生まれ与えられ育てた愛娘は
意識の視界から消えてゆき
雪降る三月初めの東京、
流氷の次々押し寄せる如く
時のうねり過ぎゆく速度の異様
細き橋の真っ直ぐ
伸びゆ ....
この夕刻、
しずかにして斜光射し
木々の茜に染まり
ゆらゆらの揺れ
気の冷涼の蠢き精妙に
包み込まれる心の安らぎ
とおくとほく
すきとほる青の高み
広々響く中有の音 ....
感覚残滓打ち捨て
永久なる霊性神性に
向かう更に高き魂の
担う思惟、水晶の如く
透明にして
生み出す熱き感情帯び
延々と艶々と
のびやか伸び広がる
透明な浜辺に
思惟の力動ひたひ ....
さざめきざわめく 風の向こう
「今日もまたお寒い一日で」
遥か燦然と風の向こう
光の海原さざめきざわめき
そっと生まれる春の風、
光の海原きっと日毎に吹き広げ
絶え間なく拡がる透明な浜辺に
渚 黒々と鋭角の境域
思惟の力動 絶えず打ち寄せ
感覚超えた存在達と共鳴し
感覚の残滓打ち捨てながら
舞い踊る舞い躍る
渚 黒々と ....
森影繁く深い暗まりに
踊る人影の在りて
〉迎える意識〈
静かさに尚より一層
明るく輝き私を映し出す
夜陰の大雪原に独り
垂直に立つ童子の私
ふと何かを感じ
天空 仰ぎ見れば、
巨大な光の眼、眼、眼
私を見ている私を観入り
巨大に在る光の眼、眼、眼
(私が見ているのではなく ....
彩色ノうねりうなり
純白となりカタチ形造り
知らない君の顔、
〉断崖絶壁眼下に立ち〈
肉一つ震え揺るがず。
透明な時の内に
波の持ち上がり
波は崩れ去って
飛び立つ海鳥
透明な時の溶け
巨大な記憶のタブロー海面に立ち
巨大な意志のチカラに引き裂かれ
蒼白く燃える光の眼
....
今日一日が終わりを告げ
そしてまた明日に
新たな今日一日
始まりを告げる
積み重ねて積み重ねて
それぞれの人生、それぞれに
進化へと、利己から利他へ 愛に
他者へ帰依し愛し合い ....
独りとしての私に
充足しては震え慄き
震え慄いては充足し
ひかりひと吹き
ひと吹きひかり
沈黙の内にいつしか
真紅に燃えるガーベラの
花冠、ひたすら見入る
深い森の奥処 ....
ひかり
ひと吹き
するたびに、
白い小部屋の戸口
開きゆく拓きゆく
ヒビキ輝かせ
時空切り裂き
宿る悪魔,,、
吐き出し
魔と魔のまん真ん中、
大きな巨きな律動の渦 ....
ふっくらふくふく
膨らみ躍る
緑の白の黒の色、
際立たせ素早く移動する
メジロ、
梅の木の枝から枝へと
花々の蜜 啄みまた啄み
がらんどうの冬のこの朝に
曇天重い雲すぅうと退 ....
変容の花咲く園へ
哀しみと懐かしみ
狭間を通り逝く処
与えられ在る只、
立つ少女の面影
顔、顔、顔、
鮮やか正に
色付き情流す
意識の内に与えられ
その変容に魂の表れ ....
柔らか純白の歪な形に輝き響かせ
ふっくらふんわりふらりふゆうし
あるもの在るものと頷かせ白雲よ、
火球の燃える天空を遊泳しながら
こんなに色づき薫り漂う梅の香と
重なり連なり大地の営みと ....
穏やかな温かみの奥底から
静かすぅと姿を現すもの
深い 深い
海の底にいながら
うねりノ無音
無音の瞬間
生と死の狭間に立たされ、
未だ肉の生命 ....
肉の輪郭崩れる前に
泣く、哀しみ湛え、笑う
降り積もる雪の純白の帽子被り
泣く笑う 静かさに佇み
次第どろどろろ崩れ
死して新生する、
己ではない誰かの為に
光の矢、無数無数次々と
暮れなずむ空に打ち上げられ
聳え立つ漆黒、
コニーデの山塊を
光の帯、ぐるり輪を描き輝き放ち取り囲む
黄金の鱗粉、散らし
遠去かっていく
冬の投影に踊りながら
意識の視界に
明るむ場所が在るのなら
きっと君にも観えるだろう
黄金の唸りが
黄金の感触が
黄金の蠢きが
永久な ....
意味する処のゼロ地点に身を置き
自分を肉身としてだけ意識する
に、何か異和を覚えるのなら
アナタの勝ちだ、哀しみすり抜け
ゼロ地点より一歩と 取り敢えず
自らの肉の
細胞という小部屋の
内に鳴る鐘の音、耳澄ませ
次なる時の訪れ
努め憧れ懐かしみ
従容と待つ 哀しみよ
朝に 歓び光の輪舞
凝集し揺らぎ充満し
異なる様相 滲み出し、
在る人、在る人
それぞれの相貌 露わに
朝に
異なる光の歓び
浴びながら、
自らを自ら、
乗り越えんと ....
蒼白い雪のゆらら舞い降り
ふわわ地に落ち溶け
次から次に絶えず
浮かぶ相貌にて
眩む意識の
凍結し
今に覚醒スル
純白に力動する思考、
新た観る 顔の威容に
異なる魂達の刻印 ....
地球という星がある
国境はない
猫に餌をやってから
今日のことを考えよう
子宮から出てきて随分経った
時々帰りたいが
もう帰れない
もう帰らない
なんて沢山の人
居るんだろうなぁ
それぞれがそれぞれ
肉の輪郭の表情を保ち
階段を昇ったり降りたり
(此処はステーション、
清い瀬のステーションさ
所々に真紅の薔薇も顔覗かせ
清い ....
この夜陰、
黒々と
林立する
樹木に囲まれ
蒼い途を歩んでいく
私という絶対の孤独
自我
その神聖を
授かり受け留め
この肉身の己を実感し
この肉身の己から逸脱し
....
もうひと眠りしたい
自転速度が速まっているのか
あっという間に朝が来る
太陽は影をつくるが道を譲らない
まあいいや
高校二年 夏だった 君の詩をつくった
思い込みの激しい一八行だった
傷 ....
陽炎揺れる鉄路を
赤い焦点絞りながら
辿ってゆく、何処までも
明るい光に包まれ
見知らぬ白い女の顔、
しなだれる様その抱擁
ぽっと浮かび忘れ難く
赤い鉄路は伸びてゆく
真 ....
今日もいい天気だが
銃声が煩い
早く来過ぎた春に
冬眠していた生き物も目覚めが悪い
あたりまえと思っていたことはもう古い
アスファルトの下に歴史が埋まっている
ぼくは小走りに通り過ぎる
ひたすらに
孤独な神、
今日も街を生き
薄氷の切片、
私は肉掻き毟り
右から左を射て
静かさの訪れ
またこの夜陰、
紫艶に舞う
意識の揺らぎ
見つめ ひたすら
....
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