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 その日ジリはキリカの部屋の近所の居酒屋で、キリカと一緒に夕食がてらビールを飲んでいた。
 近くに住む常連客が集まる、気取りの無い賑やかな店だ。

「なあ、キリカ一緒に住まないか?」
 アルコ ....
 ジリが山手通りを自転車で飛ばしている頃、キリカは水を張ったバスタブに腰まで浸かってぼんやり天井を見上げていた。
「ジリのヤツ遅いなあ。」
 ジリは山手通りを右折して、かむろ坂を登り始めたところだ ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう

降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう

始まれば ....
モノレールが優しく横切るその前の
鉛色の河で小船たちは寡黙に佇む

足元では何匹もの大きな蟻が
その身体と同じ程の大きさの
荷物を運びながら行き交う


小さく跳ねながら近づき
離れ ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
かちりと音がして
空が切り替わった


新たな空に住むものたちが
降らせる粒子に僕を絡めると

舌の上のオブラートのように
僕が僕の輪郭だと
思っていたものが溶け始めた
 ....
産毛のような時間が
どこまでも不完全な
このたましいを撫ぜている


それでもたましいは
長い間私が見向きもしなかった
いくつもの小さな愛たちを

その時々に抱えていたのだと
 ....
雨の中でカラスは
ボロフスキーの創った
偽物みたいに固まっていた


まるでそこから
世界が固まってしまうんじゃないかと
心配になるくらいに



その横顔は
静かな怒りと ....
やぶれた風が僕に聞く
ここから呼ぶ?帰る?
木の葉がすごい速さで
転がり巻き込まれてく
浮遊の憧憬の走りみち
風の声を小脇に抱えて
笑う木の葉を追いかけ
走るんだよ走るんだよ
三つ ....
空が剥がれ落ちていた

無音を描きながら

時間を奏でながら



空たちはみな地に落ちて

染み込んで消えた

あっさりと自由に




せめて僕は

空 ....
「僕を知っているのかい?」

「もちろん。」

「じゃあ僕の特徴は?」

「んーと・・・」

「それじゃあ僕の特技は?」

「ええっと・・」

「それなら僕のイメージは?」 ....
くちぶえがきこえた

まだうまくはしれない
こいぬのよこで


のんびりはしれ
ってうたってた



くちぶえがきこえた

やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
水族館の水槽の
分厚いガラスのような
向こう側で十一月は
無色に捕らえられていた


人々は皆
無色のパントマイムで
街を往く


色という色は
呼び寄せられた十二月のマンホー ....
こだま呼び込む窓辺
群れる空の白魚たち

過去と迷走の影なら
銀のクリップで重ねて

浮かれるまま
浮かべばいい


望み通りの風
手のひらで創ったなら

さあ ....
夢見る午後はカモミールの香り
膨らむ幻想に
投げ出した足先


どんな詩をうたいますか
あなたは
今日

どこまでなら許せますか
ココロを
今日



泣いたあなたが愛し ....
満ちる空に逢おう
欠けたままの自身で


雨や雲や雪や風の子供として
ボクは歩き歌い眠る


隠すものも
隠されるものもなく


ボクは今宵も
欠けたまま

満ちる

 ....
     ▲
    そして
   どこまでも
  群青の闇を往く
  魚のあとを追い
 かつての白い肌は
 鈍く焼けてしまった

  水の角を曲がり
  更に水を下る
  ....
鳥が燃えながら飛び立つ
黒い枝が空いっぱいに絡み合う

朝にも似た冷たい大気が
無数の記憶を凍らせても
すかさず世話焼きの風は遣って来て
その霜を脱がせる

急いで帰らなきゃ

鳥 ....
もしも宇宙人がいるのなら

宇宙猫とか

宇宙犬とかも

いるのかな


宇宙金魚ぐらいなら

ボクはちょっと

会ってみたいです
はぐれた君はヒヨコの臆病
暗がりの踊り場でびしょ濡れて

いいコトとわるいコト
中間のマーブル模様に
悩んでる



悩んだ君はウサギの足取り
坂道の石ころで躓いた


 ....
ぜんまいじかけ
ぼくはおもちゃ

ぼくがあるけば
カチャカチャカチャ

ぼくがわらえば
カチャカチャカチャ


ぼくのせなかの
ねじをまいてよ

きみのゆううつ
もらってあ ....
褪せた面影を
湿らせていく
霧の雨


黒い舗道に足跡の
こだまを探しながら
ひび割れた時間に
僕は立つ


どんなに近くで
それとも遠くで
どれだけ君が  ....
どんなに大きくなっても
私は0cmであり
3億光年である


どんなに遠くへ行っても
私はここに在り
あちらに在る



魂は宙を歩き
宙に寝そべり


どんなに泣いても ....
ぱたぱた
ぱたぱた
あめがふる


きょうもきのうも
ずっとむかしから



なんにもいわず
なんにもきかず

ひたすらあめは
ふりつづく



しずくは
あみど ....
初恋が終わっていない

夢を見て


シンプルになって

目を覚ます

午後
 沈黙の闇に寝そべり

 ああ此処も

 宇宙のどこかと

 耳を澄ませる
ベンジャミンさんの松本 涼さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
カバとキリカ- 松本 涼散文(批評 ...710-6-4
ジリとキリカ- 松本 涼散文(批評 ...510-6-4
ネガ- 松本 涼自由詩1807-6-1
風景- 松本 涼自由詩4*06-6-21
私はとても小さいので- 松本 涼自由詩114+*06-1-2
かちり- 松本 涼自由詩3*05-4-3
時間- 松本 涼自由詩2*05-3-11
雨のカラス- 松本 涼自由詩5*05-3-10
木の葉- 松本 涼自由詩5*05-1-8
- 松本 涼自由詩7*04-12-29
11月- 松本 涼未詩・独白3*04-11-25
くちぶえ- 松本 涼自由詩14*04-11-25
無色(十一月)- 松本 涼自由詩5*04-11-8
窓辺- 松本 涼自由詩5*04-7-2
カモミール- 松本 涼自由詩2*04-6-29
ミチル- 松本 涼自由詩8*04-6-28
五感- 松本 涼自由詩11*04-6-27
- 松本 涼自由詩4*04-6-26
宇宙金魚- 松本 涼自由詩6*04-6-20
マーブル- 松本 涼自由詩1*04-6-18
ネジ- 松本 涼自由詩2*04-6-15
霧雨- 松本 涼自由詩6*04-6-12
0cm- 松本 涼自由詩4*04-6-12
ぱたぱた- 松本 涼自由詩1*04-6-10
おひるね- 松本 涼短歌4*04-6-6
沈黙- 松本 涼短歌11*04-6-5

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