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作りたての甘酒が美味しくて
ふうふう。しながら夢中で飲んだ冬休み。
早くおかわりがしたくて
ようやく席に着いた父に
「もう一杯ちょうだい。」と
私はねだる。
少し困ったような父の顔 ....
30余年勤めた職場の入り口で父は佇んでいる。
深く深く礼をして
これまでの事に感謝をしながら。
その姿は皆に慕われ
頼りにされた一人の男の生きざまにも見えた。
明日出社をしたら
父の ....
「忘れる事が幸せ。」だと
誰かが言った。
「娘は、父親を忘れてゆくものだ。」と
誰かが言ったのだけれども
私の横にはお父さんが居るようで
切り裂くよりも重く苦しい痛みが身体を痛めつける ....
手を伸ばすと/眠っているお父さんの頬に触れる。
あまりにも冷たくて/冷たくて
触れたままの手では無く
「強いな・・・・。強いな・・・・。」と思っていた心臓が/冷たくなった。
無常にも燃え上がる炎。
愛する者の身体は
2時間強という短さで骨と言う物体になった。
「形が綺麗に残ったね。」と
一点を見つめる瞳。
「あったかいねえ。」と
声を震わせて歪んだ ....