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 「はい、どうしたんですか?Iさん。」
 私を手招きするIさんの車椅子へ
 膝を折り目線を彼女より低くして寄り添う

 舌が上手く回らないIさんは
 口籠もりながら優しい目をして
 お風呂 ....
 冷たい風で日の差す路面のアスファルトに
 一台の車の走行音も乾いている

 道の向こう側に閉まっている施設の大きな鉄の門へ
 毛繕いしながらチラッと目をやる
 サバトラ猫の鈴ちゃん

 ....
 瀬田川に架かる鉄橋に軋む音
 光の帯は今を、過ぎた
 
 引っ越し祝いで友人宅を訪問した帰り
 瀬田唐橋の欄干から眺める
 そこに 拡がるものは

 時の流れすら呑み込んでしまいそうな ....
 背中押してもらって
 もっと もっと、スニーカーのつま先が
 お空に近くなる
 ブランコ

 いつからだろう?

 ブランコ漕いで
 軽い眩暈の様な気分の悪さを
 感じてしまうよう ....
 はかり知れない
 暗黒の 宙に
 君は浮かび

 その彼方から
 確かにとどく君の
 燦めく 言霊
 
 それは時に
  のんびり夢みる浪の音
 それは時に
   欣び甘える涼 ....
 このところ何も
 ほんとうに 話す事が無く
 彼の微笑に
 「はい。変わりなく過ごしています。」
 とだけ

 困っている事も
 迷っている事も
 どうにかしたいと希むことも
 彼 ....
 石灯籠に赤椿
 民家の門前、紐で繋がれ
 うずくまる
 白黒猫は どこか
 浮世絵見る様な

 冬日和
 濃いグリーンの目を細め
 通りゆく人
 ながめて過ごす
 今朝は見ら ....
 テイクアウトのピザを
 たらふく食べ
 飲みすぎた赤ワイン

 炬燵で寝落ちし
 ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
 深夜

 空ビン洗って
 ベランダの収納ボックスへ入れる音 ....
 加茂川べりに
 あの人が佇んでいる
 錯覚だとは
 電車の中で気がついた

 冷たい舗道に降りてから
 しっかりと足早に歩きすぎながら
 それでも後ろを 振り返ってみたかった

  ....
 雑然とした卓に
 ちょっと戯れに挿した
 寒椿の 紅い沈まり

 眠れないのです

 時は重たいものですね
 全て寝静まっているのに
 音があるのです

 秒針が刻む
 藍 ....
 
 寒風、

 常緑樹の生垣が吐く

 銀白と やがて溶け

 やさしげに揺れる

 山茶花

 

 
 乾いた大気
 
 緋色砕けて心臓響く

 天上は真夏

 大柳

 烟り散る冬の湖面
 三分咲の桜が好き
 と云う私に
 葉桜が一番好き
 と 笑った彼女

 「なんで?」
 ほのぼの香る色にも
 一閃の青をみる
 硬質感ただよう清らかさ

 まだ未婚だった彼女は答 ....
   
   「心」

 生命の底にあるのが
 わたし
 野を吹く風にさからって
 歩いていると
 影絵のようにみえてくる
 



   「大衆食堂」

 店の母さん 常 ....
  「独白」


 霜の立つ
 音のきこえそうな 
 夜に一人で居る時は
 吐息など捨てようと
 幾度 思った事か


  「街の鴨」


 商業施設の脇を流れる
 堂の川 ....
 
 薄ら陽を

 追いつつ鉢を離れ得ず

 小さき金魚の褪せし思いして

 胸の底 暗く重く

 ちろちろ火の燃え続ける
 イノチガ フト
 オモタクテ
 窓ヲ アケルト

 ヒトツ フタツ ミッツ
 カゾエテミタラ
 ココロガ カルクナッタ

 アカイノ 
 ホントニ アカイノ
 イマニ コガラシガ ....
 冬、まじか

 ひとつ枕で あなたの脚に

 冷えた足先こすり当て

 毛布に顔埋めて 笑う暁の

 のどかさよ
 ほのぼのと

 開きそめし季節のすぎて

 髪洗えば抜け落ちる束 悲しきを

 湯舟浸かり両の手に 抱く乳房

 秋の晩
  「私春記」



 「あたしの洗濯カゴ触らないで。
  あたしのボディーソープ使わないでよ。」
 
 俺は、いったい何なんや!
 憤る 兄をなだめる母ありて
 娘の真顔に含み ....
    


