満月が頭上にかかり
地に潜むものを照らし出す
私は月明かりを手で掬い
落ちる陰影の青白さ
いつまでも見つめ待っている
地に潜むものの輪郭が
現、露わとなる時を
忙しく過ぎる世相の奥に
 ....
ちいさくてとってもちいさな貝殻があった

優しくてとってもやさしい友達がいた時もあった

幼いころ姉がひらがなの練習をしていた
たぶん卓袱台で宿題でもしていたのでしょうか

対面でそれを ....
ちぎれ花びら
ひらり
揺れ落ちて
世の川の瀬に
流れ漂う
目を凝らす
空の果て
悲しさ滲み
なみだ
零れる
愚かさの
只中で
葦は折れ
萎れ行く
されど
祈る
遠く
 ....
とてもつらいことがあったとき

暖かいご飯を一口食べて

涙が止まらなくなったことがあったな



生きるって

そういうことだな
私は魚ではなく
人だから

海は
陸とつながってる部分が
好きだ

見渡す限り海だけの映像は
空恐ろしい

そこに岸があるからこそ
安心して美しいと思える

そして
岸から ....
海沿いに住む人は幸せだ

時には

ただ海を見ているだけで

変わるものがある

あなたが悩み迷ったとき

海は何も答えない

だけど

答えが必要じゃないことを教えてくれ ....
すべての親しい者達が消えた日に
おまえは無感覚となりその鉈で
自らを切り裂く
遠い億万年の記憶と一体化し
どうして今此処に居るのかと
自問を続けながら
ひたすら自らを切り裂いていく
終わ ....
腕に時計を巻き付けた事はありません
家が貧乏だったので腕時計買って貰えませんでしたから
その延長線上を歩いて来たら
大人になっていました
もしかしたら
成長するってそんなものじゃないかな
 ....
 
神なき時代、
しかしもう嫌だって云わない
人は明るい明日へ向かって
向かって、行くものだ

私なんかいらない、
痛む内臓が嘘をつくよ?
忘れたころに昔に戻り、
言葉がまだ生きてい ....
紅の波打つ
ツツジの原に

揚羽舞い舞い
光の海

広がり流れて
透き通り

両手を大きく
広げてみれば

遠く花野が
開けていく

  *

鈍色空は私の心
鈍色 ....
夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く

ベッドを囲む白壁から
白の色 剥がれ漂い出し

微かに振動する
静まり返った
四方空間に

彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在
 ....
ボクの前に道はない
アタシの後にも道はない
進んでいるのか戻ってるのか
分からないから立ちつくしてる

ボクはたまにアタシになり
アタシはボクの悪口を言う
見上げた空へ墜ちていく
合わ ....
 四月二十三日、若い女性看護師Aの説明を受けながら、跳ねる川魚のような指先で打つキーボードをぼんやりとみていた。柔らかい声で適切に私の話を聞き、それを一切漏らさずキーで打ち込んでいる。血液検査の注射針 .... 様々な理由から力ずくで力尽くして

大貝は内部で言葉を符牒じみさせる

モスラが空を舞ったあとに

最近の都民は、
この「火曜日」にハラハラドキドキ

3度目の正直、
緊急事態の早 ....
令和二年の春
コロナウイルスは世に{ルビ蔓延=はびこ}り
入院中の恩師に会えず
実家の両親に会えず
隣町の友にも会えず
一つ屋根の下、妻と幼い息子と共に
ひと日を過ごし、夕暮れる 

 ....
道行く人が
私にタバコの煙をかける

パチンコを終えた主婦が
自転車に乗る前に

はぁあああ

カップルが楽しげに
何やら相談した後に

はぁあああ
   はぁあああ

 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる 
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
天国までは垂れ下がった縄の梯子を必死になってのぼらなくてはならないらしい
それに引き換え
地獄には急な滑り台を一気に滑りおちて行けるらしい

