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まばらに降ってくる秒針に刺さりながら
死んでいくということをわかりそうになる
溶けた絵具の優しさよ、
錆びたレールの優しさよ、
朝、ななめに射す光のなかで
じくじくと枯れていく草たち ....
かすかに聞こえる
なつかしい声は
わたしでない誰かを呼んでいる
昔飼っていた犬や
死なせた金魚
履かないままくたびれた靴
そんなのたちを
呼んでいる
待っている
のは
....
しじゅう痛みのなかにいて思うのもむつかしい夜には、すきま風でもありがたい
手を離せばかんたんに瓶は割れてしまうが
手を離すのはかんたんではないのだ
いつかした夜のようにからだを集めて、
で ....