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夕暮れは、いつも隣に座ってた

河川敷の土手に、いつも僕と座ってた

何を話すでもなかった

ただ何となく、二人で座ってた

夕暮れは、いつも時間になると帰ってった

泥だらけ ....
太陽が煮崩れてゆくよ

刻一刻と、取り返しがつかない程に

肉じゃがには男爵ではなくメークインだと

そう母は教えてくれたのに

きっと僕が買い間違えてしまったせいだ

だから ....
主の戻らぬ蜘蛛の巣は、日毎に艶を失い、いつかは風に壊されて。
命はいつも風の町からやってきて、風任せに元の町へと帰ってく。
嘗て、大阪の隅っこで起きた0.000003億円事件。
おつかいの、おつりの3百円、少年がネコババした事件。
寒夜の洗面所に、固形石鹸は芯から冷え、それは無垢な恋人のよう。
悪事に染まった我が黒き掌でよければ、優しく包んであげましょう。
横断歩道の罫線を歩きながら、胸中であなたにお手紙を書きました。
青信号は行って良しの合図ですからね、少々大胆な愛のお手紙です。
人生を全うしたとき、命は何層のパイ生地に仕上がっているかな。
僕、死ぬのは怖いけど、棺の中で美しいパイに焼き上がりたいな。
張り込みには、つぶあんよりも、こしあんのあんパンで!
こしてある分、きめ細やかに、些細な動向をも見逃さぬ!
いつか下剋上を果たす夜の為、今は只黙々と下拵えの精進あるのみ。
必ずや極上至極の拳銃と成り、彼奴の舌鼓を一発で撃ち抜いてやる。
優しい言葉を発する度、腹の奥底からタイプを打つ音がする。
我が呼気は洋墨の香、血液は漆黒で、腹黒なのもその所為か。
amazonの巨大倉庫内の片隅に、とある原石が眠っているのさ。
在庫は一点、入荷予定は無し、誰にも発掘されぬ、君は何と美しい。
実家の方角から、炊き込みご飯の炊ける薫りのしたような。
晩秋の寂しそうな母の背が、硬い根菜を刻んでいたような。
たとえば接続詞の消えた世界で、そうして人類は文脈から解き放たれ。
ゆえに僕は何にも縛られる事なく、しかし君とは手を繋ぎたいけれど。
歩くたび、古い廊下はミシミシと、僕に何かを伝えたがっている。
ミシガンだかミシシッピだか、おそらくアメリカに関する要件を。
ポトスを東側の窓辺に置いて眠るといいよ。
ポトスのポストに、朝陽の小包が届くから。
紙飛行機じゃ重そうだから、かみひこーきを飛ばそう。
ひらがなを覚えた頃の、あの、とてつもなく軽い心で。
空の似顔絵を描くとね、どんなに下手でも似てしまうよね。
空には正解がないから、きっと間違えようがないんだよね。
役立たずの僕、でも朝から勃つので、何とか生きております。
決して立派な茎ではないのですが、誰かの役に勃ちたいのです。
シャバシャバのカレーを母は嫌い、母のカレーはモッタリしていた。
そのモッタリが嫌で実家を出た僕は、シャバに放り出された様でした。

コーデュロイと10回唱えれば秋となる。
デュの発音、決して油断なさらぬように。



古着屋のお兄さん、元気かな。
首筋に、五芒星の墨の入った。



MA―1を着た ....

トンネルに入る瞬間、お前の瞳孔は開く。
嘗て獣だった頃、お前は俺を殺ったのさ。



僕の陰茎は暗闇に包まれすぎている。
なので、包み隠さずに打ち明けます。



夏 ....
茶柱が立った、が、すぐに座った、というか寝転んで、寝やがった。
気持ち良さげにプカプカと浮いて眠る姿に、あぁ何と縁起の良きこと。
小さなポシェットひとつで、あなたは何処へだって行けるんですよ。
もちろんポシェットふたつでも、おそらくポシェットなど持たずとも。
夏夜にヒューズが飛んで、飛んだヒューズを両手で優しく捕まえた。
そいつの正体は何と小さな蛍で、僕はその小さな光で一夜を過ごした。
こんな真夏日には、恋心も焦げちゃって、もっと恋焦がれちゃった。
焦げは体に毒だと言うけど、こんな幸福な毒になら喜んで犯されたい。
大阪王将のある街で、歩兵の僕は何とか懸命に生きている。
「男なら将棋を上手くなれよ」と、そんな父上の言葉を胸に。
背番号は貰えなくとも肩甲骨は八の字だ。
誰かに与えられずとも最初から持っていた。
青年ではなく青魚として、この夏をするりと越えてみせる。
一人ではなく一匹として、父の川を泳いでいた頃の身軽さで。
七夕の晩、みそ汁の具は短冊に切った人参と大根なのです。
根菜の短冊に恋の願い事をする男、僕はそういう男なのです。
蜘蛛を決して殺さないこと、幼き夏の夕に僕は僕と約束をした。
左右の小指で指切りをし、指が切れ、僕は8本指の少年となった。
こたきひろしさんのクーヘンさんおすすめリスト(130)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕暮れは、いつも- クーヘン自由詩13*21-3-23
太陽が煮崩れてゆくよ- クーヘン自由詩7*21-2-12
風任せ- クーヘン自由詩2*20-12-28
3百円- クーヘン自由詩1*20-12-28
恋人- クーヘン自由詩8*20-12-22
罫線- クーヘン自由詩5*20-12-11
パイ- クーヘン自由詩4*20-11-30
あんパン- クーヘン自由詩4*20-11-26
拳銃- クーヘン自由詩2*20-11-20
腹黒- クーヘン自由詩3*20-11-8
原石- クーヘン自由詩6*20-11-5
炊き込みご飯- クーヘン自由詩12*20-11-1
接続詞- クーヘン自由詩8*20-10-26
ミシミシ- クーヘン自由詩3*20-10-23
ポトス- クーヘン自由詩3*20-10-18
かみひこーき- クーヘン自由詩7*20-10-12
似顔絵- クーヘン自由詩3*20-10-3
勃ちたいのです- クーヘン自由詩3*20-9-25
シャバ- クーヘン自由詩3*20-9-23
古着屋さん- クーヘン自由詩6*20-9-13
夏のトンネル- クーヘン自由詩3*20-9-7
茶柱- クーヘン自由詩3*20-8-23
ポシェット- クーヘン自由詩4*20-8-19
- クーヘン自由詩7*20-8-7
焦げ- クーヘン自由詩1*20-8-1
歩兵- クーヘン自由詩3*20-7-28
- クーヘン自由詩3*20-7-17
青魚- クーヘン自由詩5*20-7-12
根菜- クーヘン自由詩3*20-7-8
指切り- クーヘン自由詩11*20-6-8

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