終わらぬ夜に氷を浮かべ
ウイスキーを探る指先が
膜の上を滑るようになぞり
飲み干してしまう液体の色

薄暗い照明のせいで
味は苦かったとしか言えずに
転げ回る夏の大車輪が
 ....
夢に置いて行かれた大人たち
ライバルに置いて行かれないように
綺麗に並んだ椅子を奪い合う

口寂しくて火を付ける煙草の
先端は丸く風船のようで
西日が差し込む窓辺の側に
夕陽と炎の赤いパ ....
僕の体が
小さかった頃は
ジャングルジムの
窓を潜り抜ける
トンネルは
光だと思っていた

ジャングルジムから
二人が生まれて
絡み合う夜は
窓に鍵を掛け
トンネルは熱だと
思 ....
立入禁止のスイートルームで
締切間近の原稿を書くと

昨日まで普通に見ていた空が
今日は灰色の壁に塗り変わる

バゲットとチーズとワイン片手に
イマジネーションの旅を始めても

憧れ ....
降り注ぐ太陽のヴェールの下
爪先とアスファルトの口付けを
ヒリヒリと感じながら歩く道

照れ隠しのような日傘の中で
あなたの姿を思い浮かべるのは
恋と言うものの仕業なのだろう

ワンピ ....
飢餓と満月が同居する体
世界の最果ては孤独だと言う

日付変更線を挟みながら
数えきれぬ命の埋葬と
新たな命を取り出す時間が
せめぎ合う度に繰り返される

途上国の過酷な労働に
一滴 ....
灰皿の中で堂々としてる
レシート裏に付いたキスマークは
あなたからの挑戦かも知れない

火を付けたら灰になってしまう
破ったとしても屑になってしまう
水に付けたら苦しんでくれるだろうか?
 ....
アイシテルの声も
サヨナラの声も
優しいメロディの流れに乗せて
溢れんばかりの想いが走る

あなたの声には唄が良く似合う
言葉だけでは届かない距離を
音楽はすぐに飛び越えるから

感 ....
僕の心と月光の温度が
凍て付くような冬の海岸で

あの場所へ連れて行って下さいと
シリウスを指差す誰かの声が
真っ直ぐに空へ伸びて響いた

内に秘めた強さはきっと何か
目指すモノがある ....
待ち合わせに遅れたのはきっと
赤信号が僕に惚れたせいだ

見つめ合うように佇む時間は
お前に縛られ僕は動けない

お前はいつも嫌われながらも
車同士で喧嘩しないうちに
愛の信号を送って ....
数え切れない灰色の砂は
風が吹けば海辺を飛び回り
誰かの靴の中で昼寝をして
寝像の悪い奴は逃げて行く

海で泳ぐ人で賑わう夏は
どこかで砂の悲鳴が聞こえる

人に踏まれて泣き喚く声や
 ....
見頃のはずの桜を散らす雨
僕等の体にも雫をこぼし
明日に備えてと帰宅を急ぐ

待ち合わせの朝に受け取る電話
君の枯れた声で風邪だと気付き

見舞い帰りの路地裏に咲いた
小さな綿毛をくし ....
心は無防備な壁のように
何も言わずに建っているけれど
音も立てぬまま剥がれてゆくのは
真っ直ぐだった僕の懐かしい声

ずっと一人で戦って来たんだ
ずっと一人で隠して来たんだ
 ....
心を見せ合う相手が居れば
何処へでも行けるような気がして
頭上を横切る飛行機を見れば
何処かへ行こうと未来を作る

確かめたかった声が離れても
思い出を巻き戻す事もなく
確かめてみたい声 ....
私はあなたの隣りに居るのに
飾り物みたいに息を潜めて
顔色ばかり気にしているけれど

続きが見たくなるドラマのように
あなたのひと言に心踊らせ
時には突き落とされそうになる
 ....
聞き慣れぬあなたの怒鳴り声が
ノイズのようにひび割れてくると
思わず耳を塞ぎたくなるのは
私の弱さと寂しさを混ぜたもの

そこに何色があったとしても
あなたを塗り分ける事を覚えて
同時に ....
日当り良好
ペット可

君の髪の毛はまだ短いけど
ポニーテールがひとつだけ出来た

どこかで迷子にならないように
リボンの代わりに首輪を付けると
鏡の前でも下を向いていた

僕等の ....
ここでは無いどこかで暮らしている
君の住む街は星が見えますか?

何も言わずにそっと離れたのは
自分を守る為だったのだけど
もう二度と会えなくなった今でも
その心の行方が知りたくて

 ....
無限に広がる宇宙の中で
夜空に落とした涙を見たい

例えば海に浮かんでいるボトル
或いは僕の得意なクロール

闇に溶けて解らなくなったのは
君と僕を乗せた砂のレール

今はもう動けな ....
先頭に居るのは誰なんだろう?
少なくとも君では無いはずだ
車酔いをする人がこの場所で
並んでいるとは考えられず

回り続けるメリーゴーランド
今日も僕は一人で乗り込んだ
出来れば君の背中 ....
同じ雨を見て
ブルーになったり

好きだと言ったら
赤くなったり

君と僕を映す心の色は
鮮やかに染まる白だと思う

一度結ばれたら二度と離れぬ
蜘蛛の糸で作られているらしい
たんぽぽの花びらは嘘を付く
あなたに会えると言い残した後
あなたに会えないと言い直した

気まぐれなたんぽぽの花びらが
風に乗って空を渡るように
あなたの肩の上で笑いたい

見晴らしの ....
いつかどこかで君と会えるなら
今は静かな想いを胸に秘め
落ち葉と一緒に地面に寝転ぶ

空を眺めても星はまだ居ない
雲が流れたら見えるだろうか?

放課後の教室に入る時は
扉を閉めて君の ....
ピアスの数だけ恋をした
傷付く度に増えてゆく穴を
キラキラと光る星で飾ると
少しずつ痛みを忘れられたが

朝になるとまた気付いてしまう
もっと良い人が居るかも知れない

私の耳には三日 ....
ミナト 螢(984)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩416/6/23 19:45
残業自由詩216/6/22 18:27
Play自由詩116/6/19 19:24
監獄の朝自由詩2*16/6/18 20:43
ヴァージン自由詩316/6/17 19:21
命の更新自由詩216/6/15 12:42
自由詩416/6/10 21:04
アカペラ自由詩116/6/4 9:38
海を見ていた自由詩416/6/1 20:10
赤と青と僕の交差点自由詩216/5/30 15:23
シェルター自由詩116/5/29 20:40
薄紅の風自由詩116/5/27 7:38
孤独の番人自由詩916/5/24 21:20
Planet Queen自由詩116/5/24 8:15
ジェットストリーム自由詩316/5/22 18:09
表情自由詩116/5/21 8:03
遠吠え自由詩116/5/19 19:28
スターマイン自由詩216/5/19 17:39
月と僕と君のアルペジオ自由詩216/5/18 20:43
安全地帯自由詩216/5/18 13:18
法則自由詩116/5/17 7:34
運命自由詩216/5/15 14:04
予感自由詩116/5/12 20:53
イミテーションゴールド自由詩516/5/11 18:39

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