頭蓋骨にぽっかりと穴の空いた人は
心にもぽっかりと穴が空いたようで
表情は少ない。
手の震えは、脳味噌の痙攣で
その人の手の震えは、僕の心を痙攣させる

その人の無表情の時間は次第に長くな ....
月下美人のつぼみは
僕から君へと宛てた
詩集の挿絵に
描かれていて
本当は籍を入れる時は
月蝕の夜になっていた
かもしれない

まるで仮眠でも
取るように
くれないに染まる月蝕は
 ....
駐車場に車を止めて目をやると

2階の窓が明るい

携帯で電話



これからすることがあるので
今日はちょっと



すぐに窓は黒くフェイドアウト

駐車場に取 ....
誰かが外から力をねじ込んだ
固く ギリ ギリ と
{ルビ蜷局=とぐろ}を巻いて震える はらわた
突き上げるような衝動!
目を見開き
歯をむき出して
喧しくシンバルを鳴らし 
── 鳴らし ....
 私たちが
 自分を創り終えるのは
 いつなのだろう

 たとえば、
 どこかの建物の一室で
 最後の息を一つ吸い
 そして、吐き

 その胸の鼓動が
 ついに沈黙する時
 あな ....
ずっと抱きしめてきたけど
本当は離れられないだけなんだ
それとほぼ同時に分かるんだ
 
前略 わたしはぼちぼちです

あなたはいかがですか 草々

追伸 ぼちぼちだといいな



 
ヒグラシの遠い呼び声暮れて行くひとりぼっちの道は遠くて

夕暮れの窓辺に寄って本を読む涼やかな風秋の足音

金色の庭でみつけた木漏れ日のスポットライト妖精の輪だよ

ひとりきり置いてきぼり ....
自分で敷いた道がある
凸凹道で思うように進めない
曲がりくねった迷路の道で
迷ってばかりいる

ぬかるんだ道に
足を取られて転んだこともある
途中で立ち止まり
天を仰いで溜息を吐いた
 ....
終電を逃して歩く秋燕 ソフレって言葉を
初めて知ったの

セフレじゃないよ
配偶者や恋人ではないけど
添い寝するフレンドだって

誰もが温もりを求めている

私たちも
セックスレスだというよりも
ソフ ....
荒んだ気分に吹かれているのも
快速電車の乗り心地です
時に青白い猫が追い越して行くのも新鮮
手放しで夜道を直進するも悪くない
見通しは甘くありません
集会に行くのだとばかり思っていたら
対 ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら

端をほんのわず ....
強烈な風雨を受けて
折れてしまった月下美人の葉を
何気なく水に差しておいたら

根が出た

その後も根は伸び続け
葉のくぼみに蕾をふたつつけた

さすがに花を咲かせることはなく
 ....
もう一度
巡り会えると思っていた
例えば
白い窓枠の廃校舎
花壇
の隅に埋めた
解剖のフナ
誰かが拾ってきた小鳥
教室で飼っていた金魚
アコーディオンを弾いていた先生
転校していっ ....
手を振り返さなければ乗れた終電 七色に輝く水しぶきを浴びて
キャッキャと走り回るあなたを
私だけのファインダーに
永遠に閉じ込めておきたくて
夢中でシャッターを押したのに
あなたのぶれた指先や
揺れるスカートのレースしか ....
ただ 遠い出口の丸い光が見えていたから


「それでは また」

ポツリ一言 質量を伴わない声では背の側に当たったことに気づかない

ひたすら光の穴に向かって空回りの歩みをす ....
大正生まれだった祖父が
復員してきた時 涙を流した
巻き鍵をお守りに持って 出征した
古い柱時計 曾祖母も大叔母も涙を流した


父は物持ちが良く
ガラスが黄ばんだ腕時計を
引き出 ....
 
あなたとわたしの汗が滴る肌 舌をはわせてあげる

あえぎ声 はてるまで

何もかも とけてしまうまで



 
23:59の私
00:00の私

日付は変わったけど
1分でなにが変わったかな

真っ暗闇に進んでいる
けれど気持ちが幸せで

思う気持ちが大事で
思われることは素晴らしい ....
君は
覚えたての「こんにちは」を
わたしがこぐ自転車の前に付けた補助椅子から
道行く人はもちろん
畑仕事をしている人にも
隔てなく投げかける

たいていの人は
一瞬驚いたような顔をする ....
{画像=140920123249.jpg}




*

あなたはわたし わたしはあなた


愛を頂戴、毒をあげる。
言葉を頂戴、嘘をあげる。
声を頂戴、棘(トゲ)をあげる ....
わけを探してよけいに悲しい ちょっと長いけれど
暇だったら聴いてください


私は小学校五年の頃 
お化粧に興味を持ちました
鏡台に姉の化粧品が入っていたので
ある日 赤い口紅を塗って
三面鏡に映った自分を見てい ....
みゆきしか流れぬバーに色あせた飯島愛のポスターがある 純度だけは
高かった

未熟な幼い
私の愛を

貴方は
シャーレに入れ
蓋を被せて
純粋培養しようとしたから

それは
純度の高いまま
根深い憎しみに
変貌しました

 ....
自由にのびのびと泳がせてくれる人と
長続きするのだなと今さら知る

海水魚を飼っていた時
気遣って水槽掃除をしてくれた夫が
水温センサーを水に戻さなかったので
海水魚たちはみんな煮えました ....
【わすれがたみ】
ある夏の日
百合の花柱を
みつけました
薄紅に透ける花弁には
まっすぐな いのちの
いとなみが ありました
それは
ふと おもいだしたくなる
この夏の わすれがたみ ....
やわらかな鉛筆の芯で
ここにはいない君を
スケッチしました
身体をおおう毛は
鉛筆を少しねかせてふんわりと
ひげは鉛筆を立てながら
細い針金のように
それは君の
生きることにまっすぐだ ....
chiharuさんのおすすめリスト(382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
その人の笑顔- ……とあ ...自由詩18*14-10-9
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サフランモンブラン- 芦沢 恵自由詩21*14-10-8
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人間の完成- まーつん自由詩18*14-10-6
守りたいのは- 陽向自由詩4*14-10-6
前略- 殿上 童自由詩24*14-10-5
黄昏遊戯Ⅳ- 未有花短歌11*14-10-4
【_紆余曲折_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-10-2
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秋の抽斗- そらの珊 ...自由詩1814-9-28
生きるためになんか生きられない- nonya自由詩25+*14-9-27
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手を振り返さなければ乗れた終電- 北大路京 ...自由詩2014-9-24
夏のアルバム- 夏美かを ...自由詩40*14-9-23
果て- 芦沢 恵自由詩20*14-9-22
発条- 藤原絵理 ...自由詩14*14-9-22
はてるまで- 殿上 童自由詩22*14-9-21
1分- 瑞海自由詩12*14-9-21
こんにちは。- そらの珊 ...自由詩2114-9-20
バラッド3- beebee自由詩22*14-9-19
わけを探してよけいに悲しい- 北大路京 ...自由詩814-9-19
【_私の化粧履歴_】- 泡沫恋歌自由詩26*14-9-18
みゆきしか流れぬバーに色あせた飯島愛のポスターがある- 北大路京 ...短歌414-9-18
培養- Lucy自由詩19*14-9-17
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猫_【詩サークル_群青_八月のお題「猫」から】- そらの珊 ...自由詩2114-9-16

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