でも
その真偽はわからない
誰一人死後の世界か ....
流れていく
ゆらゆら揺れる電線の向こう
空の青を背景に
白雲、一つ
流れていく
ゆっくりたしかに
流れていく

そうして着実に時は過ぎ
百万年が過ぎていき
私も君も彼も彼女も
み ....
一石二丁目にも一石三丁目にも鳥は一羽もいやしない。
例えどこへ引っ越そうと、僕らは何も得られやしない。
このわざわいは転じてくれないから福をなさない
だろう

因果の法則性に従って
埃のように降り積もったあしき原因の結果によって
もたらされた禍はいつになったら終息を向かえるかは不明だ

た ....
君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄 ....
新型コロナに侵された日常を
静かに、掘り下げよう 
自粛する日々から
できることを、探りだそう

人類は、私は
〝初心〟を久しく忘れていた

ひとつ屋根の下 
三人と猫一匹で暮らす、 ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う、
揺るぎ ....
薄く剥がれ落ちていく
日常の内側で
ずっと
息を潜めている
(外は偽りの春)

やさしさ、
思いやり、
助け合い、
まごころ、

色褪せたのは
言葉ではなく
私たちの心の方
 ....
八重歯の可愛い子を探しに三重県まで行った。
しかし五重足りないせいで見つからなかった。
天上の下
長い棒の先で
赤い皿をくるくる回す

バランスを取りながら
回る力のある限り
右から左へ
開いた扇にも
人さし指にものせて
終わりに気が済むまでトスをする
のが
会話の ....
ある日
雨が降りはじめた
それは400日やまない雨
すべてをリセットする雨だ

しかし
世界の富の大部分を独占する
大富豪や権力者たちは
事前にその情報を得ていた
途方もない金額で神 ....
夜更けに僕の勤務は始まる
夜明けに僕の勤務は終わらない
それとはあまり関係ないが

夜桜ばかりが散りかかる明治通り
では大正通りはないのかと考えたりするが
昭和通りはたぶん各地に点在 ....
カフカが変身をしてフカフカになったりしないかな。
そのフカフカを海辺に敷き、お昼寝とかしてみたいな。
ナンモナイデスさんのおすすめリスト(3429)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地に潜むもの- ひだかた ...自由詩4*20-5-5
五月の歌- 梅昆布茶自由詩1020-5-5
祈り- あおいみ ...自由詩3*20-5-4
茶碗- ガト自由詩6*20-5-4
堤防- ガト自由詩7*20-5-4
うみねこ- ガト自由詩1*20-5-4
対峙(改訂)- ひだかた ...自由詩320-5-3
腕に時計を- こたきひ ...自由詩420-5-3
たそがれの神なき時代でも- 秋葉竹自由詩720-5-1
呆(改訂)- ひだかた ...自由詩620-5-1
白のイマージュ(改訂)- ひだかた ...自由詩420-4-30
衰退クロスロード- もとこ自由詩4*20-4-29
気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた- 山人散文(批評 ...6*20-4-28
きんきゅうじたい- 足立らど ...自由詩2*20-4-28
君を視る- 服部 剛自由詩320-4-27
違ってん、ひとつだけ- 木葉 揺自由詩320-4-27
空と盲目- ひだかた ...自由詩920-4-25
さよならごめんなさい- こたきひ ...自由詩420-4-25
流れていく(改訂)- ひだかた ...自由詩320-4-24
- クーヘン自由詩3*20-4-24
わざわいは転じてくれないから福をなさない- こたきひ ...自由詩120-4-24
反復- ひだかた ...自由詩520-4-23
窓の明かり- 服部 剛自由詩320-4-22
今という時- ひだかた ...自由詩620-4-22
春を待つ- もとこ自由詩5+*20-4-22
五重- クーヘン自由詩2*20-4-22
くるくると- もちはる自由詩3*20-4-22
方舟ふたたび- もとこ自由詩4*20-4-21
なにもなかった昭和に寄せて- 梅昆布茶自由詩5*20-4-21
フカフカ- クーヘン自由詩2+*20-4-19

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