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存在が薄くなっている、最近そんなふうに感じる。加齢とともになにもかもの熱量が少しづつ失われ、まるで一本の枯れ木の棒になっている雰囲気だ。枯れ木の棒だから水分もあんまりなくて、あらゆる部位がカサカサし ....
時折冬芽をついばみにシジュウカラがサッシの近くに寄ってくる。かわいいので近くに行って声をかけるのだけれど、ガサガサっと羽音を立てて逃げ去ってゆく。ただ、見るだけなのに逃げていくというのは何なんだろう ....
十一月末でグリーンシーズンの日雇い業務は冬季解雇となり、十二月十日から無人駅の除雪作業員として三月半ばまで勤める。もっと働かせてもらわないと生活出来ないと訴えた、古希を過ぎた方が常勤スタッフとして増 ....
少し動いたら、お湯が肩を滑り
魚のように泳いだ
目の前の湯気が
つめたい冷気に押され
初秋の芒のように少し揺らいだ
湯面に突き出た膝小僧の
小島の岸に揺れている湯
その周りを一心不乱 ....
熊が人を襲ったり、飼い犬を襲って食ったりしているという。もう何代にもわたり、人里近くを寝じろにしている熊が増えているという説もあるようだ。しかし、本当のところはよくわかっていないようである。もはや以 ....
寂れた窓は動かないふりをし
ひたすら外に目を向けていた
季節の香は失われ
残酷なほどに生をむさぼり続けた
虫はいない
寂れた窓にとって
そういう喧噪ははなはだ懐かしく
色合いの違う風に吹 ....
すこしだけ何かを言いたいのなら。
さようなら
繰り広げられる白い雪の
すべてをさらけ出した清いあきらめが
くるおしく皮膚にしみこんでゆく
季節の記憶が旅立って
たどり着くこと ....
十一月の雨はどんな気持ちで降っているのだろう
十一月の雨は、冷たくなれば雪になるけれど
ほの温かい、いくぶん霧雨のような朝には
ため息だけを増産する
十一月の雨は、まるで生活することに疲れ ....
十一月一日
悪天だったがこの日を逸すると雪が降ってしまうかもしれないと思い、向かった。冬枯れの登山口は老いた自分の終末への入り口のように静まり返っていた。
冷たい雨が時折強く、その上風が木々を ....
ここ一週ほど多忙だったが、悪天予報の今日は勤務仕事の事業所は休みとなっていた。
夜は比較的よく眠れ、夜明け前だったが登山口の管理棟の清掃に向かった。あいかわらず、クサギカメムシたちが越冬にやって ....
もぐもぐ、もぐもぐ、はたして
そんな音が聞こえるのかどうかは
世間的に問題にならない
たぶん、ごはんを食べるとかそういったイメージ
さして食欲もない昼の食事は
きっともぐもぐとい ....
朝方少し仕事をし、あとは何もせずに過ごした
背徳感が骨や肉に浸透していたけれど
床から出ることはなかった
何もしないことにした一日は重金属となって
言葉も発せず、でも聞き耳を立てている
でも ....
十五メートルほどのブナ林の中で私は休んでいた
ドカベンをかなり残し昼食を終えた
指定ごみ袋を枯葉の上に敷き腰を下ろしている
風はまだ冷たくなく、肌着の汗は乾き始めている
まだ紅葉 ....
山林整備作業三日目を終えた。たぶん別な作業も途中に入れられるだろうが、少なくともあと一か月は十分かかる作業であろう。十八ヘクタールという途方もない山林を刈り倒す作業は気が遠くなる。
四名のスタッ ....
十日ぶりに髭を剃ろうと思う
再び、のっぺりとした顔が現れるのだが
秋のイネ科の、メヒシバが生い茂ったような
このむしゃくしゃ感が鬱陶しくなった
そもそも髭を剃る習慣はなく
部屋が散らかると片 ....