能自由詩1207-1-31

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