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「猫を探しています」
と書かれた手製のチラシが
郵便受けに入っていた
「名前 小太郎 茶虎 体重4kg」
茶虎の猫といったら
このあたりでも野良でたくさんいる
正直見つか ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う
けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって
僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
ごらん
空が青いのは
海が青いからなのか
それとも空が青いから
海が青く見えるのかわからないだろ
正直そのどちらでもなくたっていいくらい
確かにそのどちらでもないのかもしれないし
そ ....
生徒からもらった手紙には
「わたし先生がいなくても頑張ってるよ」
って書いてあった
渡り鳥のように教室をめぐる僕は
だからこそ一つ一つの授業を大切にする
うまくいかないこともあるけれ ....
真っ白な雪が降ったとき
僕は子供のように喜んだ
冷たい雪に埋もれながら
僕はそんなふうになりたかった
真っ白な雪と大地の間で
わずかな温もりを感じたかった
四月 (始ま ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
とべない鳥がなくように
誰かのそばでうたっていたい
とべない鳥がなくように
誰かのうたをうたっていたい
とべない鳥とわらわれて
とべない鳥とからかわれても
誰かのそばでうた ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら
僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
オレンジの雲をかじる
甘酸っぱい空気を冷やして飲んだ
気流が発生する前の
静かに流れる朝は鳥の声に押されて
ようやく白い地を染める
地球の回転は空の綱引き
勝ち負けのない勝負は ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く
ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
手紙を書くときの始まりは
どうしてもこうなってしまう
「お久しぶりです」
大変便利な世の中で
携帯やら電子メールやら(「電子」って古臭い)
いろんな意味で距離が縮まって
僕なん ....
りぃ りぃ りぃ と雨が降り
渇いた大地を潤してゆく
六月は
晴れたり曇ったり
そしてこんなにも雨が降ったり
(もうこれ以上叩かないでくれ)
庭にはやっと咲いた花たちが
....
ああ わかってる
どうせ僕には君たちの言葉なんてわからない
飛べもしない翼で空を指さす
それが何を意味しているのかなんて
僕にはわかるはずもないんだ
「飛びたい」と訴えているよう ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
(朱の刻)
その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そ ....
下町に生まれてから
高いビルに憧れていた
今になって見上げる景色は
華やいでいるのに
どこか淋しい
地方に引っ越して
久しぶりに来た東京
夜の地下鉄の
長い階段をおりてゆく ....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません
昔のことですから
もう数えきれないくら ....
たとえばだれかのこうふくが
だれかのふこうのうえにあるとしたら
それはとてもかなしいことかもしれません
そのかなしみもまた
だれかのよろこびのかてになっていて
だとしたらとてもふくざ ....
降りつづける雨は
もしかしたら辛い過去かもしれません
降っては止み
降っては止みを繰り返し
いつしか涙のようになって
まるで一人ぼっちみたいに
その「ぼっち」が淋しく響いて ....
美しい言葉をさがすために
美しい言葉をさがす旅に出た
海に行けば海は美しく
山に行けば山は美しく
空を見れば空は美しかった
けれどそれを表現するだけの
美しい言葉を知らない ....
ほんとうはね
「ほんとうはね」っていう言葉が嫌いなの
何だか嘘をついてたみたいじゃない
たしかにね
「ほんとうはね」って言う前に言ったこと
やっぱり嘘になっちゃうかもね
でもね ....
いずれは誰にでも
やってくる終わりのときを
誰が教えてくれるわけでもないけれど
それはまるで
人生という山に積もる雪が
まさにその季節に向けて
静かに融けてゆくように
....
春は優しい風の音色で
ひらひらと踊りながら地に還る
田舎の祖母の他界の知らせに
慌ただしく帰郷の支度をしながら
移り行く季節の名残に
そっと目を閉じる一時
思い出はいつも
....
一人になって
ふと疲れを感じる昼下がり
もう数えていないのと
ぽつり呟くあなたを
抱きしめたら壊してしまいそうです
指先で宙に描く願い事
それが何だかわかりませ ....
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている
たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった
「水曜日は休園日です」
がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる
電車の中に居る人を眺 ....
お日様の下
おまえはかたく焼かれてしまった
ただ真っすぐ
地中から這いでてきたおまえは
涙をながす瞳さえ
持って生まれてなどいないのに
かたく焼かれたおまえの
その真っすぐな身体
それを泣いてや ....
ゆきゆきて花びら落つ
されど
世はさむざむと語るも虚し
日差しさやかなることを願い
枝先に残るつぼみに
その時を問う
また一片の行方を見やれば
地を春色に染め
伏 ....
桜の開花を待つことなく
君たちはゆく
若さとは強さであり
同時に弱さでもある
だけど安心しなさい
私が信じる君たちは
無限の可能性を持っている
桜の開花を待たずに ....
ああ 今日は
なんて美しい音色だ
風はすこしばかり強すぎるけれど
これは春なのだから仕方ない
それよりそこかしこで
草も木もみんな楽器みたいに
お互いをこすりあわせている
風が吹 ....
(真っ白な雪が見たかった)
真っ白な雪をかきわけて
地面の温もりを感じたかった
こんなにも寒いのに
雪の一つも降らないなんて
(真っ白な雪が見たかった)
すべ ....
LEOさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(138)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「猫を探しています」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-5-5
「なくした小指」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
08-5-3
「空と海の調和」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-4-25
「花束」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-24
「雪融け」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-4-11
「やさしいかたち」
-
ベンジャ ...
自由詩
27*
08-4-5
「とべない鳥がなくように」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-3-29
「億万人の心の音」
-
ベンジャ ...
自由詩
20*
08-3-22
「明け方の月はよく笑う」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-21
「空を見たいと思うとき」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-3-19
「お久しぶりです」
-
ベンジャ ...
自由詩
4
07-9-26
「もうこれ以上叩かないでくれ」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
07-6-22
「動物園のペンギン」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
07-6-18
「朱の刻」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-6-13
「東京」_(地下鉄のホームで)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-6-10
「悲しい夢を見たあとに」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-6-7
「すべてがつりあいのなかで」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-5-29
「水結晶」_(二部作のうちの①)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-5-24
「美しい言葉」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
07-5-20
「ほんとうはね」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-5-9
名残雪
-
ベンジャ ...
自由詩
8
07-4-29
散る
-
ベンジャ ...
自由詩
6
07-4-22
「今日生まれたあなたへ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-4-14
「月影」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-4-13
「動物園」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-4-6
みみずの涙
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
07-3-27
「春」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-3-23
卒業する子供たちへ
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-17
たとえば歌をうたうように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-3-14
雪のない冬
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-3-12
1
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3
4
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