  あちら向き

  こちら向き

  淡いピンクのささめきは あなたと私の様

  うす曇りな心に 寄せて消えゆく

  秋桜のうた




   
 ....
 ものうい口づけの時
 真昼のカーテンが そっと身をよじらせ
 触れ合った歯の小さな音をも
 ききのがさない

 ある時
 生命を捜し求め
 悲しい広さを見い出した
 貞操を否定す ....
 栗の焼けるにおい
 私が一人 歩いている街中に
 ほろ苦く
 かさかさと
 音を立てて秋が 散る

 雑踏をさまよいながら
 ほのぼのと胸うずめるなつかしい思いが
 何と暖か ....
 貴方と逢っての帰り
 雨雲が 電車を追うその先
 西山へ落ちかけた陽が鮮やかに薄紅で 
 大きい


  稲の穂先に むせながら
  田の中を歩き
  やがて深い竹林に入った時
 ....
 
 コーヒーは言うのです

 女は専門店の浅煎り豆を使ってドリップした
 ブラックを好み 今朝も
 辛子色のアメリカンダイナー風マグカップに
 注がれる一杯

 キッチンで女のまわり ....
 のうぜんかずら の咲く港
 軍艦の沈んでいる波止場に
 電線の鳴る夜
 暗い地下の酒場で音が はね飛んだ

 けばけばしいライトさえ
 薄暗い いやらしささえ
 初めて訪れたの ....
 真夜中の草深い町はづれを
 莫進する列車に
 ふと吸いこまれる 優しい魂

 詩友よ
 貴方のやさしい魂が はがゆくなって
 流るるにまかせよとは思えども
 私の愛情が足りず
 疲れ ....
 特別に悲しいという訳でもない日
 行きつけのショッピングビルの喫茶店で
 夜のムードなソフトジャズが
 無機質に聞こえる 寂しさ

 スプーンで掬って 舐める
 ウインナーコーヒーの ....
 ショルダーバッグの鈴が鳴ります
 シュリリン
 控えめな 優しい音色

 金と銀がありました
 三井寺で 手に取ったのは銀の水琴鈴

 事なかれ主義の八方美人は嫌われる
 か ....
 会社の敷地内に植わる樹々の緑
 仰ぎ見る 折り重なったイチョウの葉っぱから
 顔のぞかせている黄色味がかった実

 「今年、実が大きいですよ!」
 詰所の更衣室で先輩へ報告する朝
 「そ ....
wcさんのリリーさんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鏡像(10)「I_さんの記憶」- リリー自由詩4*24-3-8
鏡像(9)「Oさんの記憶」- リリー自由詩5*24-3-8
鏡像(1)「橋」- リリー自由詩11+*24-3-2
あかね雲- リリー自由詩9*24-2-6
春愁- リリー自由詩7+*24-2-4
診察室- リリー自由詩5*24-1-20
五行歌_銀ちゃん- リリー自由詩7*24-1-18
深酒- リリー自由詩13*23-12-27
- リリー自由詩5+*23-12-24
アンニュイ- リリー自由詩12*23-12-19
五行歌_一首「雪もよい」- リリー自由詩4*23-12-1
五行歌_一首「花火」- リリー自由詩4*23-11-27
さくら- リリー自由詩8*23-11-26
五行歌_二首- リリー自由詩8*23-11-24
五行歌_二首- リリー自由詩9*23-11-21
五行歌_一首「未練」- リリー自由詩6*23-11-8
熟柿- リリー自由詩10*23-11-7
五行歌_一首「ワンルーム」- リリー自由詩2*23-11-4
五行歌_一首「バスルーム」- リリー自由詩5+*23-11-4
五行歌_二首- リリー自由詩6*23-11-1
五行歌_(一首)「散歩」- リリー自由詩5*23-10-29
夾竹桃- リリー自由詩6*23-10-21
秋冬- リリー自由詩5*23-10-15
夕陽- リリー自由詩5*23-10-13
Weak__Coffee_- リリー自由詩4*23-10-11
北の波止場- リリー自由詩4*23-10-9
- リリー自由詩4*23-10-8
水曜日- リリー自由詩14*23-10-3
水琴鈴- リリー自由詩6+*23-9-30
長月の頃- リリー自由詩4*23-9-29

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