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「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ
幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。
うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。
目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
....
低気圧が近付いてゐる午後。
少年が鉛筆を削つてゐる。
室内に、新しい芯の匂ひが満ちる。
「隆、下りてらつしやい」
と、羊羹を切り終へた母の声が階下から聞こ ....
詩は生きるために必要なものではない。
例えば貧しく混乱した世の中では人々は生きていくことに必死で、詩どころではない。豊かで平和な世の中になると今度はしなくてはならないことが多すぎて、やはり詩 ....
はるのいろが
のはらをそめて
きれいだね
ぼんやりかすんだくうきに
ひかりがきらきらちらばつて
きれいだね
ひとびとは みな
やはらかいいろの
そらをながめてゐる
....
{引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に ....
{引用=(*筆者より―― 昨年暮れ辺りに自分のかくものがひどく拙くなつてゐることに気付き暫く充電することに決めた。その拙さ加減は今回の投稿作をご覧になる諸兄の明察に委ねたいが、ともあれかいてしまつたも ....