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虚ろな瞳をした、縫い包みの少女。力無
く、窓辺に凭れて。部屋のドアを開いて
入って来た少年は両手にかかえ、胸の蓋
を開いた暗闇の燭台に、マッチの灯をと
もしてそっと、窓辺に戻す。
窓外に ....
今迄のオイラは
少々の向かい風が吹けば
へこたれて
縮んだままになっちまう
ひ弱な{ルビ御玉杓子=おたまじゃくし}なのであった
物語の続く台本を、いつも
何処かに投げ捨て ....
すべてに嘘をついていると
思ってしまうような
意気地なしの日がある
そんな日はいっそのこと
大事な人にも
くるりと背を向けて
誰にも見つかることのない
秘密の場所のド ....
故郷の坂道を曲がりくねって下る途中で
あの日の野球少年達が歓声を上げていた
懐かしい公園が、見えて来る。
場所取りで他校の生徒と
取っ組みあいの喧嘩になった
乱闘事件を思い出す ....