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胃を失ってからどれくらい経つだろう
彼方に去ったあの頃は
タンメン・炒飯・餃子くらいは当たり前で
身長169cmで体重は96kgあった
いまは62kgで絶好調! 動きやすい
胃の無い者の食事 ....
鉄筋コンクリートの我が家はまだ冷たくて
絨毯の上に固めの羊毛布団を敷き
モフモフの毛布を敷き詰める
上掛けは薄手の羽毛布団に軽い毛布を掛ける
ゆっくりと冷えた足を暖めては
睡魔の訪れをゆっく ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく
腹が減った
赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
あの時
のぼくは何を思っていたのだろう
色欲にまみれて本性をうしなっていた
いまは瀬戸内寂聴さながらに煩悩即菩提を受け入れた
香を焚き
灯を点し
経を読み華を散らし
鐘を鳴らし
生 ....
ぼくはなんという大馬鹿ものなんだろう
話はみなぼくのわがままばかりで
きみを深く傷つけた
欲しいものを正直に欲しいと言わず
何より大切なきみを失った
歳の差を気にして戸惑い嘘をついた
もっ ....
舞い落ちる
舞い落ちる
花びらに埋もれて眠りに就きたい
潔良い花のように
波乱万丈の路を歩んで来た
想い出が有りすぎて
ぽろり ぽろりと喜びの涙が零れ落ちる
数えてきれない壁を突き破って ....
香を焚き
花を散らし
夜は更けてゆく
想いは深く星空に消え
来し方を想いだす
きみと暮らした18年
時には重く
時には軽やかに過ごして来た
互いに栄華の時は過ぎ
これからは別 ....
ここ半年で二人の女性に片想いをした
妙なことに二人とも腰に複雑なボルトが埋め込まれ
夜のお付き合いは出来ないと言う
ぼくも薬の副作用で役に立たないでいる
精々がハグをしてキスをすることしか出来 ....
久々に琥珀の水を10杯飲み干した
泥の船を造り
沈没する夜が深まった
曇った夜空に一番星は見えない
カッチーニのアヴェマリアをカウンテナーで歌い
凝り固まった背中をほぐす
悲しい母は何処に ....
人はみな
命を奪い
生きている
手のひら合わせ
感謝する
6ヶ月ぶりにスーパーへ買い物に行った
まずは果物コーナーへ
小ぶりの林檎が4個で498円
買うのをやめた
バナナ4本で268円買った
野菜は冷凍在庫にたくさん有るので
ゼンマイだけ19 ....
蝉時雨の日に緑の紙に捺印をすると決めた
いつまでも友達でいようなんて嘘をつき
きみは天を突き抜け歓喜の歌をうたい
ぼくはどぶ板を這いずり回るゴキブリになるという
今までの18年は悲喜こもごもの ....
漆黒の夜空に閉じ込められ
花びら散り敷く公園のベンチに座り
きみの透明な瞳から溢れる涙を見たよ
白い頬を伝いながら嗚咽が止まらなかった
ぼくは ただ背中をポン ポン ポン… と
ポケットに忍 ....
琥珀の水を飲み
紫煙を漂いながら想いを馳せる
数十年の迷路を未だに彷徨いながら
素粒子が固まった肩を抱き締めた
言葉を失ってからどれくらい経つだろう
答えが見つからない迷路の壁は高く聳え
....
何故こんなにも深い夜がきたのか
今日という日は永遠に忘れない
二人だけの言葉を交わし{ルビ美酒=うまざけ}を飲み干した
きみの一言がひとつひとつ胸に染みる
今日という日は二度とない
きみをま ....