まもなく一番線に東京行きの快速電車が到着します
あぶないですから黄色い線の内側でお待ち下さい

まもなく二番線を特急電車が通過します
あぶないですから黄色い線の内側にお下がりください

 ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて 
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の


水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
{引用=

夏の
それが 終わりを告げようとして じっ と
こちらをみてたゎ

こちらの
このあたりは 足りなげなのに
幾つもの
てん
を 爆ぜながら こと惜しげに

みてたゎ ....
あのひとのまちは
晴れるだろうか
あのひとのまちは
曇りだろうか
あのひとのまちは
雨だろうか
………

あのひとの季節には
どんな花が
咲いているのだろう か




 ....
私の詩には
ディテールがないの
ってもう
はいはい
って感じです
われながら

ただ
選択肢は選択しで
死か
詩か
選ぶのだと気づいた
意外に賢いでしょ
えっへん


 ....
冷たい朝がある
それは今日も、昨日もでした
重ね着をする時間はどこに、あるでしょう
時計の、静かに通り過ぎる時計の裏を
揺らしてみても、なにも落ちてこないので
腕を組んで、息を吐きます

 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
 月曜日とにかく光射すバスの窓際に座って
 手のひらのにぶい氷が溶けてゆく
 仮死状態でありながら
 勃起する
 なくした心臓の空白
 暗闇からきわだつ白い幹を
 幼虫 ....
透明な夕日が

沈む速度で赤方偏移


鎮魂の落日か

この国の落日か


ただあかく


遠ざかるほど


そう


遠ざかるほど
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
乳白色の
血を流す
草の名を忘れてしまい
野原にからだをうずめた

満天の星の鎮魂歌を
あすの朝の火に{ルビ焼=く}べて
壊れた時計の可燃率とともに眠る

忘却は
時を経るごとにや ....
出涸らしのような夏が
のっぺりと緑に張り付いている

季節も針を進めるのを忘れたようで

時がとわに 流れていく

生まれ落ちた時代の旅人

その想いは 積っていく

 ....
あれ、おかあさん

この花火どうしたの、もらったの


今日はけんちゃんの命日だからね

買ってきてもらったんだよ


こんな暑い日だったのですか


いや戦死公報に ....
蒼空と云う檻に閉じこめられて居る
手に触れるのは薔薇の棘や蔓草の葉
足下の土はひやりと冷たく
……いつから此処にこうして居るのだろう?



一切の物音がしない透明な檻の中で
 ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
ごらん、


イルカが橋を飛び越えて行くよ。
蓮の花 庭で静かに 散りぬるを
      かくも美しき ものぞと 眺むる


死に人の 紅き血を吸い 染まりゆく
       桜の悲しみ 色にあらわる


純潔と 名づけられた 白 ....
かた恋の
独り善がりの慰めに
きみの好きなうた口ずさむ


思い出も記念日もなく
日は過ぎて
こころだけが同じ温度でいる


繋がれぬ
きみの掌に思い馳せ
ひとり秋染む
 ....
誰かが夜中にノックした
コツンと一度きりノックした
ドアの後ろからそっと覗くと
蛍光灯の通路が白く乾いている
あるいは秘めごとの嫌がらせに
甲虫が当たっただけかもしれない

ベトナムの木 ....
ヨークシャーテリアのくしゃみ。夏の風。塩素の匂い。嬌声。虹彩。



深い緑。蝶のような。蝶のような。流水。涼風。深い影。



内臓。ガラス瓶。牡丹。薔薇。迷走。精錬。製造番号。
 ....
もうひとり詩人が欲しいわね
彼女が言うから
もう一人生むことにした

{ルビ同胞=はらから}は多い方が賑やかだ
哀しいときは
兄と妹で手をとりあって泣くのだ

経費のことはまかせな ....
このままこのまま
どうしようかな?
ほそい雨足 夜まで行こうか
どうしようかな?
日も暮れる
あしたの風も吹いてきたので
かえろうかな?
ゆこうかな
なぜ 木に豆が生るのですか?

少しだけ大人になって習い事を始めるようになったある日のこと、
黄色い葉っぱの降りしきる中に硬い何かを見つけました。
くるくると指先で遊ぶ葉を見ているのが好きでし ....
その階段は
まぎれもなく階段であった

手入れの行き届いた草木

光を反射する 白の像

そこは
入り口にも満たなかったのだ

まぎれもない階段の途中
この両目は 
 ....
作者 : かえるのこ
原作者 : かえる
かえるは かえるのこ のために 今まで持ったこともない筆を手にした。
実のところ
かえるのこは この作品で 鳴くことを覚えた。

{引用=

 ....
桜降る あの 朱色に染まる門前で
逝き 生きと 別れたというのに
あなたは 私の夢の中で
「君の傍にいるよ」とか
「守ってあげるよ」とか 言うのです。


幸せだった一日の終わりに
 ....
 鉛筆と 紙だけ

 それだけで 私はもう満足です

 後は 歩き出すだけ


 何も無い 場所へ

 私だけの 場所へ


 公園へ行った 子どもがいた

 別の ....
もう
鋭いところまで、
来てしまっている。

人々は、
気付いているのであろうか。
虚空は、
妖しく、うねりながら明滅している。
あさっての老人は、
{ルビ落葉=おちば}に手を合わせ ....
嶋中すずさんのおすすめリスト(315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
退黄色の快速電車- あおば自由詩6*05-9-19
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はぜ_の_み- ひより未詩・独白8*05-9-15
花のひと- こしごえ自由詩7*05-9-13
ディテール- 簑田伶子自由詩10+*05-9-13
冷たい朝がある- 霜天自由詩805-9-13
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
入沢康夫(「現在詩」の始まり)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*05-9-12
匿名- カンチェ ...自由詩305-9-12
9.11_落日- たりぽん ...携帯写真+ ...12*05-9-12
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
忘却曲線- こしごえ自由詩15*05-9-11
*夏だった*- かおる自由詩6*05-9-10
花火- あおば未詩・独白11*05-9-10
廃園にて。- 有邑空玖自由詩9*05-9-9
ディスタンス- 望月 ゆ ...自由詩16*05-9-9
台風一過- 携帯写真+ ...2205-9-8
- 三架月 ...短歌1*05-9-7
恋がるうた- 銀猫短歌7*05-9-5
降霊- 大村 浩 ...自由詩10*05-9-2
暗室。眼帯。- ふるる短歌9*05-9-2
月夜- あおば自由詩12*05-9-2
ゆうしぐれ- ひより自由詩5*05-9-1
ぎんなん- ひより未詩・独白9*05-8-31
逆光の丘- 千波 一 ...自由詩16*05-8-31
"はじまりを残そう"そう_思った- ひより散文(批評 ...4*05-8-30
降る夢- 千月 話 ...自由詩11*05-8-28
スケッチ- シギ自由詩205-8-28
ブランコ- こしごえ自由詩16*05-8-26

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